240.マヌセラ防衛戦③
私は気合を入れ直した。
「あー考えが甘かったねー」
マジックバックからバリスタ10台を出した。
自分の頬を叩いた。
「ごめんね。ここからは本気で行くね。ウエポンオペレート」
私は大槌10本とバリスタ10台を操り、岩化した巨人に向かって行った。
巨人は建物を破壊している。
「壊さないでくれるとうれしいな!」
私は10本の大槌をフルスイングして巨人を建物から引きはがす。
「ぐわあああああああ!」
身体を動かすことはできたが、ダメージはないみたいだ。
「がああ!」
巨人は瓦礫を私に向かって投げてくる。
バシュ!バシュ!バシュ!
瓦礫はすべてバリスタで撃ち落とす。
バリスタで自分の身を守りながら、大槌で巨人を攻撃し続ける。
巨人は腕は振り回し、大槌を叩き落とそうとしている。
「そんな大振りじゃ当たらないよ」
私は大槌を動かしながらバリスタを巨人の四方に配置し、攻撃をした。
バシュ!バシュ!
バリスタから発射される矢はすべて巨人の身体に刺さった。
「ギャアアアアア!」
深くは刺さっていないが痛みはあるみたいだ。
「ごめんね。たぶんすごく痛いよ」
私は大槌を操り、刺さった矢を大槌で叩いた。
矢は深く刺さり、岩になった身体を削った。
「ぎゃああああ!」
矢を叩き続ける。
巨人は大槌を弾いたり矢を抜こうとするが、それはさせない。
大槌を高速で動かし、矢を抜くのを妨害する。
「ウアアアアアアアアア!」
巨人は暴れ出した。
拳を岩で大きくし、大槌を破壊しようとするが高速で動く大槌には当たらない。
バシュバシュバシュバシュ!
バリスタは大きくなった拳を攻撃し、岩を削っていく。
「ギャアアアアア!」
「ごめんね。すぐに終わらせるからね」
大槌とバリスタに翻弄されている巨人から距離を取る。
そして私は目を瞑り集中をする。
「ふぅー」
弓に魔力を込めて、ゆっくりと引く。
狙いを定め、矢を放った。
シュッ!
矢は巨人の足元に当たる。
刺さった矢先を中心に風が吹き始める。
風はどんどん勢いをまし、竜巻のようになっていく。
風の勢いで巨人の身体は宙に浮く。
私は続けて2本矢を放つ。
風はどんどん勢いを増し、巨人は竜巻に呑まれていった。
大槌を竜巻の中に入れて、巨人を攻撃し続ける。
「があああああああ!」
宙に浮いた巨人は大槌を防ぐことが出来ず、攻撃を喰らい続けた。
私はさらに1本矢を放った。
風は勢いを増し、巨人を空中に打ち上げた。
私はマジックバックから今まで使っていたバリスタの3倍サイズを取り出した。
「これで最後だよ」
空から落ちてくる巨人に向かってバリスタを発射した。
ドシュン!
発射の勢いでバリスタは壊れた。
矢はものすごい速さで巨人に向かって行く。
「がゃあああああああ!」
矢は巨人の肩に貫通をして刺さった。
矢が刺さったまま巨人は地面に叩きつけられた。
巨人は元に姿に戻り、気絶をしていた。
「あーつかれた。半年は頭使いたくないなー」
私は武器を回収し、巨人の元へ向かった。
▽ ▽ ▽
レオは炎獣化して、ウルフ化した巨人と向かい合っていた。
先ほどまでは成獣の姿で戦っていたが、ヒューズに本気でいいと言われたので炎獣化したようだ。
だが炎獣化しているとはいえ、身体のサイズは倍以上違っている。
巨人はレオに向かって飛び付いて噛みつこうとするが、レオは素早くよけていく。
口から炎を吐きだして巨人に攻撃をするが、サイズのせいか体毛を燃やすがすぐに払って消されてしまった。
レオは巨人に飛びついて身体にかみついた。
牙の温度がどんどん上がっていく。
「ぐわああああああ!」
巨人は痛みと熱さでもがき、身体を振ってレオを吹き飛ばした。
巨人は吹き飛ばしたレオを追っていき、前足で追撃をした。
レオは再度吹き飛び、街の城壁にぶつかった。
レオはすぐに立ち上がり、巨人の元へ戻る。
まだ諦めていないようだ。
ガルルルルルル!
レオが吠えると、足元から炎の柱が現れた。
自身が出した炎を吸収し、どんどんレオの身体が大きくなっていった。
グガォォォォン!
レオの身体は巨人とほとんど変わらないサイズになった。
「ぐらええええええ!」
巨人は前足を使って攻撃をするがレオは炎の鬣を操って攻撃を防ぐ。
「おらああああああああああああ!」
巨人は叫びながら攻撃を続ける。
巨人の腕は攻撃するたびに火傷を負っているが、構わず攻撃をし続ける。
ガルルル!
レオが唸ると周りに炎の球が現れ、巨人に向かって飛んで行く。
炎の球は巨人の身体にくっつき爆発をした。
「あだあああああああい!」
巨人の体毛が燃え、熱さで叫んでいる。
巨人は熱さに耐えきれなかったようで、ウルフ化を解いて元の姿に戻った。
「あががががががが!」
巨人は近くにある建物を引き抜き、レオに投げてくる。
レオはそれを除け、巨人に迫っていく。
「うあああああああああ!」
巨人はレオにおびえているのか建物を投げながら逃げていく。
ガオオオオーン!
レオが叫ぶと巨人は炎の壁に囲まれた。
巨人は壁を手で消そうとするが、あまりに高温を過ぎてどうすることもできない。
壁を貫通して炎の玉が飛んできては爆発をする。
「があああああああ!」
炎の壁の中の温度はどんどん上がっていく。
巨人は炎の壁の中でふらついている。
レオは炎の壁を通り抜け、中に入る。
がオオオオ―ン!
レオの雄たけびをあげると、炎の壁の中の温度が一気にあがった。
「ぐ、ぐわぁぁぁあ」
巨人は地面に膝をついた。
汗をかいてもすぐに蒸発するほどの高温。
レオは前足を巨人にぶつけた。
巨人は気絶をし、倒れた。
炎の壁を消し、炎獣化を解いた。
レオは巨人の上に乗った。
グルル!
レオが鳴くと巨人の身体からやけどの跡が消えた。




