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223. 冒険者達の来村

カラッカの店をオープンしてから、5日経った。


鬼将軍の調理場は昼は日替わりランチメニューを2種類にし、夜は作り置き作戦で店はうまく回るようになった。


さすがにアルゴットとフィアナだけでは大変だったので、ヨーとターが常にカラッカで手伝っている。

鬼将軍の部屋とシモンキリー衣服店はレストランの次に人気だ。

特に雑貨は木でできた食器やガルスタンが作った調理器具がだいぶ売れているようだ。


あと女性向けに作った、髪留めのピンやカチューシャなども街でよく見かけるようになった。

鬼将軍の宝物庫は未だに売り上げがないので、価格を少し下げた商品を売り出すように動いている。


ヤルクダンジョンに挑戦している弟子達は、地下10階層までは1日で行けるようになったみたいだ。

やはり気候のせいか進み具合はだいぶ遅くなっていた。


カラッカの店ではヤルク村の宣伝をしてもらっているので、そろそろ村を訪れる人が居てもいいと思っているのだが全然来ない。

急に来て焦りたくないので、ヤルク村の店舗も少しずつ動き出していた。

レストランとパン屋は今までと変わらずだが、衣服店と鍛冶屋では冒険者向けの商品を作るようにさせている。

特にダンジョン攻略必須の防寒着は3段階くらい効果のレベルを変えて作ってもらっている。

ケチるとダンジョンがきつくなるようにした。



弟子達が持ってきてくれた、ダンジョンコアの存在を思い出した。

俺はライルダンジョンに行き、ダンジョンレベルを4にあげた。

ショーグン達のおかげでドロップアイテムと魔石がアイテムボックスに入っていたので、魔石を使ってショーグン達のレベル上げもしておいた。

各階層のモンスターも倒されたことでレベルが上げれるようになっていたので、上げれるまで上げておいた。


次にヤルクダンジョンにいった。

ダンジョンレベルを6に上げると、ディスプレイに[ダンジョンコイン作成]という文字が出てきた。

「ダンジョンコインってなんだ?」

枚数を選択し【作成】をタップするとコインが1枚出てきた。

「ゴーレ。これって何に使うかわかる?」

「少し調べます。お待ちください」

ゴーレはコアに触れた。

「このコインをもっていると、ダンジョン内で死にかけても自動で1階に転送されるみたいです」

「救命措置的な?」

「だと思います」

「これ試してみないとダメだな」


俺はセイリューがいる雪原エリアに行った。

「セイリュー!暇そうだね」

「主。暇だ」

この階層に冒険者が来るのはいつになるのか。


「ちょっとお願いがあるんだけど、俺を攻撃してくれない?」

「主を?」

「本気はやめてよ。死んじゃうから。ちょっと攻撃するだけでいいから」

「承知」

セイリューは前足で俺を吹き飛ばした。

「うっ!いてぇ」


俺は気が付くと1階層にいた。

しかも弟子達が昼飯を食べている真ん中に転送されたようだ。

「ライルくん?」

「「師匠!」」

「「「「ライル様!」」」」


俺は身体の痛みでリアクションが出来なかった。

「い、癒しの風!癒しの風!ニーナとアメリアも回復してくれ」

一瞬ニーナとアメリアは戸惑ったがすぐに回復を始めてくれた。

「メディックツリー!」「ヒール!」


俺は身体の痛みがやっと無くなり、立ち上がることができた。

ダンジョンコインを探してみたが無くなっていた。

転送されると消滅するようだ。


「ありがとう助かったよ」

みんなを見るとなぜか周囲を警戒している。

「どうしたのみんな?」

「敵はどこ?」

「え?」

「師匠をここまでボロボロにするってことは、あのオーク?」

「いや、ちがくて」

俺はみんなに瀕死になった経緯を話した。

めちゃくちゃ怒られた。



俺は急いで家に戻り、秘密の通路を通って最下層に向かった。

ライルダンジョンのように、秘密の通路用の小屋を作りたいがさすがにダンジョン横に小屋があるのは不自然なのでヤルクダンジョンへ繋がる秘密の通路は俺の部屋にしかなかった。


最下層に戻るとゴーレが駆け寄ってきた。

「ライル様!大丈夫ですか?」

「ははは。なんとか。1階層に転送されたよ。たまたま弟子達が休憩してくれていたから助かった」

「無茶をしないでください」

「ごめんごめん」

俺はセイリューのもとに行き、お礼を伝えた。

そしてダンジョンコインを大量に作って、マジックバックに入れた。


▽ ▽ ▽


ダンジョンコインはマリーナさんに頼んで冒険者ギルドで販売して売り上げの一部を貰うことにした。

効果の検証の話をしたら、めちゃくちゃ怒られた。

マリーナさんと話してるとゴーレに呼ばれた。

「どうしたの?」

「ライル様、数人のお客様が来られたようです」

「え?」


俺は村の入り口に行くと、馬車が3台止まっていた。

馬車の周りにいる人達を見ていると、顔なじみがちらほらいた。

「おーライル!馬車ってどこにおけばいいんだ?」

ガッツさんだった。

「ガッツさんは家があるエリアに馬車置場と厩舎があるでしょ?」

「そうなんだが、こいつらの馬車はどうする?」

ガッツさん達と一緒に居たのは前にカラッカの訓練所で一緒に稽古をした冒険者達だった。

「あー宿屋に泊りますよね?あそこの宿屋に馬車置場と厩舎があるのでそこに」

俺は宿屋を指さす。

「おい、あのデカい建物が宿屋なのか?」

「あーガッツさんが来てた時にはなかったですもんね」


冒険者達は宿屋に向かって行った。

俺はガッツさんにお礼を言った。

「大勢連れてきてくれたんですね。ありがとうございます」

「まあ目的はビールなんだけどな」

「ビールならカラッカでも飲めますよね?」

「お前の店ものすごい人気で、依頼を終わって店に行っても入れないんだよ」

「なるほど」

「ここならそんなことないだろ?」

「そうですね」

「いつも稽古を一緒にしている奴らとそのパーティの奴らだ。数日泊まってダンジョンにも挑戦するみたいだからよろしくな」

「ダンジョンの攻略はだいぶ大変だと思うので、冒険者ギルドで情報を貰ってください。あとお金を出し惜しみしない方がいいですよ。一応アドバイスです」

「ほほーん。わかったよ」

ガッツさん達は自分達の家があるエリアに向かった。


▽ ▽ ▽


初の客が来たことで、レストランは賑わっていた。

ガッツさんといつも一緒に稽古している冒険者だったため、ガラが悪かったりはしないのでいい感じに盛り上がっていた。

このまま冒険者が増えると柄の悪い奴もいずれ来るだろう。何か対策をしなくちゃな。




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