表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
251/389

245.マヌセラ復興

俺は弟子達に指示を出し、家に帰ってきた。

久々の家だが、休んでいる暇はなかった。

俺はすぐにマヌセラに向かおうとすると、秘密の通路からゴーレが出てきた。

「マスター。お疲れさまでございました」

「うん。ゴーレも居なかったから大変だったよ。マヌセラはどう?証拠は集められた?」

「それはですね…。ヒューズ殿からお話がございます」

「そ、そう」

ゴーレの歯切れの悪さに嫌な予感がした。

俺はゴーレと一緒にマヌセラへ向かった。


マヌセラに到着すると、リビングには疾風の斧とノヴァがいた。

それにセフィーナさんとアイザックさんも。

「みなさんお疲れ様です!」

「お、おつかれ」

ノヴァ以外が俺と顔を合わせようとしない。

「ん?どうしました?」

リビングには変な空気が流れた。

これは何かやらかしたな。


「ヒューズさん。説明をお願いします」

「お、おう」

俺はヒューズさんからここ数日の事を聞いた。

「なるほど…」

「ライルが来る前にすべてを終わらせたのは悪いと思ってるが、緊急事態だったんだ」

「それは別にいいです」

「「え?」」

ヒューズさんとリリアンさんは驚いていた。

この2人は俺の事を何だと思っているんだ。

「とりあえず、あとで巨人達に会わせてください。採用するかはそれからです」

「わ、わかった」

「それと疾風の斧が復興を手伝うのはわかりました。資金はどうするつもりなんです?」

「それは俺らとノヴァの冒険者業で貯めた金を使おうと思ってる」

「なるほど…」

俺は考えた。

「アイザックさんとセフィーナさん」

「「はい!」」

「俺がマヌセラの復興を援助するとなったら、どれくらい融通が利きますか?」

「ん?どういうことです?」

2人は首をかしげていた。

「まあ要するにマヌセラの土地をいっぱい買いたいってことです」

「そうですね。お父様に言えば、だいぶ融通は利くと思います」

「街もここまで壊滅しているので、商人ギルドも土地を持っていた人に同じだけの土地を与えるような処置しかできないと思いますので、復興と同時に街を広く増築すれば問題ないかと思います」

「なるほど。わかりました。カラッカ領からはどれくらい支援されると思います?」

「既にカラッカの街や付近の村で街の人を受け入れていますので資金はそこまで多くないと思います。建築をする人材派遣や数か月分の食糧、それと建築資材を安く提供するくらいですかね…」

「わかりました。ちょっと確認したいことがあるので村に帰ります。セフィーナさん付いて来てもらえますか」

「は、はい」

俺はセフィーナさんと村へ戻った。


▽ ▽ ▽


「ライル様、何をするんですか?」

セフィーナさんは戸惑っている。

「頼んでいたもの持ってきてもらえましたか?」

「は、はい。村の土地の売買の契約書ですよね?言われた通り多めに持ってきましたが」

「ありがとうございます。じゃあ今いるこのエリアを買わせてください」

「はい」

契約書に記入をしお金を渡した。

「秘密基地!」

俺は秘密基地を使って、家を建てた。

「じゃあこの土地をセフィーナさんに売りたいのですが」

「正確にはカラッカ領にですが。わかりました、買い取ります」

契約書に記入をして、お金を受け取った。

ガガガッシャーン!

「え?」

俺の土地じゃなくなった瞬間、家は崩れ落ちた。

「なるほど。わかりました。マヌセラに戻りましょう」

俺はセフィーナさんを連れてマヌセラに戻った。


▽ ▽ ▽


家にはまだみんなが居た。

「すみません。お待たせしました」

「何を確認してたんだ?」

「まあそれはお楽しみですよ」

ヒューズさんは首をかしげた。


「すみません。確認が出来たので話を進めます」

みんなが俺を見る。

「まずアイザックさんとセフィーナさんには領主や商人ギルドと交渉をし、ここの土地を俺が買いやすいようにしておいてください」

「買いやすいように?」

「俺がこのエリアを買いたいと言ったらすぐ買えるようにです」

「わ、わかりました。なんとかします」

「私も頑張ります」

「ありがとうございます。海は広めに買いたいですし、今までよりも広い街を作りたいので付近の土地もお願いしますね」

「「は、はい」」

アイザックさんとセフィーナさんは頷いた。

「えーっと、あと片づけないといけないのは…」

俺はみんなを見るとノヴァと目が合った。

「あっ!ノヴァ、うちの専属の冒険者にならない?」

「え?」

ノヴァは驚いていた。

「疾風の斧みたいに俺の手伝いをしてほしいんだ。給金代わりに家と食事、武器や服とか提供するけど」

「それはライルの村に住むってこと?」

「何かあったら呼びだすけど、基本的にはマヌセラで暮らしていいよ」

「本当に?」

「うん」

「じゃあ入ろうかな?」

「うん。よろしく」

ノヴァはライル商会の一員になった。


「さっそくだけど仕事を頼んでもいい?」

「う、うん。うちに出来る事なら」

「この街の漁師全員を雇いたいから、話をつけてきてもらえる?」

「え?」

「ライル商会はレストランを経営してるんだ。そこで魚を使いたいし、うちが管理すれば安く街の人に提供できるし、ガスター商会みたいなやつらが来れなくできると思うんだけど」

ノヴァは悩んでいた。

「ダメかな?」

「ライルの申し出はうれしい。お父さん達がまた漁師が出来るのはうれしいんだけど…」

「ん?」

ノヴァは申し訳なさそうに口を開く。

「この街にはもう1隻も船がないんだ。ライルも船なんて持ってないでしょ?」

「あーなるほど」

これは盲点だった。

海に土地を大量に買えば、ガチャで船ガチャとか漁業ガチャとかでそうなんだけどな。


俺が悩んでいるとゴーレが口を開いた。

「マスター。その点は問題ないと思います」

「え?なんで?」

「私がマジックアイテムの船を10隻ほど確保しております」

「え?いつの間に?」

ゴーレが船を持っているなんて初耳だった。

「巨人達との戦闘後、ガスター商会の跡地に行って使えそうなものを回収しました」

「おー!」

「一番大きな船が燃えていたのですが、マジックバックが数個海に落ちていたので回収いたしました。中身を確認したところ、船やマジックアイテムやお金が入っていました」

「さすがゴーレ!じゃあ船がない問題は解決だね。どうノヴァ?」

「え?それを使ってもいいの?」

「うん。逆に使ってくれなきゃ困るよ」

「みんな喜ぶよ。ライル、ゴーレさん。ありがとう」

これでライル商会は漁業に手を出せる。


「じゃあアイザックさんとセフィーナさん」

「「は、はい」」

この後、どんな無茶を言われるのか怯えているようだ。

「ライル商会からは疾風の斧とノヴァとゴーレ、それとノコ虫軍の一部を派遣し、建築資材、復興までの食糧、資金の提供をします」

「わかりました」

「一旦巨人達を預かるかは保留ですが、これだけ提供するんだからそれなりに融通を聞かせてくださいね」

「お父様に伝えます」

「大工やら建築関係の派遣はなるべく早くお願いしてください。建築資材はすぐ用意するので」

「はい」

「あとマヌセラに暮らしていた人で、ライル商会で働きたい人が居れば面接をするので集めておいてください」

「わかりました」

「あんまり目立たない様にお願いしますね」

「「それは無理です」」

何でも無茶振りを聞いてくれる兄妹に口を合わせて拒否られてしまった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ