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162.恩返し

アイザックさんが来てから数日経った。

俺は秘密の通路を使い、カラッカの街に来ていた。

「流石に早すぎたか。作り置きした料理をマジックボックスに入れて村に戻るか」


アイザックさんが到着した翌日にすぐ商談をして、大金貨68枚・金貨51枚分も売れた。

主に服と塩と胡椒と砂糖が高く売れた。

前世では考えられないくらい大金持ちになったようだ。


自分の部屋に戻ると、ゴーレがやってきた。

「マスター。庭にモンスターが侵入してきました」

「え?すぐ行く!」

俺は窓の外を見た。

「ワープ!」

「マスター!そのモンスターは…」


俺は窓の外にワープした。

「ワープ!ワープ!」

ワープを繰り返して庭の端から端を見て回った。

するとモンスターらしき姿が見えた。

「いた!」

モンスター達の近くにジョシュ達がいた。

「ジョシュ達が危ない!ワープ!」


俺はジョシュ達とモンスターの間に入った。

「エアショ・・・あれ?」


目の前にいるモンスターに見覚えがあった。

ミッツ達と一緒にオークに捕まっていた中立モンスター達だった。

「あれ?ジョシュ達大丈夫?」

「大丈夫だよ。このモンスター達がこれをくれた!」

ジョシュ達の手には椎茸のようなキノコと木の実がいっぱいあった。


俺は中心にいる、マイコニドに目を合わせた。

「これもらっていいの?」

マイコニドはキノコ型の頭を大きく縦に振った。

「ありがとう」

マイコニド率いるキノコ型モンスター達と、アルラウネ率いる木の精のモンスター達を見てみると、細かい傷がいっぱいあった。

「ちょっと待ってて」

俺はライムを呼んできて、ヒール草をいっぱい食べさせた。

「ライム、みんなにポーションかけてあげて」

ポニョポニョ!

ポーションがかかった中立モンスター達の傷がみるみる治っていった。

中立モンスター達は嬉しそうだ。


「ありがとね、キノコと木の実」

マイコニドは頷くと森方面に歩いて行った。


「石の塀を乗り越えてきたのか?」

そんな疑問を思いながらも、助けてよかったと思った。


「ジョシュ達、あいつらが今度来たら仲良くしてやってね」

「「「「「「はーい」」」」」」


俺はキノコと木の実を預かった。

「一応鑑定!」


キノコは見た目通り、シイタケだった。

木の実は初めて見たが、アーモンドとクルミだった。

「アーモンドとクルミってこんな実なのね」



俺はゴーレにアーモンドとクルミを渡して、家に戻った。



▽ ▽ ▽



ゴーレが部屋に入ってくる。

「マスター。木の実はキーに渡しておきました。植えることが可能とのことです。それとセフィーナさんがきております」

「お、ありがとう。リビングに案内して」

「承知しました」


リビングに移動して待っていると、ゴーレがセフィーナさんを連れてやってきた。

「どうしました?」

セフィーナさんはすごく言いづらそうに口を開いた。

「実はご相談というかご報告があって」

「どうしました?」

「アイザック兄様が私宛の手紙を持ってきてくれたんですが、その中に私の学生時代の学友からの手紙がありまして」

「よかったじゃないですか」

「そうなんですが。その子も飛び級をして今は学園に通っておらず。すごく暇をしているみたいで、この村に来たいと言っているんです」

「いいじゃないですか。もしかして盛大に歓迎してほしいとかですか?」

「お忍びでくると書いてあったので、過度な歓迎はしなくて大丈夫です」

「ん?じゃあどうして俺に報告を?」

「その友人がですね・・・」

「ん?」

「この国の第3王女なんです」

「それは…」

俺的には最悪だった。王族に目をつけられるのなんて最悪すぎる。


「ライル様が目立ちたくないというのは知っております。ですが、この施設や領主代行館をみせてしまうと必然的に目立ってしまうと思うんですよ」

「そうですよね。どうしましょう」

「どうしましょう」

俺とセフィーナさんは悩んだ。


「ちなみに来た場合、何日くらい滞在されるんですか?」

「記載されてなかったのでわかりませんが、長くて7〜10日くらいだと思います」

「わかりました。その期間、俺は逃げます」

「逃げる?」

「王女様がいる間はブライズさんに領主代行館に通ってもらって、朝昼晩の料理を作ってもらってください。トランプとジェンガも貸し出しますんで、それで村にあまり出ないようにしてください」

「そんなことをしても素晴らしい料理がライル商会のものと分かれば、ライル様に会いに行きたがると思うのですが」

「僕が5歳って情報を隠しておけば、商会長としていろんなところに出向いているってことにすれば不自然じゃないと思います。ましてやお忍びで来られるのですから、たまたまいなかったってことにすれば成立するのではないですかね?」

「そうですね、わかりました。その案で行きましょう。私としても一番の目標である村の人口を増やす・村に来る人を増やすというものが達成する前に王族に目をつけられるのは避けたいので」

「ありがとうございます。ちなみにいつ頃来られるんですか?」

「手紙の返事を見てからこちらに向かうと思うので、2〜3週間以上後にはなると思います」

「わかりました。近くなったらまた教えてください」

「お手数かけてすみません」



俺とセフィーナさんの会議は終わった。






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