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238.マヌセラ防衛戦①

ドゴーン!

港から船が出港すると、ガスター商会の建物が壊れた。

建物から3人の巨人族が街へ向かって行く。

だが私の仕事は街を守ることではない。

犯人達を一人残らず捉える事だ。

街はヒューズ達が居るから大丈夫だ。

私は自分の役割を全うする。


「飛びながら魔法を使うの大変なのよね」

私は風魔法で空を飛び、出港した船の前に居る。

あの船にはメーサルって女が乗っているはず。

ヒューズが言うには戦えそうな雰囲気があったらしい。

「とりあえず徹底的ってことで。ファイアアロー」

私の頭上には1本の火の矢が現れた。

「増殖」

火の矢は増殖し100本になった。

「はぁー。これ以上は魔力操作しきれないけど知らない!ライルくんに怒られたくないもん!増殖」

火の矢は10,000本になった。

「壊れてね!」

火の矢は船へ向かって飛んで行った。

8割が命中し、船は燃えている。

「さすがに足りたようね。よかったー」

私は想像以上の船の強度がなかったことに安心をした。


バリバリバリバリ

雷が私の頬をかすめた。

「え?」

崩れ落ちている船の下に大きなモンスターがいた。

「あーさすがに終われないかー」

私は杖を握り直して構えた。


▽ ▽ ▽


ズン!ズン!ズン!

街が揺れている。

原因はわかっている。

目の前を走っている巨人族だ。

「クララ、ゴーレさん。1人1体な」

「うん!」

「承知しました!」

俺達は構える。


巨人族の様子は明らかにおかしい。

奴隷化はされているようだが、意識はなさそうだ。

目は虚ろだがなのに狂暴だ。

なにかやられているようだ。

「巨人達の様子がおかしい。気を引き締めろ」

「わかった!」

「承知しました」

「行くぞ!」

俺達は巨人族に向かって行った。


▽ ▽ ▽


「うーん。難しいなー」

私はリリアンから預かっているマジックバックから大槌を10本と弓と矢筒を1セット取り出した。

「ダンジョンの時みたいにバリスタを出しちゃうと、殺しちゃいそうだからこれでいくしかないなー」

私は弓を構える。

「近接武器を操るより弓矢系を操る方が楽なんだけどなー。まあやるしかないね!並列思考!」

頭が冴えわたるような感覚になる。

「ウエポンオペレート!」

10本の大槌の動きが頭に入ってくる。

「あーやっぱ疲れる―。よーし!すぐ終わらせちゃうよ」

私は10本の大槌と共に巨人に向かってく。


「うがあああああああああ!」

巨人は私に気付くと拳を振り降ろしてくる。

「そんな大振り当たらないよー!」

私は大槌で拳を叩きつけ、クルっと1回転して腕に乗る。

「気絶させるなら顎だよね」

そのまま腕を登って顔に向かう。

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!うがあああああ!」

巨人は私を殴ろうと自分の腕ごと叩こうとするが、大槌で弾く。

巨人は意識が少しあるみたい。

でも苦しそう。

「大丈夫。すぐ助けてあげるからね」


私は肩にまで到着した。

「いやー高すぎー。15mはあるんじゃない?」

さっきから私を潰そうとひたすら攻撃をしてくる腕を弾き続けている。

「もー!助けてあげるんだから攻撃しないでよー」

私は大槌を操り、巨人の顎に攻撃をする。

ドン!

「え?あれ?」

大槌は巨人の顎に当たっていた。

しかし巨人の顔が岩に変わっている。

顔だけではない。身体全部が岩になっていた。

「ははは。めんどくさいエクストラスキルを持っているみたいだね」

私があきれている隙に、巨人の岩の腕に大槌ごと掴まってしまった。

「うっ!ちょっと握り過ぎじゃないかなー?」

掴まれていない大槌で腕を攻撃するが、全然離してくれない。

「うーん。防御力が上がってるのかな?」

巨人は振りかぶり、私を地面にたたきつけた。


▽ ▽ ▽


私は久々の手応えのある敵にワクワクしていた。

巨人族。最初見た時はあまりの大きさに驚いた。

見つけた日からいつ戦ってもいいようにシミュレーションは重ねた。

だが巨人族の様子はシミュレーションとは全く違った。

怯え、恐れ、怒り。

負の感情が身体中を巡っているようだ。

「巨人族の方。出来るだけ怪我をさせないようにします」

私は土帝の大剣を握り、巨人族に向かって行った。



私は飛んでくる拳を避け、巨人の足元に滑り込む。

「私も夜な夜なダンジョンでフリード達と訓練してるんですよ」

巨人族のアキレス腱を斬りつける。

傷は付くがあまり効いていないようだ。

「一撃では効かないと思ってましたがここまで防御力が高いとは」

巨人は私を踏み潰そうとしてくるが、間一髪のところで避ける。


「踏み潰されたらマスターの為に働けなくなるではないですか!」

私は回転斬りでアキレス腱を攻撃し続ける。

「ううううううううう!」

巨人は声を荒げ、何度も踏み潰そうと足踏みをしている。

「少しは効いてきたようですね!」

私は踏みつけを避けながら、同じところを攻撃し続ける。

「うううううああああああ!」

カキン!

土帝の大剣が弾かれた。

「ん?」

攻撃していた箇所を見ると、金属の盾のようになっている。

「エクストラスキルですか。うらやましい」


私は距離を取って巨人の様子を見た。

「完全装備ですか…」

巨人は身体中が武器や防具のように変化していた。

頭はヘルメット、腕は剣のように刃があり、右手は大槌、左手の指は槍、脚は盾に覆われ、脚は斧のような刃が付いていた。

「なかなか狂暴な見た目に変わりましたね」

「うがあああああああああ!」

巨人は右手の大槌で殴ってくる。

「ぐっ!」

私は土帝の大剣で防ぐが上に打ち上げられる。

宙に浮く私を左手の槍が襲う。

「うっ!さすがにこれは避けられないですよ」

身体が少し抉れ、右手の動きが悪くなった。

土帝の大剣はもう握れそうもない。

「修理ポッドをまた使わないとですね」

私は身体に力が入らず、膝から崩れ落ちた。




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