217.ダンジョン攻略祝賀・歓迎パーティ
今日はアイザックさん達の引っ越しだが、その前にやることがあった。
学び舎に行くと、フォーリアと鬼将軍の強弓とフィンとフォンが居た。
「朝早くにわざわざごめんね。今日から学び舎で勉強するフィンとフォンだよ」
「「よろしくお願いします」」
「フォーリアには今まで通り、カイリ達と一緒に算術などを教えてあげてくれ」
「任せてください」
するとコルカーが問いかけてきた。
「それで俺達はなぜ呼ばれたんですかね?」
「強弓の3人には、魔法や剣術などを疾風の斧がやっていたことを教えてあげてほしい」
「私達がですか?」
ナーリアは驚いていた。
「そう。疾風の斧がいるときは疾風の斧が訓練をしてくれるから良いんだけど、いないときは強弓に任せたいんだ。俺が思う最終的なゴールは2人を強弓に入れたいんだよね」
「「「え??」」」
強弓の3人は驚いていた。
「最近の強弓は戦闘の工夫をしてて、だいぶ強くなった。だけど他のパーティーに比べて、攻撃の手数が少ないと思うんだ」
「それはそうですね」
「フィンとフォンがどんなエクストラスキルを取得するかわからないけど、もし強弓に足りない部分を補填できるのであればいいなと思っている。あと人に教えることで、学べることもあると思っている」
3人は悩んでいたが、ナーリアが口を開いた。
「わかりました。私達で面倒を見ます」
2人も頷いた。
「ありがとう。でも冒険者活動やダンジョン攻略はしてもらうから、あくまで空いた時間でお願いね」
「「「はい!」」」
「じゃあフォーリア、2人をお願いしますね」
「はい。じゃあ2人とも教室に行きましょ」
フォーリアはフィンとフォンを連れて学び舎へ入って行った。
「強弓はどうする?」
「今日はダンジョンに行こうと思ってたのですが、フィンとフォンとコミニケーションをとっておこうと思います」
「よろしくね」
俺は強弓と別れた。
▽ ▽ ▽
俺はダンジョンを回ったり、冒険者ギルドを回ったりして時間をつぶしていた。
するとゴーレが俺を呼びに来た。
「アイザックさんが到着されました」
「わかった。今はどこに?」
「商人ギルドにいらっしゃいます」
俺はゴーレと共に商人ギルドに向かった。
商人ギルドに付くと、アイザックさんとリーラさんが仕事道具をマジックバックから取り出して配置していた。
「2人共、お疲れです」
「ライルさん。お伝えしたいことがあったんです」
「え?どうしました?」
「昨日カラッカで地震が起きました」
「ということは、新たにダンジョンが?」
「その可能性はあります。冒険者ギルドがバタバタしていたので」
「なるほど、僕にとっては朗報ですね」
「みたいですね」
俺が喜んでいるのが伝わったようだ。
「何か手伝うことありますか?」
「ありがとうございます。でも大丈夫です」
「そうですか。じゃあ俺は今日のパーティの準備でもしてきますね」
「はい!楽しみにしています」
俺は冒険者ギルドをあとにして、レストランへ向かった。
▽ ▽ ▽
レストランでは既にチャールズ兄とブライズさんとアルゴットとフィアダが準備を始めていた。
「おつかれー」
「おっ!ライルくん、今回は新作を用意してるのかな?」
「今回はないです。でもせっかくなのでアルゴットとフィアダがこの前作ってくれたものを出しましょうか」
「「え?」」
アルゴットとフィアダはまだ俺の急な思い付きに慣れていないようだ。
「大丈夫。美味しかったから自信持って」
「そうだよ。僕も食べさせてもらったけどおいしかったよ」
2人は褒められてうれしそうだった。
「わかりました。全力で作ります」
「ご期待に添えるように頑張ります」
2人は調理を始めた。
チャールズ兄がニコニコしながら口を開いた。
「一応、父さんと母さんがカレーパンを作ってるから期待しててね」
「お!完成したの?」
「一応ね」
「楽しみにしてる」
チャールズ兄もダンジョンへ行ったり大変なのに、料理への探求心がすごかった。
多分この村で俺の次に忙しいんじゃないだろうか。
俺は手が空いていたので、プリンやパフェを作って時間をつぶした。
▽ ▽ ▽
夜になるとレストランには続々と人が集まってきた。
「だいぶ大所帯になったな」
17人しかいない村だったが、今では80人近い人口になっていた。
「ライル様、皆さん揃いました」
「ありがと。では疾風の斧のダンジョン攻略祝賀会と新たな従業員の歓迎会を始めます」
「「「「「いえーい!」」」」」
拍手が鳴り響いた。
「とりあえず、ヒューズさんとセフィーナさん。挨拶宜しく」
俺は2人に丸投げした。
2人は戸惑っていたが、すんなり挨拶を終わらせパーティが始まった。
▽ ▽ ▽
俺は食事をつまみながら、料理を作っていた。
みんなは美味しい食事と美味しい飲み物で大盛り上がりになっていた。
アルゴットとフィアダの料理も好評で、少しは自信がついてくれただろう。
俺はカウンターにビューロとバイロを呼んだ。
「どう?飲んでる?一応バイロ達は主役なんだからいっぱい食べてね」
「はい。ありがとうございます」
「宿屋の方はどう?」
「みんな慣れていない作業ですが、リーラさんのご指導で少しづつ良くなってます」
「それはよかった」
バイロも最初の態度のせいで俺と話すとき緊張していたが、少し和らいできたようだ。
「カラッカの店舗についてはどう?」
「イルデンさんとマデリンさんの魔道具が人数分完成すれば営業開始できます」
「了解。商品は足りそう?」
「それは問題ありません。手が空いてるエルフは各部署の手伝いをさせてますので、営業開始時にはだいぶ余裕をもてると思います」
「いいね。引続き宜しくね」
「「はい」」
2人は自分の席に戻って行った。
次に呼び出したのは各パーティのリーダー達だ。
「カラッカの街でまた地震があったのは聞いた?」
「え?またダンジョンが?」
「そうみたい。だから明日からカラッカでダンジョンを2つ攻略をしてほしい」
みんなの目はやる気に満ち溢れていた。
「鬼将軍の剱と鋭牙で光剣の輝きが攻略中のダンジョンを剛角と強弓で新しく出現したであろうダンジョンを」
「「「「はい!」」」」
「明日はまだダンジョンの詳細が分からないから、テイムモンスターは連れて行かない様に。もし広いダンジョンなら翌日からは連れて行っていいから」
「「「「わかりました」」」」
「できればダンジョンコアを回収してほしいから、がんばって」
「ダンジョンコアは壊して回収?」
「そうだね。剱と鋭牙が行くダンジョンは壊して平気。剛角と強弓が行くダンジョンは冒険者ギルドに確認を取らないと駄目だから気をつけて」
「「はい!」」
俺は4人に一番重要なことを伝えた。
「カラッカの街に第3王女が来てるみたいなんだ。出来るだけ接触しないようにね。接触しちゃったら俺の話はしちゃダメ。これ重要だからね」
「「「「了解です」」」」
「じゃあ明日から大変だから、今日はいっぱい食べてね」
4人は席に戻って行った。
俺は明日の準備のため、早めに切り上げて家に帰った。




