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186.シャッフル結果発表

俺達は学び舎のキッチンにいた。

俺とチャールズ兄とブライズさん、そしてワー・ヨー・チュー・イーは大忙しだった。

「師匠!これでいい?」

チャールズ兄は作ったハンバーガーを俺に見せて確認を取った。

「うん。良くできてる!」

「そろそろフライドポテトもできるよ」

「ありがとうございます」


シャッフル特訓の結果はハーマンチームの圧勝だった。

他のチームもだいぶ頑張ったようだけど、あの最強モンスター軍団にはさすがに勝てなかった。


ゴーレ達に景品を聞いたところ、参加者全員に景品を食べさせてほしいと言ったので、打ち上げをすることになった。

テイムモンスター達がみんなと交流できるように、今回は学び舎の庭でやることにした。

「ゴーレ。これでいい?」

「ありがとうございます。みんな喜んでいると思います」

「今日は仕事はいいから、ハーマンと反省会もかねていろいろ話してみたら?」

「はい。そうしてみます」

ゴーレはハーマンとトサカとルビーのもとへ向かった。



「俺は各リーダーに話を聞いてみようかな?」

辺りを見回しているとシャルがいた。


「シャル。ビッツチームのリーダーって結局誰になったの?」

「うちのチームのリーダーはナーリアさんだよ」

「悪いけど呼んできてもらえる?」

「うん」

シャルはナーリアを呼びに行った。


▽ ▽ ▽


少しするとナーリアがやってきた。

「ライル様。私をお呼びと聞いたんですが」

「ナーリア。今日はお疲れさま。ビッツチームのリーダーにいろいろ今日の事を聞こうかなと思って」

「わかりました」

ナーリアは真面目な顔になった。



「それで、今回の特訓で何か得られてことはあった?」

ナーリアは少し考えて口を開いた。


「私個人としては、いろいろな能力が低いことがわかりました。特にリーダーとしての能力が」

「そう?」

「はい。私よりチームにいたカシムさんやシャルさんやゾーイさんの方が経験値も高く、私の指示なんかよりも瞬時にいい案を出せていました。落ち着きも私なんかよりもはるかに上でした」

「なるほど。それじゃ、強弓のリーダーはやりたくない?」

「いえ。やります。やらせてください」

「良かった。俺としてはだいぶうれしいよ」

「今回の特訓で自分に足りないことが分かりました。それはつまり今後伸ばさないといけないことです。そして人を頼ることを改めて知りました。私は成長して変わりたいんです。強弓のリーダーとして、ライル商会の従業員として」

「わかった。他の2人とも相談はしてほしいけど、俺的にはリーダーをお願いしたいな」

「わかりました。ありがとうございます!」

ナーリアがこんなに変わるとは思っていなかった。


「今回、ナーリアは得られたものは大きかったみたいだね」

「はい」

ナーリアの目はやる気に満ち溢れていた。

「じゃあこれからよろしくね」

「はい」

「それじゃあ、ネネチームのリーダー呼んできてもらえる?たぶんアメリアかな」

「わかりました」

ナーリアはアメリアを呼びに行った。


▽ ▽ ▽


「ライル。呼んでるって聞いたけど?」

「今日の感想聞こうと思って。食べながらでいいからここに座ってもらえる?」

アメリアは俺の横に座った。

「今回の特訓はどうだった?」

「大変だったわ。自分のふがいなさを痛感した」

「ふがいなさ?」

「詰めの甘さや、情報の使い方がボロボロだったわ。みんなのステータスを理解して作戦を立てたはずなのに、うまくいかなかった」

「なるほど」

「でも、仲間を頼ることはできたと思う。私が一番苦手としていた事。自分が考えていることをみんなに共有することの大切さを知ったわ」

「いいね。必要なことだ」

アメリアの成長はいろいろと過去の自分と重なる部分があって泣きそうになってしまう。


「私も今回の特訓で得たことを今後ちゃんと生かそうと思う」

「いいことだ」

「じゃあアメリアがパーティメンバーに頼り始めるともっと強くなるね」

「ええ。剛角はまだまだ強くなるわ。ライルが驚くぐらい」

「それは楽しみだな。今後ともよろしくね」

「こちらこそ!」

「じゃあニーナを呼んできてもらえる?」

「わかったわ」

アメリアはニーナを呼びに行った。


▽ ▽ ▽


ニーナがやってきた。

「今日の事について?」

「さすがニーナ。わかってるね」

「1番思ったのは、いつも合わせてくれるパーティメンバーがすごいってことと話し合いや練習の大切さかな」

「なるほど」

みんな俺の事をほんとに5歳かどうか聞くけど、ニーナの成長も異常だろ。


「いつもと違うだけで、あんなに動けなくなるとは思ってなかった!」

「そんなに?」

「うん。だからちゃんと話し合いをして、みんなで協力して頑張った」

「いいね」

「チームメンバーはみんなちゃんと反省点があったから、そこを治せるように意識して討伐をしたよ」

「本当にどのチームもみんな優秀だ」

「そういえばライルくん。ダンジョンはどうするの?」

「明日行こうかなって思ってるよ」

「メンバーは?」

ニーナはものすごくいきたそうに俺を見ている。


「俺とゴーレとノコ虫軍」

「そっか」

ニーナは残念そうだ。


「安全がわかったら、みんなの稽古場にしてもいいかもね」

「明日攻略しないでね!」

「気をつけるよ」

ニーナは俺の言葉をあまり信用していないようだ。


「よし。そろそろメインのご褒美準備してくるね」

「楽しみ―」

俺はニーナと別れ、キッチンに向かった。


▽ ▽ ▽


パフェは予想通り大好評だった。

特にカイリ・ネネ・ビッツはものすごいはしゃいでいた。


「3人とも美味しい?」

「「「うん」」」

「よかった。今日はどうだった?」

「「楽しかった!」」

「楽しかったです!」

「よかった、よかった」

「ジョシュ達と一緒に冒険者になれるように頑張ります!」

「よし!一緒に頑張ろうね」


今回の特訓では、エクストラスキルを取得していない3人にモンスターを倒させるという初の試みをしてみた。

どう転ぶのか、本当に楽しみだ。



「マスター」

ゴーレがやってきた。

「明日のメンバーはどうしますか?」

「俺とゴーレとフリードとノコ虫軍かな?ライムとラーちゃんとかに来てもらうともしかしたら過剰戦力かもしれないからなー」

「わかりました。準備しておきます。それとこちらをお渡ししておきます」

ゴーレはマジックバッグから謎の皮を渡してきた。

「ん?なにこれ?」

「ダンジョンのボスのドロップアイテムです。その他のモンスターのドロップアイテムは武器と少量の魔石だったので、倉庫にしまっておきました」

「ありがとう。鑑定!」


○岩蜥蜴王の皮(高品質)

キングロックリザードの皮。

ものすごく硬く、物理攻撃が効きにくい。

鞣し作業を行わなければ、腐敗してしまう。


「なるほど。ボスはすごいやつだったみたいだな。クリーン!」


○キングロックリザードの革(高品質)

キングロックリザードの革。

ものすごく硬く、物理攻撃が効きにくい。

加工するには技術が必要。


「この革はガルスタン夫妻に渡すか」

「そうですね」

「ルーシーとカシムの装備が心もとないから、加工できそうなら作ってもらうか」

「このサイズなら2人分作れると思います」

「そうだね。じゃあ後で持っていこうか」

「承知致しました」


俺とゴーレは学び舎を後にした。




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