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212.カラッカのレストラン

みんな俺の発言に驚いていた。

「ライルさん。食材とかはどうするんですか?」

「え?酔ってます?秘密の通路を使います」

「「「「「あー」」」」」

「お店はあるし、秘密の通路をこのレストランと繋いでおけばうまくいきそうだけどな」

アイザックさんは少し考えて口を開いた。

「これはうまくいくと思います!」

「ですよね」


するとフィーゴさんが焦ったように口を開いた。

「アイザック先輩。いくら秘密の通路がつながっていても、エルフ2人だけのお店だと何かと危ないですよ」

「あーそうか」

「うーん。でもこんなに素晴らしい料理の能力を持っている人が4人もこの村にいるのはもったいなくないですか?」

「そうですよね」

俺達5人は物凄く悩んだ。

その様子を見ている、アルゴットとフィアダはドキドキしているようだ。


すると、ガルスタンとマデリンとイルデンが入ってきた。

「ライル様。妹を助けていただきありがとうございました」

「あれ?お風呂早いね」

するとマデリンが話し始めた。

「いえ、ガルスタンがまず酒だって言いだして、お風呂の前に少し飲むことに」

「ははは。ガルスタンらしいね」

ガルスタンは顔を赤くした。


話していると、イルデンが口を開く。

「ライル様、先ほどは失礼な態度を取って申し訳ありません」

「いいよ。気にしないで。これからは家族みたいなもんだからさ」

「ありがとうございます」

「イルデンは何が得意なの?細工師とは聞いたけど」

「アタイは主に宝石や貴金属を使った装飾品を作ります。マデリン姉さんの付与魔法との相性もいいので、そこそこ人気でしたよ」

「そうらしいね。聞いたよ。じゃあこれからいろいろ作ってもらうから、よろしくね」

「はい!」

イルデンは気まずそうな顔から笑顔に変わった。


「マデリン」

「なんでしょう?」

「変なこと聞くんだけどさ、姿を変える能力を服とかにつけたりできる?」

「姿を変える?」

「このアルゴットとフィアダは料理の能力がものすごく高いから、カラッカでレストランをやってもらいたいんだけど」

「なるほど、エルフではなく人間に見えるようにしたいと」

「そう!」

マデリンは察しが良くて話しやすい。

「難しいですね」

「やっぱりそうだよね」

「はい。服には」

「ん?」

「イルデンが作る装飾品と先日手に入れた宝石があれば、可能だと思います」

「本当!?」

「はい。任せてください」

マデリンは自信満々だった。


「アイザックさんどうですか?」

「やりましょう」

「アルゴットとフィアダは平気?人間に成りすまして働くことについては」

「問題ありません」

「私もです」

2人の目はやる気に満ちていた。

「じゃあお願いしようかな」

「「はい!」」


「マデリン、申し訳ないけどエルフの人数分作っておいて」

「わかりました」

「あとガルスタンにはお酒もいいけど装備をなるべく早くって伝えておいて」

「あっ!装備なら今朝完成しました」

「はや!なら好きなだけ飲ませていいや。明日取りに行くから」

「はい」

マデリンは既に酒を飲み始めているガルスタンのもとへ向かった。



「じゃあチャールズ兄のハンバーガーとブライズさんのおすすめを食べたら、服屋と武器屋とこの村の宿屋の話をしましょうか」

「やりましょう。やる気が出てきました」

「この急展開に早くなれないと」

「店の話は僕達にも大きくかかわるから頑張ろう」

「そうね。頑張りましょう」


俺達は食事を進めた。


▽ ▽ ▽


食事を終わらせ、商人ギルドへ移動した。


「え?私ここで働くんですか?」

リーラさんは商人ギルドに豪華さに驚いていた。

「正直、うらやましい」

「本当にうらやましい」

3人は俺の作ったギルドに見とれていた。

「こっちですよ。早く来てください」

3人は急いで部屋に入った。


「じゃあいろいろと決めていきましょう」

「「「「はい」」」」

会議は始まった。

「まず、今後のライル商会の商品の納品はどうなりますか?」

「この商人ギルドは人員が少ないです。なので私が買い取りってカラッカに運び、フィーゴが販売します」

「納品に秘密の通路を使いますか?」

「使わせていただきたいです」

「なら商人ギルドとカラッカの家を繋いでおきますね。部屋は指定してください」

「わかりました」


「次は店舗についてですかね」

「レストランは先ほどの話のように、あのエルフの2人に任せる感じですよね」

「秘密の通路で繋げるので、うちのゴーレムも行き来すると思います」

「人員は問題なさそうですね」

「特に売り上げを上げるつもりもないので、昼食時に数時間営業して、夜はお酒とご飯の提供をするつもりです」

「ビールも売るんですか?」

「そのつもりです」

「わかりました。カラッカのレストランでのビールや特定の料理は値段を少し上げましょう」

「希少感と村では安く飲めるという宣伝を入れるんですね」

「その通りです」

「卵や牛乳やジャムなどはどうします?」

「それは今まで通り商人ギルドにお願いしたいです」

「わかりました」


「秘密の通路を繋げて、パン屋と武器屋と服屋も同じようにやろうと思うんですが」

「販売する従業員はいるんですか?」

「今日も15名ほどエルフが増えたので、希望する人にお願いしようかと思ってます」

「わかりました。そういえば、派遣についてですがどうします?」

「エルフの代表とビューロと今日増えた弟のバイロとかがいいのかなと思いますが、本人の意思を尊重するので決定はもう少し待ってください」

「わかりました」

「1つお願いなんですけど、カラッカの街で働くエルフ以外はエルフとして働かせてください」

「問題ないです。この村には差別などありませんから、そのような思考の人間を働かせるつもりはないので」

「ありがとうございます」

会議はテキパキ進んでいった。


「そういえば、フィーゴさんとシェリィさんはどこに住んでるんですか?」

「え?」

「今は宿屋ですが、アイザックさんが引っ越し後におうちをお借りする予定です」

「2人はフィーゴさんの実家から逃げてるんですよね?」

「はい。そうです」

「だったら、アイザックさんに迷惑をかけてしまうとカラッカ領主にも間接的に迷惑をかけることになりません?」

「そ、そうですよね」

「いや、私は大丈夫ですよ」

アイザックさんが問題ないと言っているので普通ならこの話はおしまいなのだが、俺はやめなかった。


「アイザックさんが大丈夫でも、実家に帰って荒波が収まるならって場面が来てもおかしくないと思うんですよ」

「それはそうですが」

「だったらカラッカのうちに住んで、やばくなったら村に逃げてくればいいんじゃないですか?」

「「え?」」

「本当に申し訳ないんですが、もしうちの村にフィーゴさんの家族が手を出してきたら全力で対応しちゃいますけど、それでいいならいい案だと思うのですが」

俺の提案に2人は驚いていた。

「いいんですか?」

「まあ、秘密を知ってる人間を逃がしたくないっていうのが本音ですが」

「「ありがとうございます」」

2人は頭を下げた。

フィーゴ夫妻がうちに住むことが決定した。


「あとは隣の大きな宿屋ですね。あれはどうするおつもりですか?」

「うーん。商人ギルドに管理してもらって、売り上げの一部を貰いたいなーって感じですね」

「宿屋の従業員にもエルフの方々を雇ってもいいですか?」

「全然いいですよ」

「では面接後ですね」

「そうですね」


「とりあえず、今決められることはこれくらいですね」

「そうですね」

「明日にでも、エルフ達の面接をしましょう」

「お願いします」

「アイザックさんも参加ですよ?」

「良いんですか?」

「当たり前です」

「ではよろしくお願いします」

「派遣する人間の給金は貰いますからね」

「当然です」


俺達は話し合いを終わらせた。

「アイザックさんとリーラさんはいつ引っ越しますか?」

「3日後くらいを予定してます」

「私もそれで問題ないです」

「そうしたら、3日後の夜にパーティですね」

「わかりました」

「フィーゴさん達も参加ですから、早めに仕事終わらせてくださいね」

「いいんですか?」

「当然です!」


俺達はパーティーの予定も決めて、解散した。

今日は4人共村に泊まっていくらしい。




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