表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
263/389

257.ササントダンジョンの難易度

マヌセラを大改造してから3日経った。


ガッツさんと鬼将軍の剱と剛角が村へ帰ってきた。

弟子達はたくさん戦闘ができて満足した様子だ。


ダモンさんとパリスさんは秘密の通路に驚いているのだろう。きょろきょろしている。

それに引き換えガッツさんの表情は暗かった。


「おかえりなさい。ダンジョンの天候はどうでした?」

「最悪だよ」

「えっ?」

「暴風雨・吹雪・雷が降る・砂が降る・毒液が降る・鉄球が降る。俺が確認できたのだけで地獄のような天気だ。しかも半日ごとにランダムで変わる。暴風雨と吹雪の確率が高めみたいだが、何階層まで続いているかもわからないしはずれを引いたら最悪だ」

「だいぶ厄介ですね」


ガッツさんは腰につけているポーチから鉄球と液体が入った瓶を取り出した。

「これが降ってきたものだ。これをガルスタンさん達に見てもらって、装備を作るか相談したいのだが」

「わかりました。先に鍛冶屋に向かっていてください。弟子達に指示を出してから向かいます」

「おう」


ガッツさんは鍛冶屋に向かった。



俺は弟子達のもとへ向かった。


「みんなおつかれ!」

「「「「お疲れ様!」」」」

「「「「「お疲れ様です!」」」」

「カラッカの街には光剣の輝きが戻っているはずだから鋭牙と強弓に村に戻ってもらって」

「「「「「「「「はい!」」」」」」」」


「今後は1パーティはカラッカの街、1パーティはササントのダンジョンの間引き、2パーティはマヌセラの復興の手伝いをやってもらいたい。担当するパーティは固定しても交換してもいいよ。各リーダー同士で話し合って決めて」

「「「「「「「「わかりました!」」」」」」」」

「じゃあお願いね!」


そう言うと弟子達は学び舎へ向かった。


「フリード達もお疲れ。家に帰ってゆっくり休んで」


弟子達よりもフリード達のほうが満足してそうな雰囲気だ。



▽ ▽ ▽


「うーん。これは大変でしたねー」


ガルスタンが瓶の中の毒液を見ながら、ガッツさんを労わっていた。

マデリンとイルデンは悩んでいるようだった。


「どうかな?これらと雷や雨を防ぐ防具を作れたりする?」

俺が問いかけると、マデリンが口を開く。


「1つの装備ですべてを防ぐことはたぶん無理ですね」

「そうだよねー」

「あと装備を人数分そろえるのが難しいかもしれません。できて5着から6着」


マデリン達は申し訳なさそうにしている。


「わかった。ダンジョンに向かう人数は選別するよ。とりあえず作ってもらえる」

「はい!急いで作ります!」


ガルスタンがそう言うとガッツが慌てて口を開いた。

「そんなに急がなくていい。間引きもできているし、ダンジョンの詳細を冒険者ギルドに報告して、どうするかを決めてもらうから。もしかしたらダンジョンを消滅させない可能性もだいぶ少ないがあるから」

「わかりました。無理のない程度で進めます」

「助かる。ありがとう」


ガッツさんは頭を下げた。


「もし必要な素材とかあったらすぐに言ってね」

「わかりました!」


そう言い、俺とガッツさんは鍛冶屋を後にした。


▽ ▽ ▽


「ダンジョン攻略のメンバーはどうします?」

「うーん。装備を冒険者ギルドに売って、ササントの冒険者に任せてもいいけどな」

「あー。でもダンジョンコアが欲しいからなー。できれば俺らで攻略したいです」

「ダンジョンコア?なんでだ?」

ガッツさんは首を傾げた。


俺はガッツさんにライルダンジョンのこととヤルクダンジョンの仕組みについて話すことにした。

「実はですね……」


▽ ▽ ▽


「えー!まじかよ。元々のダンジョンはヒューズ達が攻略して、今はライルがダンジョンマスター?」

「はい」

「だからあんな性格の悪いダンジョンなのか」

「何言ってるんですか。ササントのダンジョンのほうが性格悪いでしょ」

「まあそうなんだが。てかそんな話しちゃっていいのか?」

ガッツさんは心配そうにしていた。


「雷獣の拳にはライル商会の専属になってもらいますからね。逃げたらうちの全勢力と戦うことになりますよ」

「全勢力も嫌だけど、ライル一人でも十分脅しになるぞ」

「褒めてます?」

「褒めてる、褒めてる」

「ならいいんですけど」


ガッツさんは仕切り直して話を続けた。

「まあ、カラッカの冒険者ギルドにはいろいろお世話になったしこれからも依頼を受けたいと思うんだけどいいか?」

「はい。俺もヒューズさんもめんどくさい仕事は嫌なので、ガッツさんに引き続きやってもらえると」

「まあそうなるよな」

「その代わりご飯はタダですし、ライル商会の商品もタダ。秘密の通路で奥さんとも会い放題」

「魅力的すぎるんだよ。それにお前達と居たら、面白いことが起きそうだしな」

「じゃあ。よろしくお願いしますね」

「よろしく頼む。まあ一度カラッカで専属になることを伝えてからな」

「わかってますよ」


ガッツさんの言葉は嫌々な雰囲気なのに、顔はニコニコだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ