188.ダンジョン設定
俺はダンジョンに来ていた。
今日はだいぶ大所帯だ。
「みんなはとりあえず外で待ってて」
「「「「「「「はい」」」」」」」
今日のメンバーは俺とゴーレ、そして鬼将軍の剱・剛角・強弓の面々だ。
俺はゴーレと最下層に行き、昨日のうちにマデリンから貰った魔石やみんなから貰った魔石をコアに吸収させた。
とりあえず吸収させ各階に配置させた。
1階はモンスターの設置はなし。
地下1階はゴブリン・ゴブリンアーチャー・エリートゴブリン
地下2階はコボルト・コボルトアーチャー・エリートコボルト
地下3階はオーク・オークアーチャー・オークメイジ
地下4階はゴブリンナイト・コボルトナイト・オークナイト・オーガナイト
地下5階はゴブリンナイト・ゴブリンメイジ・コボルトナイト・オークナイト・オークメイジ・オーガナイト
各階武器の所持は毒以外をランダムにして、リスポーンも比較的早く設定した。
モンスターの数も地下3階までは最大値にして、地下4・5階は15体ずつにした。
モンスターを階層から一瞬でもゼロにすると階段が現れるシステムにした。
俺は設置したモンスターを見に来たが、どのモンスターも俺とゴーレをいないものとしているようだった。
「これってダンジョンマスターだから襲われないのかな?」
「そうですね。私もライル様の所有物なので攻撃されないのかと思います」
「今度フリード達連れてきて、テイムモンスターはどうなるか確認しないとね」
俺とゴーレはダンジョンの入口に戻った。
▽ ▽ ▽
入口に戻ると、みんなが待っていた。
「今日の特訓は、集団戦闘の特訓ね」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
「このダンジョンは地下1階から地下5階までモンスターがいます。1階はナーリア、2階はアメリア、3階はニーナが指揮をして戦闘をしてください。4階と5階はみんなで相談して決めてください」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
「今はモンスターのレベルが弱くなっていて、倒すと強くなります。今日は暗くなるまでこのダンジョンを何回も回るように!」
「「「「「「はい」」」」」」
「では作戦会議をして、ダンジョンに向かってください。俺はそろそろヒューズさん達が着くはずだからそっちの対応をしてくるね。がんばってねー」
「「「「はーい」」」」
「「「「「「「はい!」」」」」」
▽ ▽ ▽
俺はゴーレと家に戻り、秘密の通路を使いカラッカの家に行った。
数分待っていると、ヒューズさん達が到着した。
「おーライル!到着してたか」
「はい。どうでしたジョシュ達は」
「なかなか優秀だったぞ。今は冒険者ギルドを見てみたいと言ったから、クララが案内をしている」
「それは良かった。ジョシュ達もカイリ達も一緒のタイミングで冒険者になりたいって言ってたんで、お兄ちゃんとして案内できるように見に行ったんでしょうね」
「それはそうと、シャッフル特訓はどうだったんだ?」
「概ね成功です」
「概ね?」
「各々が課題を見つけた感じですね。いつものメンバーではない人と合わせることの難しさや自分の思考を共有する大切さなど」
「ほー。いい特訓だったみたいだな」
「はい!あとダンジョンが2つ見つかりました」
ヒューズさんとリリアンさんはキョトンとしている。
俺は無視して追撃した。
「1つは攻略して、もう1つは『秘密基地』で管理ができたので僕がダンジョンマスターになりました」
「「はああああ?????」」
▽ ▽ ▽
「ほんとおまえって奴は」
ヒューズさんが頭を抱えている。
「これがダンジョンコア?初めて見たわ」
リリアンさんは割れたダンジョンコアに興味津々だ。
「本当に危険はないんだな?」
「ないはずです。いま弟子達が特訓で使用しているので」
「本当にお前ってやつは」
ヒューズさんはまた頭を抱えた。
「これってギルドに報告する感じですかね?」
「うーん」
「ん?」
「正直、2つとも報告しないといけないが。俺達もダンジョンを使いたい」
「え?」
「昔、入ったダンジョンでは若かったから死にかけて断念したんだ。ライルが管理できてるというなら、攻略した方のダンジョンの報告だけでいいと思う」
「なるほど。でもヒューズさん達がダンジョンに挑戦するのはだいぶ後になりますよ?」
「なんでだ!」
「ダンジョンのモンスターって倒すごとに強くなるみたいなんです。だから今は全然弱いんですよ」
「なるほど」
「だから、だいぶ先になりますけどいいですか?」
「かまわん!」
「ちなみにヒューズさん達が入ったダンジョンは何階層でした?」
「82階層までは攻略されていた」
「じゃあそれより深いってことですね」
「そうだな」
「ちなみに何階層まで攻略できたんですか?」
「35階層までだ。だいぶ若かったんだ!冒険者になりたてで、メンバーも俺とリリアンだけだったし」
「ヒューズさん達もそんな時代があったんですねー」
「うるさいぞライル」
「ちなみに村にあるダンジョンは5階層です」
「え?」
「心配しないでください。魔石を使えば階層も増やせるみたいなんで、弟子たちに頑張ってもらおうと思います」
ダンジョンの報告をしていると家のドアが開いた。
「「「うわーーーーん」」」
ジョシュ達が泣きながら家に入ってきた。
「え?どうしたの?」
「ぼ、ぼうけんしゃああああ」
「ひぐっ!約束したのにいいい」
「ごめんねカイリ!!」
ジョシュ達は泣いていて何を言っているかわからなかった。
するとクララさんが申し訳なさそうにして家に入ってきた。
「一体どうしたんですか?」
「いやーその・・・」
「ちゃんと説明してください」
「はい」
クララさんは冒険者ギルドでの出来事を話してくれた。
冒険者ギルドに到着した4人はマシュー達の登録を済ませるとたまたま居たギルドマスターに出会った。
クララさんがギルドマスターに3人を紹介すると、鬼将軍の弟子だからと自らギルドの案内をしてくれると言い出した。
クララさんも1度は断ったが、マリーナもちょうど休憩中だからと言われ任せることに。
マリーナと話しながら待っていると泣きながら戻ってくる3人。
ギルドマスターに話を聞くと、冒険者になりたがっていると勘違いしたギルドマスターと周りにいた冒険者たちが鬼将軍の弟子だからと持ち上げ、模擬戦と称して試験を受けさせ、勝手に冒険者登録をしてしまったようだ。
「はぁー」
俺はため息をついた。
「ライル、落ち着けよ」
「ん?落ち着いてますよ」
疾風の斧の顔が引きつってるように見えた。
「ゴーレ、そういえばトサカとルビーの登録ってしてないよね?」
「はい」
「じゃあすぐに村に戻ってフリードとハーマンと一緒にカラッカに向かって」
「はい。承知致しました」
「あとラーちゃんとライムとノコ虫軍は秘密の通路を使って、トサカとルビーは馬車に乗せて、カラッカに最短で向かって。グーちゃんとライドンはこっちにいるからこのままで」
「わかりました」
「おい、ライル」
「ライルくん?」
ヒューズさん達はなぜか動揺している。
「あとニーナとアメリアをカラッカに来るように伝えなきゃだけどそれは俺がやるわ」
「わかりました。ではすぐに向かいます」
ゴーレはすぐに村へ向かった。
「ライル。何するつもりだ?」
「え?冒険者ギルドを一度ぶっ壊そうかと」
「やめろ!」
「え?何でですか?僕が預かってる子供達が泣かされてるんですよ?」
「ギルドマスター達の勘違いで起きた事故なんだから」
「そうですね。でも本当に悪意がないかもわからないじゃないですか。それに悪意がなかったとしても今後事故が起きないようにお灸は据えた方がいいんじゃないですかね?」
「それは俺がやるから」
ヒューズさんがものすごい勢いで言うので少し悩んだ。
「うーん」
「わかった。俺もついて行くから今から確認に行くぞ。お前の目で確認しろ」
「わかりました。リリアンさんとクララさんは全力で3人を慰めてあげてください」
「わかったわ」
「わかったよ」
俺はヒューズさんと一緒に冒険者ギルドに向かった。




