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196.王女の情報

俺達はこれからのことを話した。

「商人ギルドでうちのエルフを雇えませんか?」

「エルフですか?」

「接客業をやりたいエルフの従業員が数名いるので、派遣という形で雇ってもらえないかなーと」

「本当ですか?助かります。カラッカから連れて来れても2~3人なので」

「まあ面接などをしてもらって決めてください」

「わかりました」

今農業を手伝ってくれているエルフから希望者を募ろう。


「あとさっき見せた秘密の通路を使って、料理や衣服を売る店をカラッカで始めようかなと思うのですが」

「なるほど、そうなるとカラッカの方にも僕の身内を置いておかないとまずそうですね」

「なんでですか?」

「単純に怪しまれるって話です。カラッカへの納品も街に入った形跡がなくできてしまいますし」

「そこは要相談になりそうですね」

俺は少しやり方を考えることにした。


「そういえばセフィーナ」

「なんですかお兄様」

「カラッカの街で王女殿下にあったぞ」

「え?」

「お前から手紙を貰ってすぐ来たそうだ」

「ライル様、まずいです」

「やばいね」

焦っている俺達を見て、アイザックさんが問いかける。


「どういうことですか?」

「アイザックさんとセフィーナさんは例外ですが、前に言ったように俺は貴族にあまりいい印象がありません。出来るだけ関わりたくなくて」

「王族がライル様の素晴らしさに気付いたら、それこそまずいですわ」

「そ、そうだね。でも安心していいと思うよ」

「え?」

「王女はカラッカで大量発生の新情報とダンジョンについて知ったらしく、その対処の指揮をとりたいって言い出したみたいだよ」

「え?あの方は本当に・・・」

セフィーナさんは頭を抱えていた。


「アイザックさん。大量発生の新情報ってなんですか?」

「あーそれはガッツさんに直接聞いた方がいいかもしれないですね」

「わかりました。夕食の時か明日にでも聞いてみます」


俺達は話し合いを終えて解散した。


▽ ▽ ▽


夕方になり、ゴーレ達が帰ってきた。

「今日はどんな感じ?」

「地下7階まで行きました」

「ほう」

「地下6階は角が2本あって毛が長い牛型のモンスターと羊型のモンスターで地下7階はオオカミ型のモンスターでした。数は今までの洞窟エリアよりも多かったです」

「なるほど、ドロップアイテムは?」

「皮と肉が大半で、少量の素材と魔石でした」

「了解。明日は俺も行こうかなー」

「次の層にコアがあることは確認できました」

「ほんとに?意外と浅かったな」

「はい。洞窟エリアになっており、鉄の鎧を着た人型のモンスターが確認できました」

「そういう系統のモンスターが出てきたかー。了解」

多分鎧を着たモンスターはリビングアーマーとかそういう系だろうな。

前世だとアンデット系だったはずだよな。

1対1したいな。でもさすがに弟子達から横取りは出来ないな。


▽ ▽ ▽


ゴーレからの報告を聞き終わり、レストランに向かうとガッツさんとポーラさんが食事をしていた。

俺に気付いた2人は話しかけてきた。

「ライル!家をデカくしてくれてありがとな。お礼にまた訓練付き合ってやるぞ」

「本当ですか?ありがとうございます。ガッツさんに聞きたいことがあるんだけどいいですか?」

俺はポーラさんを見ると、ポーラさんは頷いた。

「旦那との時間は充分いただいております。それにライル様の頼みを無下にすることなんてできませんから」

「ありがとうございます」


俺は2人の正面に座り話始めた。

「アイザックさんから大量発生の新情報があると聞いたのですが」

「あーそのことか。この前依頼を受けて原因の調査の為にカラッカ領の北にあるササントという街に行ったんだ。その街の近辺の森を調査していたら、卵をばら撒いてる方法が分かったんだ」

「え?」

「鳥のモンスターが卵を置いて飛び去って行くのを見たんだ」

「鳥のモンスター?」

「そうだ。たぶんあれはアサルトヴァーチャルっていうモンスターだった」

「なるほど」

鳥モンスターをテイムしている奴が黒幕に居るのか。


「アサルトヴァーチャルが飛び立った先に同じような鳥のモンスターが4羽居た。鳥のモンスターと盗賊を使って各に卵を置いているんだと思う」

「犯人はわかったんですか?」

「いやわからないが、冒険者ギルドの予想だと隣領だと思っている」

「なかなか核心に迫れないですね」

「そうだな。それでか知らんが、王女殿下がカラッカの街に来ているみたいで、今後指揮をとるそうだ」

「アイザックさんから聞きました。ガッツさんは参加されるんですか?」

「一応な。お前はどうなんだよ」

「俺はあんまり目立ちたくないんで」

「お前はいいかもしれないが、弟子たちは呼ばれると思うぞ?」

「え?」

想像もしていなかったことを言われ、俺は驚いた。

「さすがに王族が関わってくるからな、精鋭を用意しないとさすがにまずいからな」

「ってことは疾風の斧も?」

「そうなるな」

「まずいなー。まだいろいろできてないのに」

「まあカラッカに出現したかもしれないダンジョンの攻略も並行してやるし、疾風の斧はこの村のダンジョンの対応するって聞いてるから、召集は早くても30日後とかになると思うぞ」

「それまでにいろいろ終わらせないとな」

「まあ頑張ってくれや。俺的にはお前にも参加してほしいけどな。お前がいたらいろいろ安心できるからな」

「考えておきます」

ガッツさんに褒められて素直にうれしかった。


「そういえばあのオークの目撃情報があったぞ」

「え?」

俺は驚いた。カラッカの街での大敗北以降、まったく音沙汰がなかったあのオークの情報だったからだ。


「俺達が調査をしているときに聞いたんだが、依頼で森に行っていた冒険者が見たらしい」

「あのオークをですか?ワ―ウルフは?」

「オークとワ―ウルフそれに人間の女が居たみたいだ」

「え?もしかして拉致?」

「いや、3人で協力して盗賊を討伐していたらしい」

「え?」

「目撃した冒険者に気付くと、逃げるように消えていったらしい」

「謎ですね」

「一緒にいた女の顔をしっかり見えなかったらしいが、身なりは冒険者みたいだったそうだ」

「なるほど。わかりましたありがとうございます」

「おう。なんかあったらいえよ」

「はい」


俺は席を立ち、家へ戻った。


あのオークが人間の冒険者と?

なんでだ?脅しているのか?


俺の謎は深まるばかりだった。



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