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252.ササントのダンジョン報告

俺はマヌセラで雇う人達の処理を済ませたので、家で休んでいた。


すると部屋のドアが開き、ゴーレがやってきた。

「ニーナちゃんとガッツさんがいらっしゃいました」

「えっ?ガッツさんも?じゃあリビングに案内して」

「承知致しました」


そう言い、ゴーレは部屋を出た。



リビングで待っていると2人がやってきた。


「どうしました?ニーナは毎日報告に来てるからわかるけど、ガッツさんは?」

ガッツさんは口を開く。

「いや、一応ライルにも報告をと思ってな」

「報告?」

俺は首を傾げた。


「捕らえた奴らが吐いた。指示を出してたのは、ソブラ領を拠点にしているガスター商会だった」

「あー」

俺は知ってる情報だったのでリアクションが取れなかった。


「ん?どうした?」

「あのーマヌセラの件とかってまだ伝わってない感じですか?」

「マヌセラの件って何の話だ?」

俺はガッツさんにマヌセラで起きた出来事を伝えた。



「は?なんでそんなことになってんだ?てかなんで俺らのところまでその情報が届いてないんだ?」

「いや、わかんないです。領主には数日前にセフィーナさんが報告をしてたはずですけど。まあ難民受け入れでバタバタしてはいましたから」

「王都に報告をしたけど、わざわざ王女の遠征先にまでは報告はしないか」

「わかりませんが。まあ話を続けてください」

俺は話を戻した。


「犯人がわかったから王女一行は王都に戻って、ガスター商会の商会長を捕縛の準備をするみたいだ」

「捕縛の準備?」

「正式に捕まえるためにはいろいろ手続きが必要なんだと」

「なるほど」

「なので俺達の遠征もいったん終了になった。まあササントのダンジョンがなかなか厄介で、モンスターを間引かないとすぐにダンジョンの外にモンスターがあふれてしまうから、俺達か光剣の輝きのどっちかは残らなくちゃいけないんだけどな」

「どっちが残るんですか?」

「秘密の通路もあるし、俺達が残るつもりだ」

「それなら俺もダンジョン攻略しやすくてありがたいです」


王女も光剣の輝きもいなければ、いつもの姿で活動できそうだ。


「王女達はいつ移動を始めるんですか?」

「今夜には出発するみたいだ」

「それなら、明日ダンジョンに行ってみようかな」

「光剣もこの後俺達が残ることを伝えたら、明日朝には出発するだろう」

「なおさらいいですね」

「ライル達がダンジョン入るとき、俺達も同行していいか?」

「いいですけどなんでですか?」

俺は首を傾げた。


「お前達といると、うちの2人にいい刺激を与えてくれるんだよ」

「なるほど。いいですよ!明日のお昼過ぎにでもダンジョンに行きましょう」

「ありがとな!」


ガッツさんは少し嬉しそうだった。


「ニーナ。アメリアにも伝えておいてくれる?」

「うん!わかった」

ニーナとガッツさんは帰っていった。


「よーし。明日は久々に俺も戦うかー。まったく稽古してないから、うまくやれるかなー」

俺は最近忙しくて、戦闘訓練ができていなかったのが不安になった。

「漁師達や大工とかがマヌセラに到着するまでは、特にやることないし、ダンジョン攻略を楽しむか」


俺は明日のためにすぐにベッドに潜った。



▽ ▽ ▽



翌日。


午前中にマデリンに追加発注をし、カラッカの店舗のチェックなどを済ませた。

やはり身体のサイズを小さくさせる魔道具はなかなか難しいみたいで、まだ時間が必要なようだ。


俺はゴーレとフリード達を連れて、ササントに向かった。

今回はノコ虫軍も入れてフルメンバーだ。

俺が居るので、ダンジョンで1泊か2泊する予定だ。


ダンジョンに到着した。


サイズ感は思ったより小さく、みんなが手こずるダンジョンには思えなかった。

「よーし。行きますか」

「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


俺達はダンジョンへ入っていった。


▽ ▽ ▽


ダンジョン内のモンスターは想像より多く、上位種もちらほら出てきている。

やはりこのダンジョンは少しイレギュラーなのだろうか。


俺達はモンスターを倒し、どんどん下の階層に降りていく。

流石に冒険者14人とテイムモンスター10体は過剰戦力だった。


「ガッツさん。このダンジョンは何階層まで攻略が済んでいるんですか?」

「鬼将軍の弟子達が毎日モンスターを間引いてくれたから、ササントの冒険者がすんなり進むことができて、今は地下11階層で止まってる」

「なるほど。思ったより深いな」

「モンスターが再び現れるまでの時間はそんなに早くないが、量がどの階層も多い。そのせいで全然進めていないんだ」

「とりあえず今日は地下11階層までは行きましょう」


「ははは。この異常なペースなら可能かもな」

俺達はダンジョン内のモンスターを蹂躙していく。



数時間で地下10階層に到着した。


俺も魔装や棒術やワープなどを久々に多用したが、身体が鈍っていると感じた。

一番致命的なのは体力の無さだ。

完全に身体能力は弟子達に追い越されていた。


「やっぱり忙しくても訓練はしないとダメだな」

俺がそう呟くと、ガッツさんが笑った。


「ははは。まあライルは忙しいからな。それに冒険者がメインじゃないしな」

「そうですけど……。てかずっと俺のそばにいるのは護衛のつもりですか?」

ダンジョンに入ってからずっと、俺の近くにはガッツさんとゴーレがいた。

「まあな。この中でライルが一番弱いからな」

「否定できないですね」

なんかちょっとだけ悔しくなった。


「だけど、ここにいる冒険者同士で戦ったら最後まで立ってるのは俺とライルだろうな」

ガッツさんは俺の奇策などをちゃんと認めてくれているようだ。

「嘘ですね。ガッツさんは最初に俺をつぶしに来ますよ。俺なら最初にガッツさんつぶしに行きますもん」

「ははは。それはそうだな」


ちょっと悔しかった思いがきれいになくなった。

こういうところはヒューズさんもガッツさんも上手いと感じる。


「このまま地下11階層まで向かっていいのか?」

「はい。行きましょう。この後も洞窟みたいなエリアですか?」

「いや、地下11階層は草原エリアだ。モンスターの種類は少ないがめんどくさいぞ」

「了解です」


俺達は地下11階層に向かう。




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