表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/388

176.鬼将軍の強弓

俺は疲れ切っていた。

4日間の貸切特訓を無事終わらせ、最近お気に入りの庭でフリード達と中立モンスターとだらだらしていた。

今日は獣人の子供達も学び舎が休みのため、遊びに来ていた。

「みんな、ちゃんと勉強はしてる?」

「「「「「「してます!」」」」」」

「みんな偉いね」

「早く僕もお父さんみたいに冒険者になりたい」

ジョシュはチェスターに憧れているようだ。


だらだらしていると、コルカー達がやってきた。

「ライル様!」

「おっ、登録と試験どうだった?」

「無事にEランク冒険者になりました。そして学び舎の試験も合格しました。一緒に受けた剛角の皆さんも合格しました」

「よかったね。これでカラッカの街で活動できるね」

「はい。ありがとうございます。ライル様のお名前をお借りしているので、恥じのない様に頑張ります」

「「頑張ります」」

「名前?借りてる?」

「パーティ名を鬼将軍の強弓にさせていただきました」

「え?それは・・・3人の意志?」

「「「はい!」」」

俺は頭を抱えた。

「まあ3人がいいならいいか。これからがんばってね」

「はい。あとライル様に1つお願いがありまして」

「ん?何?」

「ライル様の特訓というものを受けてみたいのですが」

「え?必要?3人共もう強いでしょ?」

「ヒューズさんが絶対に受けた方がいいとおっしゃっていたのと、鬼将軍の剱と剛角のあの若さでの強さを見て、我々にも必要と感じました」

「あーそう。じゃあやる?」

「はい。お願いします」

「宜しくお願いします」

「やりたいです」

3人はやる気に満ち溢れていた。

「じゃあ数日以内にはやるから、準備だけはしておいて」

「「「はい」」」

コルカー達は学び舎に戻っていった。


「ノコ。悪いんだけど、大量発生探しに行ってもらえる?」

ジジジジジジ

ノコは頷いて、飛んでいった。


▽ ▽ ▽


だらだらしていると中立モンスターが増えていた。

「あれ?見たことないモンスターだ」

いつもいるキノコ型のベビーマッシュ・カインドマッシュ・マイコニドと植物型のドライアドとアルラウネ、それ以外にトカゲみたいなモンスターが数匹いた。

「鑑定!」


○チャーコルニュート

ヤモリ型のモンスター。中立モンスター。

炭のように黒いのが特徴。

炭と燃えカスを食べる。


○フレイムニュート

ヤモリ型のモンスター。

火を少量だが吐き出すことができる。

火を食べると、身体能力と吐き出す量が増える。


「小っちゃくてかわいいな」

俺は1匹しかいないフレイムニュートを撫でると、ライターレベルの火を吐き出した。

「いつから来たんだろ?」

「ライル様!この子達はこの前から来てるよ!」

「そうなの?」

「2日前くらいから、みんなと一緒に来るようになりました」

「そうなんだ。みんな、他の中立モンスター達と同じように仲良くしてあげてね」

「うん。みんなテイムしてるから、家族だよね?」

「そうだよ。テイムしたら家族・・・テイムした?」

「うん。一昨日、ララがしたよ」

「僕も!」

「私も!」

「えっ!」



▽ ▽ ▽



俺はヒューズさんとチェスターと家の居間にいた。

「ということです」

俺は先ほど判明した事実を2人に伝えた。

2人は頭を抱えていた。

「テイムしたってことは、エクストラスキルも取得したってことだよな?」

「そうです。学び舎パワーで通常スキルも何個か持ってます」

「すみません。息子達がご迷惑をかけて」

「全然迷惑じゃないんだけどね、いきなりすぎてびっくりしただけだよ」

チェスターもさすがに驚いているようだ。


「ライル、これからどうする?」

「うーん。学び舎でのみんなの様子は?」

「みんな真面目だ。成績も優秀だ。だが冒険者を3人にさせるのはまだ早い」

「なるほど。チェスターは3人が冒険者になるのは反対?」

「反対ではないです。ですがもう少しヒューズさんのところで学ばしてからかなと思ってます。村の子供達とそんなに歳は変わらないですが、まだ中身が幼いと感じることがありますので、すぐに冒険者にさせるのは不安です」

「わかった」

俺は決断した。

「なるべく早く魔力適性検査を受けに行きましょう。冒険者登録は今回はなし。他の獣人の子供達と訓練をして、6人で冒険者登録を目指す方向にしましょう。エクストラスキルを取得した3人には俺の訓練も受けさせます」

「わかった、そうしよう」

俺とヒューズさんが話しているとチェスターが申し訳なさそうに口を開いた。

「ライル様。獣人には魔力適性がありません」

「え?」

「そんなことないはずだ、俺は魔法を使う獣人をみたことがあるぞ」

「それは通常スキルを得たのだと思います。ベラの母も魔法は得意でしたが、魔力適性はありませんでした。獣人は魔力適性は基本なく、種族によって魔法系のスキルを覚えるんです」

「なるほど、じゃあ奴隷解放した時にステータスプレートも貰っているからカラッカに行く必要はないのかな?」

「いえ、経験のために行かせていただけないでしょうか」

「わかった。遠征みたいなのも経験させたいもんな。ヒューズさんは大丈夫そうですか?」

「問題ない」

今後の方針を決めた俺達は解散した。


俺はみんなのところに戻って、話し合いの内容を伝えた。

「うん。それでいいです!」

「それがいい!」

「ありがとうございます!」

ジョシュ達は喜んでいた。


「冒険者になるのが、だいぶ先になっちゃうけどいいの?」

「はい!俺達はカイリ達のお兄ちゃんなんで」

「お姉ちゃんなんで」

「みんなで一緒に冒険者になろうって約束したんだよ!」

ジュシュ達はカイリ達の一緒に冒険者になると約束したみたいで、すぐに冒険者にならないのは問題がないようだ。


「そうなんだ。じゃあこれからもみんなで授業頑張れる?」

「「「はい!」」」

「カイリ達も頑張れる?」

「「「はい!」」」

「じゃあ、この話はおしまい!みんな遊びに戻っていいよ」

「「「「「「はーい!!」」」」」」


ジョシュ達の成長をちょっとだけ感じた。

「いや、学び舎うまく行きすぎ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ