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265.鋭牙の特訓

今日は鬼将軍の鋭牙の特訓だ。


メインは最近エクストラスキルを取得したカイリ達。

今後冒険者として一緒に活動してもらう予定だから、6人まとめての特訓だ。

ジョシュ達はそこそこ経験値があるから、調整はしてもらうつもり。


ライルダンジョンの前に整列しているジョシュ達。

尻尾がものすごく動いていた。

特訓を楽しみにしているようだ。


「よし、今日はライルダンジョンで特訓だ。戦闘指示はいつも通りベラ、ジュシュとララは防御、カイリとネネとビッツがメイン」

「「「「「「はい!」」」」」」

「もうすでに確認は済ませているかもだけど、ベラはカイリ達のやれることを再確認しておくこと!それが終わり次第出発するから」

「はい!」

ジョシュ達は集まって話始めた。


▽ ▽ ▽


ダンジョンの設定はハードめにした。

地下一階層で特訓予定なので、オークとオークナイトが常に100体出るようにしていた。

レベルもそこそこ高くしていたせいで、ジョシュとララも戦闘に参加させないときつい状況になってしまった。


「ネネ、スキルを使って!」

「うん!アニマート!」

ネネはミラーゴーストを2体召喚し、シンバルとギターを持たせていた。

そしてテンションが上がる曲を演奏し始めた。

アニマートは活力が上がるスキルで、ステータスに直接影響はないがかなり良いスキルだ。

曲を聴いている鬼将軍の鋭牙の面々の疲れた表情が少し和らいだように思えた。


「ネネはそのまま遠距離で攻撃、ビッツは粘着罠を設置して、カイリはジュシュとララと共にモンスターと戦いながらヒールをお願い!」

「「「はい!」」」


ステルスモスキートの革外套を使い、ビッツは気配を消して粘着罠を設置していく。

罠に引っかかったオークをナイフで攻撃しているが、一撃で倒せるほどの威力はなかった。

これは今後の課題だ。


カイリはジョシュとララに付いていっていた。

だが、やはり経験不足のせいで回復のタイミングが遅い。


ネネは遠距離なのと魔楽器の能力のおかげでうまく対処している。


「ビッツ!装備のおかげで気配を消せてるんだから真正面から戦うな!相手の弱点を狙え!」

「はい!」

「カイリ!仲間の回復タイミングをちゃんと見極めろ!無駄にエリアヒールし過ぎだ!」

「はい!」


6人はがむしゃらに戦い続けた。


▽ ▽ ▽


6人は順調にオークやオークナイトを倒していく。

「うーん。ゴーレ」

「はい?どうしました?」

「オーク10体くらい、ベラとネネの近くに移動させて」

「承知いたしました」

ゴーレはオークを紐で縛って運んで行った。

みんなががむしゃらに戦ってるのに、ゴーレがいとも簡単にオークを運んでいるのが面白かった。


数分経つと、オーク10体がベラとネネの元に向かっていった。

ベラは俺の顔を見た。

俺は首を横に振った。


「ネネ、オークが来てる!対応おねがい」

「う、うん!」

ネネはオークの前に立ちふさがった。


トランペットガンを吹き、オークにエアショットを飛ばしていく。

ひるんだところで、ミラーゴーストがエレキショックギターでオークを麻痺させる。

動けなくなったオーク達の首をチャクラムシンバルが切断していった。


「あー強いな。魔楽器が強い。でもちょっと他のメンバーより身体が弱いかもな」

ネネの課題点も見つけられたから満足できた。


「じゃあそろそろ仕上げにしますか」

俺はダンジョンコアのある部屋に行き、オークナイトのみ100体に設定を変えた。


「なんか装備もいろいろ必要だよなー。カイリはロッド系、ビッツとネネはナイフ系だなー」


魔石が手に入れづらくなったので、ガチャではなくガルスタンに作ってもらうことになるだろう。


▽ ▽ ▽


夕方になった。

昼休憩はいれたが、それ以外は戦い続けていた。

そのせいで6人ともヘロヘロになっていた。


だけどみんなレベルアップはかなりしたみたいだ。

カイリ達も戦闘慣れできただろう。


「よーし。今日は終わり!」

「「「「「「はい!」」」」」」

「カイリ達は正式に鬼将軍の鋭牙として活動。だけど装備が心もとないから、この後ガルスタンに相談しに行こう」

「「「はい!」」」


俺はカイリ達を連れて、ガルスタンの元に向かった。


▽ ▽ ▽


ガルスタンの鍛冶屋に到着すると、中から人が吹き飛んできた。


「いちゃもんつけやがって!」

ガルスタンが怒鳴っている。


「どうしたの?」

「ああ、ライル様。この冒険者がうちで買った武器が使い物にならんと文句言いに来たんです」

「え?」

「ですがこいつが持ってきた武器はオイラが作った武器じゃなかったんです」

「なるほど…」

ガルスタンはびっくりするほど怒っている。


「ゴーレ。この冒険者を拘束して、冒険者ギルドにお願い」

「承知しました」

ゴーレは気絶している冒険者を担ぎ上げて、冒険者ギルドに向かった。



「それでライル様はどうして?」

「ああ。カイリ達の装備をお願いしたくて」

「なるほど」

「一応、エンジェルラビットの羽根鎧はカイリに渡そうと思ってる。あとステルスモスキートの革外套をビッツに渡してる」

「そうしたら、鎧2つと武器3つですね」

「そうだね。どういう武器がいいかは、カイリ達と相談してくれ」

「わかりました。よしお前達、こっちで話聞くぞ」

「「「はい!」」」

ガルスタンはカイリ達を連れて鍛冶屋の奥へ行った。


俺は先ほどの冒険者が気になり、冒険者ギルドへと向かった。


▽ ▽ ▽


俺は冒険者ギルドでゴーレと合流した。


「どう?大丈夫?」

「はい。今はマリーナ様が対応してくださっております」

マリーナさんがギルドの奥からやってきた。


「あっ!ライルくん」

「少し心配になってきちゃいました」

「ああ。最近少し素行の悪い冒険者が多いみたい。冒険者ギルドからも注意してるんだけどね」

「え?今回と昨日の以外にも?」

俺は新情報に驚いた。


「うん。宿屋や温泉などでいちゃもんつける人が何人かいてね、他の冒険者がその場に居たから大事にならなかったんだけどね」

「そんなことが……」


俺は本格的に治安維持方法を考えることにした。


「カラッカではどうしてるんですか?」

「あー警備隊が街を巡回してるから、あまり揉め事が起こらないのよ」

「じゃあカラッカの冒険者がうちの村に来て、警備が居ないせいで暴れてるってことですか?」

「いや、村で問題を起こした冒険者は私も見たことがないから、他の所から来た冒険者だと思うわ」

「なるほど…」


マリーナさんが何か言いたそうにしている。

「どうしましたか?」

「うーん。なんか気になるのよね」

「何がですか?」

「いちゃもんの付け方が適当すぎるのよ。ただの喧嘩なら理由が適当でもおかしくないんだけど、お店や施設に意図的にいちゃもんを付けてる感じがするの。それもすぐばれるようなやり方で」

「なんか裏があるってことですか?」

「考えすぎかもしれないけどね」

俺は少し考えた。


「マリーナさんの言う通りなんかあるかもしれないので、俺の方でいろいろ対処しますね」

「うん。できることは協力するから、何かあったら言って」

「ありがとうございます!」

俺とゴーレは冒険者ギルドを後にした。


「ちょっとあれを試してみるか」



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