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262.秘密の仕込み

母さんに気まずいカタログを渡して30日程経った。


村は少し肌寒くなってきた。

これから冬に突入するという。

俺の記憶では、冬は雪が少しだが積もっていたような気がする。

去年はとても寒かった。だが今年は大丈夫だ。

『秘密基地』のおかげで、すきま風とは縁遠い家だからね。



あれからライル商会はフル稼働していた。


まずはマヌセラの復興だが、7割近く終わっている。

アイザックさんが用意した建築関係の人達がだいぶ優秀だったようだ。

それに鬼将軍の弟子と海獣の高波もだいぶ頑張ってくれた。


マヌセラで働く従業員達もしっかり頑張ってくれている。

アイザックさんとブライズさんは本当に優秀だ。


漁師達はすでに働き始めている。

新鮮な魚介類はライル商会のレストランの目玉商品となっている。

刺身もマデリンが作ってくれた『クリーン』のマジックアイテムのおかげで提供ができている。


それにマジック節製造機のおかげで加工製品も販売できそうだ。

漁師達釣ってきた魚の種類は豊富で、アングリーツッオという鰹みたい魚やジャギドシビーという鮪のような魚が居たおかげで、節を作れるようになった。


ノヴァは『テイム』を取得し、タックを正式にテイムした。

卵は残念ながらまだ孵化していない。



裁縫部門は女性用下着の試作品を作るまでになっていた。

裁縫部門の勢いを後押ししたのは、マジック製造機カタログだった。


カタログを使って召喚したのはマジックゴム製造機だ。

畑にゴムの苗木を植えていたのを忘れていたが、キーが良きタイミングで教えてくれた。

動力は魔力でゴムの木を入れるだけで、様々なマジックゴムを作ることができる。

本当にガチャ業者の人、ありがとう。

マジックゴムのおかげでヘアゴムや女性用下着を始めとした衣服類の製作が進んでいる。



カイリ達は疾風の斧のおかげで、戦闘スキルをいくつか覚えたようだ。

あとは俺の特訓待ちだとヒューズさんに言われた。


ネネにミラーゴーストの首飾りを渡しているので、ゴーストを2体召喚して魔楽器を3つ同時に操る練習をさせている。

魔楽器の演奏と授業が平行して行えないため、フォーリアにはマヌセラの俺の家で授業をしてもらっている。

マヌセラの従業員の子供達も授業を受けさせれるので一石二鳥だ。



そしてササントのダンジョンだが、まだ攻略許可が出ていない。

理由は第3王女の管轄になったかららしい。

第3王女達はまだカラッカで療養しているらしい。

早く動き出してほしいものだ。


「あー今日は何するかなー」

前まではほとんど1人で動いていたからいろいろ出来たが、最近は人が多くなり自分だけではあまり動けなくなった。

俺は何をするか迷いながら家を後にした。


▽ ▽ ▽


ゴーレと共に学び舎に到着した。

庭で疾風の斧とカイリ達が訓練をしていた。


この30日間でカイリは『棒術』、ネネとビッツは『剣術』を取得していた。

それぞれ自分に合った武器を使って訓練している。

ネネとビッツは剣よりナイフやダガー系が使いやすいようで、短剣メインで稽古していた。


「みんな、お疲れ」

「「「あっ!ライル様!」」」

「様子を見に来たんだけどどうですか?」

俺はヒューズさんに問いかけた。


「うーん。少し心配だが、実際にモンスターと戦わせてみてもいいと思っている。ゴブリンやスライムレベルにはやられないはずだ」

「そうですか。じゃあ明日にでも特訓しようかな。ゴーレ、大量発生を探しに行ける?」

俺がそう問いかけるとゴーレはは口を開いた。


「マスター。申し訳ありません。ササントの件以降、ヤルク村付近での大量発生はほぼありません」

「そうかー。犯人捕まえたんだもんなー」

「ササントとから近い場所では大量発生が起きていると聞いていますが、本当にわずかです」

「うーん。どうしようかな」

俺が悩んでいると、リリアンさんが口を開いた。


「ダンジョンでいいじゃない。少し難易度を下げれば、この子達なら大丈夫よ」

「あーそれで良さそうですね。じゃあ2日後特訓ということで」

「わかった。それまでこいつらを鍛え上げておく」

ヒューズさんはやる気満々だった。


「みんなも大丈夫?」

「「「はい!お願いします!」」」

カイリ達は元気よく返事をした。


▽ ▽ ▽


俺とゴーレは食品工場に向かった。


「特訓はオークでいいよね?」

「はい。問題ないと思います」

「じゃあレベルを調整して、出てくる数を増やせばいいか」

「はい。よろしいかと。それでマスター、この後は何を?」

「なんか寒くなったからさ、冬用の食事を試作しようと思って」

「お供致します」


ゴーレと喋っているうちに食品工場に到着した。

「よし、やるか!」

ワーとヨーを呼んで、作業に取り掛かった。


俺は熱中しすぎて、数時間食品工場にこもってしまった。


▽ ▽ ▽


もう夜深くになっていた。

「やばいやりすぎたなー」

「そうですね。もうみなさん家に帰られていると思いますよ」

「うーん。お披露目は明日かー。一応レストランに行ってみよ」

「承知致しました」



レストランはまだ明かりがついていた。

「あれ?うちのレストランって24時間営業?」

「いえ。そんなはずはないと思いますが」

俺とゴーレはレストランの中に入った。



厨房にはアイザックさん、それにエルフのアルゴットとフィアダ、マヌセラのモズドとポレット一家が居た。

「え?なんでみんないるの?」

俺に気づいたアイザックさんが口を開く。


「ははは。最初は営業後にマヌセラ組の調理の練習に付き合ってたんだけどね。料理好きが集まっているせいか、いつの間にか試作品作りが日課になっててね」

俺はライル商会の料理人達の向上心に感動した。


「そうなんだよねー。今日は疲れちゃったから僕は試食のみだけどね」

カウンターにチャールズ兄が座っていた。


「俺は感動しました。みんなの料理欲が満たされるものを持ってきます。ゴーレ、ワーとヨーに今日作ってたものを持って来させて」

「承知しました」


数分するとワーとヨーが目当ての物をもってやってきた。



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