167.サウナの決戦
夜になり、村のみんなとセフィーナさん達を集めた。
「皆さん。ここは温泉施設です。いろんなお風呂に入れる施設です」
「「「「おーー!!」」」」
「今日は皆さん無料です。今後は村の人は安く、従業員はタダで入れます」
「「「「やったー!」」」」
「施設の使い方はバントーというゴーレムとスタッフゴーレムが説明してくれますので、わからないことがあったら聞いてください」
「「「「「はーい!」」」」」
みんなは続々と施設に入っていった。
「ニーナ、ルーク、外からフリード達入れるから連れて行こう」
「「うん」」
俺達は施設の横に行き、スタッフゴーレムにフリード達を預けた。
「じゃあ俺らも入りに行こうか」
「「うん」」
俺達は施設に入った。
「俺達はこっちだから」
「また後でねー」
俺とルークはニーナと別れて脱衣所に入った。
すると裸のヒューズさんが近づいてくる。
「ライル!なんだここは!」
「最初に説明しましたよね?温泉施設ですよ」
「聞いてたけど、この湯の効能凄すぎだろ!入り浸るぞ?いいのか?」
「いいですよ、やることやってもらえれば」
「よっしゃぁ!」
ヒューズさんはものすごい勢いで喜んでいた。
「じゃあヒューズさん。大人勢呼んで男の戦いしましょうか」
「ん?」
サウナの前には俺・父さん・ヒューズさん・ブライズさん・カリムさん・村長・ガートンさん・カシム・ルーク・チャールズ・オリバーが集まった。
「このサウナは蒸気で高温になっている部屋です。この中にどれだけ入れるか勝負です」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
「無理すると倒れてしまうので、ちゃんとギブアップして水風呂に入ってくださいね」
「「「「「「「はーい!」」」」」」」
「我慢比べ、よーい始め」
俺達は一斉にサウナ室に入った。
▽ ▽ ▽
サウナに入って5分経過した。
俺はまだまだ平気そうだった。
「大丈夫ですか?体調悪い人いないですか?」
「余裕だ。父さんも流石にライルには勝ちたいからな」
「俺は父さんに勝つ!」
「おーカシム、言うようになったな」
10分が経過した。
「僕もう限界ー」
「俺もー」
「僕もー」
「ちゃんと汗を流してから風呂入れよ」
「「「はーい」」」
カシム・ルーク・チャールズ兄がサウナから出ていった。
その様子を見たヒューズさんが俺に問いかけた。
「ライル、1位のやつになんか賞品はないのか?」
「あー。じゃあ僕ができることならなんでも」
「「「「よっしゃ!!」」」」
「そのかわり、1位の人が体調悪くなったり倒れたりしたら無効試合にします」
「賞品の希望はありますか?」
「うーん。俺は新しい酒が飲みたいな」
「そうだな。大人組はライルが新しい酒を開発するにするか」
「それじゃあ全員商品もらえるじゃないですか」
「バレたか」
「じゃあ新しいお酒ができてから1年間はその人しか飲めないっていうなら良いですけど」
「それはやめてくれ!」
するとガートンさんが口を開いた。
「私は、私と妻をライル商会で雇って欲しい」
「「「「え?」」」」
「今までずっと妻と小麦を作ってきたが、ライル商会の小麦はすごい。チャールズが作るパンも日に日に上手くなっていくし、チャールズもだいぶ変わった。それもみんなライルくんのおかげだ。小麦の可能性を作ってくれるライルくんの手伝いをさせて欲しい」
「ほんとはもっと後に話そうと思ってたのですが、チャールズ兄が試作してるパンが成功したらパン屋を始めようと思っていて。チャールズ兄も冒険者とパン屋は流石に両立は大変そうなので、ガートンさんと奥さんのダリナさんに手伝ってもらえないか交渉しようとしてたんですよ」
「そうなのか?」
「なので1位にならなくてもこちらからお願いしたいです」
「よし!なら俺は出るぞ。詳しい話は後で話そうライルくん」
ガートンさんはそういうとサウナから出ていった。
すると村長が口を開いた。
「ライル、家を作って欲しいって言うのは可能か?」
「うーんできないこともないですけど、村長の土地が僕のものになりますけど良いんですか?」
「な!それは困る。流石に村長が他人の土地に住んでるのはダメだ」
「ですよね。なら違う商品にしてください」
「うーん。じゃあ村長になってくれないか?」
「いや、めんどいでしょ!てか5歳には無理!」
みんなが悩み始めた。
「わかりました。風呂から出た後、俺がビールに合う最高のつまみを用意しますよ」
「「「「おー!」」」」
「ということで、俺はそろそろ限界なので出ますね」
「僕も出ます」
俺とオリバーはサウナを出た。
「オリバーは賞品いらなかったの?」
「うーん。欲しかったですけど、僕が貰うよりも元々村にいる人かヒューズさんに貰って欲しかったですね」
「そんなすごい賞品じゃないんだけどね」
俺とオリバーは水風呂に入り、脱衣所に行って着替え始めた。
「てか、まだ出てこないの?」
サウナに残っていたのは父さん・ヒューズさん・ブライズさん・村長・カリムさんだ。
「いくらなんでも遅いな」
俺は嫌な予感がして、サウナに向かった。
サウナの扉を開けるとフラフラの5人がいた。
「もうバカだな」
俺はスタッフゴーレムに頼んでみんなを運び出してもらい、座敷で寝かせた。
「商品はなしですね」
5人は奥さんとパーティ仲間に連れられ、家へ帰っていった。




