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246.3人の巨人族

俺はヒューズさんに案内され、3人の巨人の元に向かった。

ヤリネさんが現れて、奴隷解放をしたのが気になる。

ユイの事もそうだが、しっかり話を聞かないといけなそうだ。


少し歩くとすぐに巨人族の姿が確認できた。

身体は15mくらいあるが、俺の想像していた巨人とは少し違った。

単純に大きな人間だった。

服装は奴隷特有のボロボロの服を着ていた。


「ヒューズさんあれが?」

「ああ。長髪の髭が生えてるのがガボガ、一番体が大きいのがミゲミ、見た目が若いのがネゾネだ」

俺は瓦礫を集めている巨人達に近づいた。


「おーい!ガボガ!うちの商会長を連れてきたぞ!」

ヒューズさんはびっくりするほど大きな声でガボガ達を呼んだ。

耳と10m以上離れているからしょうがないのか。

「あっ!ヒューズさん。すみません、今座ります」

ガボガ達は持っていた瓦礫を地面に置き、座った。


「えー。どういう説明を受けているのか知りませんが、俺がライル商会の商会長ライルです」

「ガボガです。こっちの2人はミゲミとネゾネと言います」

巨人達は頭を下げた。

風圧がものすごかった。

「えっとそれでヒューズさんから3人をうちの商会で預かるって話なんだけど、3人はそれでいいの?」

俺が問いかけると、ガボガが答える。

「はい。自分たちの意思ではなかったが、街をこんな状態にしてしまった。処刑をされてもおかしくない状況で、償うチャンスをくれたヒューズさんやノヴァさんの為に働きたいです」

ガボガ達はだいぶ真面目な性格のようだ。

「故郷に帰りたいと思わないの?」

「故郷はありません」

「え?」

「私達の集落は無くなりました。住んでいた他の巨人族も殺されているか奴隷にされていると思います」

この世界の胸糞悪い部分だ。

エルフもそうだが、人間以外の種族はだいぶ肩身が狭いようだ。

「集落を潰した人間に恨みはないの?」

「集落を潰したのは人間ではありません。悪魔族です」

「え?」

初めて聞く人種に俺は驚いた。


ガボガは話を続ける。

「巨人族は魔人領という所に暮らしています」

「魔人領?」

「はい。悪魔族という種族が多く住んでいる地域です。他にも私達巨人族や龍人族なども暮らしている地域です。その地域に住んでいる種族を総じて魔人族と言います」

「なるほど」

「私達が住んでいる島を治めていた悪魔族が数年前に魔王になりました」

「魔王?」

「魔人領を治めてる人の事です」

魔王と聞いて俺は少し怖くなった。

元の世界で魔王と言ったらラスボスで恐怖の象徴だ。

「元々悪魔族以外を下に見ていた魔王は、他種族を捕まえて奴隷にし他国に売ったりし始めました」

「ガボガ達もそれでこの国に?」

「はい。私達の集落は10人ほどの小さな集落だったのですが、悪魔族の兵に襲われ奴隷にされました」

「なるほど…」

「他の集落に住んでいる巨人族とはつながりがなかったのでわかりませんが、巨人族のほとんどは奴隷にされていると思います。なので私達には帰る故郷がないのです」

俺は想像以上の話に驚いた。


「わかった。じゃあガボガ達をライル商会に所属させるよ」

「「「ありがとうございます」」」

ガボガ達が一斉に頭を下げたせいで吹き飛びそうになった。

「それじゃあ今まで通り街の瓦礫集めをしておいて。俺はガボガ達が働きやすくなるようにいろいろ考えるから」

「「「わかりました!」」」

俺とヒューズさんはガボガ達と別れて、家に戻った。


▽ ▽ ▽


俺はヒューズさん達にマヌセラの事を任せて村へ戻った。

ヤリネさんのところに行きたいが、まだやらなきゃいけないことはたくさんあった。

ゴーレを連れてマデリンの元へ向かった。


マデリンはガルスタンと鍛冶屋に居た。

「マデリン。お疲れ」

「ライル様。お疲れ様です」

「実はお願いというか相談があるんだけど」

「なんでしょう」

「エルフが変装する魔道具作ったじゃん。身体を小さくするマジックアイテムって作れたりしない?」

「身体を小さくするマジックアイテム?」

マデリンは首をかしげた。

「何に使うんですか?」

「実はマヌセラの街に巨人族が居て、うちで預かることになったんだ」

「巨人族ですか!珍しいですね。なるほど、巨人族を小さくするマジックアイテム」

マデリンは考え始めた。

「サイズ自動調整を服に付与できるから、装備した人のサイズを変更する効果も付与できるはず…」

マデリンはぶつぶつ何かを言っていた。

「でもそうなるとサイズが変わった人の負担がどうなる?その前に…」

「ど、どうかな?」

「時間を頂いてもいいでしょうか、ガルスタン達にも相談してみます」

「わかった。宜しくね」

俺は職人モードのマデリンと別れ、村の各所の確認に向かった。


▽ ▽ ▽


村には冒険者も増えていた。

宿屋やとレストランと温泉にはそれなりに人が入っているようだ。

カラッカの店舗は相変わらず客足が絶えないみたいで、特にレストランの人気がものすごいらしい。

マヌセラが落ち着いたら、村もまた改造しないとな。


俺はライルダンジョンに居た。

ダンジョンコアが1つあるので、ライルダンジョンに吸収させた。

ダンジョンレベルが5になった。

「ショーグン。話せる?」

「話せますぞ、主君」

名前に影響されてるのか武士のような喋り方だ。

「なんかダンジョンに要望ある?」

「いえ特にありませんぞ」

「そう。じゃあ何かあったらいつでも言ってくれていいから」

「かたじけない」

俺はライルダンジョンをあとにした。




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