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275.毒液の雨

「またかよ!」

地下13階層は土砂降りだった。

しかも振っているのは毒液の雨だった。


「行くしかないですね」

俺はバブルドームを使おうとしたが、さっき使ってたものは魔力を入れても起動しなかった。

「壊れたか……」

俺は新しいバブルドームを取り出して魔力を込めた。


「毒液も大丈夫そうです。進みましょう」

俺達は毒液の雨の中進んだ。


順調に進んでいたが、毒液の雨の中に何かが居た。

「ヒューズさん、あれは?」

「うーん。わからん。初めて見た」

ヒューズさんも知らないモンスターの様だ。


モンスターは2種類居て、大型犬サイズのナメクジとカタツムリだった。


「毒液の雨の中で動けるってことは……」

「毒耐性があって、毒で攻撃してくる可能性がある」

「ですよねー」

俺以外は武器を構えた。


ナメクジとカタツムリは移動速度が遅く、なかなか近づいて来ない。

「走って抜けるぞ」

「は、はい」


俺達はナメクジとカタツムリを避けながら走った。



地下13階層は意外と狭く、すぐに階段を見つけることができた。


▽ ▽ ▽


地下14階層も変わらず毒液の雨が降っていた。


「ここも走った方がいいかもな」

「そうですね。バブルドームもいつ壊れるかわからないので急ぎましょ」

俺達は毒液の雨の中を再び走った。


「おいおい。また別のやついるじゃねーか」

ヒューズさんが指差す方向には、サル型のモンスターが数匹居た。


「毒液の雨の中に居るってことは」

「まあそういうことだろうな」

俺達は念のため走るのをやめた。


サル型のモンスターはこっちをずっと見ている。

「これは戦わないとダメだな」

「ああ。あのモンスター以外が近づいてくる前に倒そう」

「おう!」

ヒューズさん達は武器を構えた。


サル型のモンスターはしゃがんで足元にいるナメクジを掴み、投げつけてきた。


「マジかよ」

サル型のモンスターはナメクジとカタツムリを次々とこちらに投げてきた。

ヒューズさんは飛んでくるナメクジを斬りつけていった。


ブシュッ!

体液が飛び散る。


「気を付けろ!体液も毒だ!」

ヒューズさんの顔に体液がかかったようで、片目をつぶって叫んでいた。


「ライム。ヒューズさんにポーションをかけて。かけ終わったらみんなのフォローを」

ポニョン!

ライムはすぐにヒューズさんの元に行き、ポーション生成して頭から被せた。


「すまん。助かる!」

ヒューズさんは飛んでくるナメクジを倒していく。


飛んできているナメクジとカタツムリはポイズンスラッグとポイズンメタルスネイルという名前だった。

名前にポイズンと入ってるから、毒攻撃は確実だろう。


「こっちの殻が付いてるやつは倒すんじゃなくて弾け!殻が固すぎて倒すのに時間がかかる!」

ガッツさんがポイズンメタルスネイルを殴って吹き飛ばしながら叫んだ。


「マスター」

ゴーレを見るとバブルドームの外に手を出していた。

「え?え?何やってるの?」

「毒の強さを確認していました。私の身体には影響がありません。私があのサル型のモンスターを倒しに行っても大丈夫ですか?」

「本当に平気なの?」

「はい。溶けるような毒ではないようです」

「わかった。身体に異変があったらすぐに戻ってきて」

「承知いたしました」


ゴーレは走ってサル型のモンスターに向かって行った。



ヒューズさんとガッツさんはポイズンスラッグを倒していく。

俺も片手でエアアームを出し、ポイズンメタルスネイルを投げた。


「ライル!ゴーレさんのフォローに行くから近づくぞ」

「わかりました」


俺はみんながバブルドームから出ないように気を付けながら、ゴーレが戦っている場所に近づいた。


「ライルは攻撃されないように気を付けろ」

「わかりました!」


ヒューズさん達はサル型のモンスターに向かって行った。

俺はみんなの動きを見ながら、ドームから出ないように調整した。


「ライル!もっとこっちに!」

「おい!こっちにも寄ってくれ!」

「ドームの形見て!2人が反対に動いたら無理だって!」

ヒューズさんとガッツさんのわがままに俺は振り回されていた。


「まどろっこしい!ライル、バブルドームを1個くれ!」

俺はヒューズさんにバブルドームを渡した。

ヒューズさんはバブルドームを展開した。


「ライム、俺は今のところ平気だから、みんなの回復を頼む」

ポニョ!

ライムは俺から離れ、ヒューズさん達の元へ行った。



バブルドーム内での接近戦になったので殲滅するスピードは速かった。



「終わったーしんどいぞこれ!」

「ラ、ライム!もう大丈夫だからポーションを止めてくれ」

ライムがヒューズさんとガッツさんにポーションをかけ続けているせいで、びちょびちょになっていた。


「2人とも毒の影響はないですか?」

「たぶん大丈夫なはずだ」

「ああ。ライムが回復と『クリーン』をしてくれてたから大丈夫だとは思うが……」


ライムを見ると様子がおかしい。


「ライム、大丈夫か?」

……ポニョ


俺は心配になり、ライムのステータスを確認した。

すると毒状態になっていた。


すぐにマジックバッグから解毒ポーションを取り出してライムに呑ませた。


ライムのステータスから毒状態の文字が消えた。

「ライムの『暴飲暴食』では毒液は消化できても毒の効果は無効化できないのか……。無理させちゃったな」

俺はライムを抱えた。


「進みましょう。モンスターが出てくる前に」

「そうだな」


俺達は地下15階層に向かった。



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