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230.フシバへ向かう旅路

「ダモン!パリス!魔装を使え。一撃で倒さないとだいぶめんどいぞ」

「「はい!」」

ダモンとパリスは手甲に魔力を纏い、タントラムリーマという腕が4本の可愛らしい猿のモンスターを倒していた。

鬼将軍の弟子達もガッツさんの指示を聞いて戦っていた。

「ニーナ!弟子達はそっちのロングホーンディアを頼む」

「わかりました!」

弟子達は3本角が生えている鹿のモンスターに向かって行った。

今回はテイムモンスターなしで戦うみたいだ。


フシバの街にそろそろ到着するかという時に、2つの大量発生を発見した。

光剣の輝きは黄盾騎士団と共に王女の護衛。

雷虎の拳と鬼将軍の弟子達は大量発生の討伐。

俺は馬車の中からのんびりとその様子を見ていた。


ダモンがタントラムリーマを殴った。

魔装が甘かったのか、一撃で倒せなかった。

「おい!そいつから離れろ!」

「え?」

ガッツさんが叫ぶと殴られたタントラムリーマの身体がどんどん大きくなっていく。

タントラムリーマはガッツさんと同じくらいの身長になり、身体はムキムキになった。

さっきまでの可愛かったのに顔面も狂暴になっていた。

ウギィイイイ!

巨大化したタントラムリーマはダモンを殴り飛ばす。

「パリス。離れろ!そいつは俺がやる」

ガッツさんはマジックバックからボロボロのガントレットを取り出し装着した。

ガッツさんが魔力を込めるとボロボロのガントレットが電気を帯び始めた。

「うぉーりゃ!」

ガッツさんは巨大化したタントラムリーマを殴った。

すると殴られたタントラムリーマの身体が震え始めた。

「まずい!ミスった…」

震えが止まると、タントラムリーマの身体から四方に雷が放電された。

放電された雷が周りのタントラムリーマに当たり、どんどん巨大化していった。

「ニーナ!すまんがこっちにテイムモンスターを貸してくれ」

「わかりました!」

ガッツさんがそういうとニーナはすぐに対応した。


「ライム、ラーちゃん、ライドン。ガッツさんの方のモンスターを倒して!」

ポニョポニョ!

キューキュー!

ギャウ!ギャウ!

3体はタントラムリーマに向かって行く。


▽ ▽ ▽


モンスター討伐は無事終了した。

ライム・ラーちゃん・ライドンが参入すれば、すぐに終わることは予想ついていた。


アメリア達が馬車に戻ってきた。

「おつかれー」

5人は全然疲れていないようだった。

「ノコ達が周囲のモンスターを倒してくれていたから久々の戦闘だったけど、まだちょっと物足りないわ」

「そうですねー。もう少し戦いたかったです」

「私も!」

アメリアとゾーイとルーシーは満足していない様子だ。

「遠征の目的地に着いたら、いやでもたくさん戦うことになるだろ」

「そうだね。気合入れないと」

チェスターとオリバーはなかなか冷静だった。

剛角は女性陣が意外と戦闘狂のようだ。

チェスターがいい具合に手綱を引いていた。


「街に着いたらどういう流れなのか聞いてる?」

俺が聞くとアメリアが答えた。

「王女様と護衛の人は町長の家で泊まるみたい。だからご飯の準備は必要ないわ」

「それは助かるな」

「冒険者チームは宿に泊まって、出発までは自由時間みたいよ」

「うちのテイムモンスター達は街に入れるのかな?」

「「「「あっ!」」」」」

みんな失念していたみたいだ。

秘密の通路を繋げばどうにでもなるが、ライドンやフリードがいなくなれば王女達が不審がるだろう。

「か、確認してくるわ」

アメリアは馬車を出て行った。


数分後、申し訳なさそうな顔でアメリアが戻ってきた。

なぜかニーナも一緒だ。

「ライル、テイムモンスターと何人かの冒険者は野宿だって」

「まあそうだろうね」

「ライルくん。野宿のメンバーはどうする?」

「うーん」

俺は悩んだ。

さすがにベッドか馬車の2択なら、女性陣にベッドを使ってもらおう。

「じゃあ。男性チーム野宿、女性チーム宿で!俺も野宿するから街での女性チームの面倒はニーナとアメリアお願いね」

「「わかった」」

「お金はあるよね?なかったら渡すけど」

「大丈夫。いっぱいある!」

「なんか面白そうな食材があったら買っておいて!」

「「はーい!」」


街での予定も決まった。

あとは街に着くまで馬車に揺られるだけだった。


▽ ▽ ▽


フシバの街に到着した。

俺と弟子の男性陣は野宿の準備をしていた。

今までしっかり男女で別れることはなかったので少し新鮮だった。


「師匠。僕も料理手伝うよ」

「ありがとう!」

俺とチャールズ兄は夕飯の準備を始めた。

「やっぱり外での料理は大変だな」

「そうだね」

「ガルスタン達に頼めば作ってくれるかな?」

「難しいんじゃない?」

「だよねー」

俺達が料理を進めていると、チェスター親子が急いでやってきた。


「「ライル様!」」

ジョシュが慌てている姿は想像できたが、チェスターが慌てているのは珍しい。

「どうしたの?」

「それが…。テイムモンスター達を少し離れたところで遊ばせていたのですが、ノコがダンジョンを発見したんです」

「「えー!」」

まさかの報告に俺とチャールズ兄は驚いた。

「あと言いづらいのですが…」

「ん?」

「ここに報告に来る途中でカシムくんとルークくんに会ってしまいまして…」

「なるほど」

チェスターはもの凄く申し訳なさそうにしていた。

「他のメンバーとテイムモンスターを連れてダンジョンに入っていきました…」

「うん。2人には罰だな。チャールズ兄はどうする?」

「僕は帰ってきたときにすぐにご飯が食べれるようにしておくよ!」

本当にチャールズ兄は弟子達の良心だ。

「チェスターとジョシュはどうする?階層次第では、もう終わってる可能性もあるけど」

「行きたいですが、チャールズ君の手伝いをして待ってようと思います」

「僕も―!」

「わかった。じゃあちょっと行ってくるね」

俺はチェスターに場所を聞き、すぐに向かった。




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