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211.商人ギルドチーム

俺は村に戻ってきた。チャールズ兄とニーナも一緒にだ。

思ったよりも時間を使っていたみたいだ。


「温泉と食事は終わってるのかな?とりあえずレストラン覗くか」

俺はレストランに向かった。


4人はレストランにいた。

「すみません。待たせてしまい」

「全然大丈夫ですよ。女性陣が温泉でテンションが上がってしまい、レストランに今来たところです」

「それはよかった」

「それより何をされてたんですか?」

「ヤリネさんのところで、ガルスタンの妹とビューロの弟とその弟がいた村のエルフを購入して解放してました」

「え?」

アイザックさんは驚いていた。

「ガルスタンさんの妹ってことはイルデンさん?」

「そうですね、知ってるんですか?」

「ガルスタンさんほどではないですが有名な細工師ですよ。装飾品作りではだいぶ有名な方です」

「そうなんですね。これからライル商会で扱うかもしれないのでよろしくお願いします」

「はぁー」

アイザックさんはため息をついた。

「私は慣れましたが、この3人の顔を見てくださいよ」

3人はキョトンとしたまま動かなくなった。

「ガルスタンさん・マデリンさん・イルデンさんは商人ギルドで働いている人間ならみんな知ってるような方なんですから」

「ははは。すみません」


3人が少し落ち着いたので、料理の注文をすることにした。

トレスが注文を取りに来た。

「この村では、ゴーレムが普通にいるんですね」

トレスを見てフィーゴさんがつぶやく。

「フィーゴさんも貴族なら、見たことくらいあるんじゃないですか?」

「あることにはありますが、片手で数えられるくらいです」

「そんなもんなんですね。3人はお酒はお強いですか?」

「お酒?」

「お酒です」

「大好きです」

「まあたしなむ程度なら」

「私も苦手ではないです」

「じゃあアイザックさん以外はビールにしましょう」

そういうとアイザックさんが悲しそうな目をした。

「ライルさん。それはあまりにもひどいですよ」

「アイザックさんが酒を飲んで酔っ払わなかった時を見たことないのですが」

「いや、そ、それは」

「初めて村に来た時も、俺との約束があるのに1日中寝ちゃいましたしね」

それを聞いた3人は驚いていた。

「アイザック先輩にもそんな一面が?」

「学生時代からそんな姿見たことがないですよ」

「想像できません」

アイザックさんは顔を赤らめた。

「やめてくださいよ。しょうがないじゃないですか。カラッカの街だと、領主の息子だから気を張ってるんですよ。別にお酒は飲めますから」

「あれ?カラッカの家で飲んだ時は何日連続でうちに泊まってましたっけ?」

「そ、それは」

「ははは。冗談ですよ。トレス、ビール4つとコーラ5つ」

トレスは頷いて、キッチンに行った。


調理場にはチャールズ兄とニーナとブライズさんとエルフの従業員が2人がいる。

「チャールズ兄、カラッカで作ってくれたやつ4人前もらえる?」

「ハンバーガーとフライドポテトね。少し待ってて!特別なソースを作らなきゃだから

チャールズ兄は調理を始めた。


「ブライズさん。ちょっといい?」

「いいよ。どうしたんだい?」

「あのエルフの2人ってどれくらい料理できる?」

「うちのメニューの半分以上は作れるよ」

「そしたら今日はあの2人に1品づつ作ってもらおうかな。あとはブライズさんのお任せで」

「了解!」

ブライズさんは調理場に戻り、エルフ2人に声をかけた。

エルフを2人は驚いた表情をし、こっちを見たので目が合った。

「サラダ以外で一番得意なやつでいいからね」

「「はい!」」

エルフ2人は嬉しそうに調理場へ入って行った。


料理の注文をしているとトレスがビールとコーラをもってきた。

「じゃあ、こちらの黄色いのがビールというお酒です。そしてこっちの茶色いのがコーラという甘い飲み物です。運搬などが難しいため、販売は村でのみになります。ぜひ飲んでみてください」

アイザックさんと3人はビールに口をつけた。


「「「おいしー!!!」」」

「なんですかこれは。今まで飲んだお酒で一番おいしいです」

「よく言われます」

「冷えてるのがいいですね」

「はい。よく言われます」

俺のリアクションを見てアイザックさんが不満そうにしていた。

「ちょっとライルさん。反応悪くないですか?」

「いや、ビール初体験の瞬間を結構見ているので。すみません」

「初体験の人は感動を共有したいと思うので、あまり冷めないでもらえると」

「マジですみません。気をつけます」


3人は俺とアイザックさんのやり取りなど気にもせず、コーラに手を付けていた。

「「「甘い!!!」」」

「でしょ?美味しいですよね??」

「甘いのに飲みやすい。ビールでも思いましたが、このシュワシュワが良いですね」

「シュワシュワがいいでしょ?自慢のシュワシュワです!!」

「ライルさん。すみません。無理しなくていいです」

「やらせといて」

「すみません」


俺とアイザックさんがふざけていると、エルフの男性の方が料理をもってきた。

「おっと。早いね。えーっとごめん名前は・・・」

「アルゴットです。ちゃんとお話しするのは、初日の時以来ですのでお気になさらず」

「ごめんねアルゴット。それで何を作ったの?」

「僕は、先日ライル様が持ってこられたショウガとニンニクに魅力を感じてます。ですので今回は1品と言われておりましたがビールに合って、軽いものを2品作りました」

「ほー楽しみ」

「まずはキャベツをゆでて、一口サイズに切ったものにこちらをかけて混ぜております」

アルゴットはジャム販売で使っている瓶に何かを入れていた。


「これは?」

「細かく刻んだショウガを醤油に付けたものです」

「おーじゃあ食べてみるね。みなさんもどうぞ」

俺達はアルゴットの料理を食べた。

「美味しいですね」

「独特の風味と塩味がいいですし、お酒が進みます」

「うん。アルゴット、とっても美味しいよ」

「ありがとうございます」


「もう1品は?」

「アヒージョと揚げ物を見て、これもおいしそうだなと思い作りました。ニンニク揚げです。塩をつけて食べてください」

俺達はニンニク揚げを口にした。

「ホクホクです」

「ニンニクってジャガイモみたいな触感になるんですか?」

「うん。おいしい」

「アルゴット、これもとてもおいしいよ。お酒にも合うし、1番最初に出す料理として最適だね」

「ありがとうございます」

「アルゴットは昔から醤油漬けとかやってたの?」

「いえ、この村に来てからです。醤油に出会ったのもこの村です」

「ほーそうなんだ」

「野菜の塩漬けを見て、思いつきました」

アルゴットはだいぶ料理のセンスがありそうだ。

「うん。ありがと。とってもおいしかったよ」

「ありがとうございます」

アルゴットは嬉しそうに戻って行った。


俺は1つ疑っていた。アルゴットは転生者なんじゃないか。

ショウガの醤油漬けやニンニク揚げなんて前世にあったものだ。


そんなことを悩んでいると、エルフの女性が料理をもってきた。

「ありがとう。ごめん名前は」

「フィアダです。宜しくお願いします」

フィアダは頭を下げた。


「フィアダは何を作ってくれたの?」

「ハンバーグです」

そういいながらお皿をテーブルに置いた。

置かれたお皿の上にはハンバーグに大根おろしが乗っていて、キノコのソースがかかっていた。

「説明お願いできる?」

「はい。ハンバーグにキノコのソースをかけてます。ソースは醤油をメインで使っているので、卵焼きのように大根おろしが合うと思ったので乗っけました」

「うん。ありがとう。じゃあ食べるね」

「はい。よろしくお願いします!」


俺達はハンバーグを一口食べた。

「うまい!」

「キノコの味もしっかりありますね」

「ソースがとろとろなのが良いです!」

「とってもおいしんだけど、ソースはどうやってとろみを出したの?」

「小麦粉を少し入れました」

「良くできてるね。ありがと」

「はい!ありがとうございます」


フィアダも転生者の可能性がある。

俺はファミレスでこういうハンバーグを食べたことがある。

100年近く生きてる転生者なのか?

もしかしたら、特殊なエクストラスキルをもっているのか?


「2人共、料理に特化したエクストラスキルなの?」

「いえ、私は刃物の扱いが少しうまくなるだけです」

「私は『絶対味覚』といって、食べた料理に何が入っているかわかります。食べたことのある食材だけですが」

「なるほど」


『料理』には創造性が増す可能性があると思っていたが取得して無いとのことだし、エクストラスキルも創造性が上がりそうなものではないな。

「一応2人のステータス見せてもらっていい?」

「「はい」」


俺が2人のステータスを見ると、通常スキルの欄に『料理』があった。

「あれ?2人とも『料理』のスキル持ってるの?」

「「え?」」

「あれ?」

「やった!!!」

「取得できたんだ・・・」

アルゴットは物凄い喜んでいて、フィアダは涙ぐんでいた。


その様子を見たブライズさんがやってきた。

「2人共料理が本当に好きみたいで、毎日下準備とかも率先してやってくれて。続々やってくる新しい食材の研究もしてたしね。実はライルくんと僕らでやってる新商品の試作とか参加したがってたんだよ。カレーの時に誘っては見たけど、自信がなかったみたいで断られてたんだ。今回ライルくんが食べる料理を作れたのと、『料理』を取得したのが本当にうれしいみたいだね」

「そーだったんですね。言ってくださいよ」

「まあ自信とかって本人の問題だからね」

ブライズさんがすごく大人に感じた。

元々料理人を目指していた自分と重ねているんだろう。


俺の後ろですすり泣く声が聞こえた。

「アイザックさん?」

アイザックさんが泣いていた。

「いやー感動してしまいました。努力がしっかり実ったんですね」

酔ったのか、ものすごい泣いていた。


「あっ!良いこと思い付いた」

「「「え?」」」

「アルゴットとフィアダ」

「「はい」」

俺にいきなり呼ばれて動揺している。

「カラッカでレストランやってみない?」

「「「「「えー!」」」」」




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