160.3人の獣人
レストランについた。
「アイザックさん。何飲みます?」
「こんな大きいレストラン作ってるなんて」
「いろいろ料理も開発する為に作ったんですよ。そのためにブライズさん達を雇うことにしました」
「なるほど、ちょっと来ない間にこんなに急展開してるとは」
「それで何飲みます?」
「お兄様!おすすめはイチゴミルクです」
「じゃあそれを4つお願いします」
アイザックさんはついてきた獣人の子供たちの分も注文した。
「アイザックさん。気になっていたのですがその子達は?」
「実はその話がしたかったんです」
アイザックさんは真面目な顔になった。
「この子達は元違法奴隷です。ヤリネさんが買い取って私に連絡をしてくれました」
「そういうことですか」
「ライルさんから頂いていたお金でヤリネさんから買い取り、奴隷解放をしました。解放後にこの子達に聞いたんです。このまま自分達で暮らすか、ライルさんという君達を解放してくれた人のところに行くかどうかを。そうしたらライルさんのところに行きたいというので連れてきました」
3人の獣人は不安そうな目でこちらを見ている。
「わかりました。当然うちで預かります!」
「ありがとうございます」
アイザックさんも3人も嬉しそうだった。
俺は3人に目を合わせた。
「俺の名前はライル。君達の自己紹介を聞いてもいい?」
すると、1人が前に出た。
「ライル様!助けてくれてありがとう!アイザックさんにいっぱい聞きました!俺は虎の獣人のビッツです。頑張ります!」
それに続き、残り2人の女の子も前に出た。
「ラ、ライル様。助けてくれてありがとうございます。僕は白イタチの獣人のカイリです。よろしくお願いします」
「私は羊の獣人のネネです。ライル様ありがとうございます。これから頑張ります」
「男の子が1人と女の子が2人ね。うちには他にも獣人がいるから仲良くしてね」
ターがイチゴミルクを持ってきた。
「みんな、これ美味しいから飲みな。頑張ってくれたら毎日飲めるからね」
「「「うん!頑張ります!」」」
アイザックさんと3人がいちごミルクを飲み始めた。
「なんですか、これは!こんなの飲んだことない」
「あまーい!」
「おいしー」
「つめたい!」
獣人3人は一瞬で飲み終わった。
「ライルさん、これについてはあとで聞き出しますからね」
「お兄様。これで驚いていたらやっていけないですよ」
「え?」
アイザックさん順応している妹に唖然としていた。
「ゴーレ、この子達をジョシュ達のところ連れて行って、怪我しないように遊ばせておいて」
「承知致しました。みなさん、遊びに行きますよ。ついてきてください」
「「「はーい!」」」
獣人3人はゴーレに連れて行かれた。
俺はキッチンにいるブライズさんに言った。
「ブライズさん。お得意様のアイザックさんが来てるので、今日の夜は最近開発した料理をバンバン出しますよ」
「わかったよ!頑張って作っちゃうよ。最近エクストラスキルのレベルが上がったから任せて」
ブライズさんは腕を回した。
「え?」
「『森の料理人』のレベルが上がって、調理スピードが速くなったんだよ。若い頃1回上がってから上がってなかったから嬉しかったよ」
「よかったですね。さすがライル商会の食品部門責任者!」
ブライズさんはニヤニヤしながら料理の準備を始めた。
「アイザックさん。お時間になったら呼びに行くので少し休んだらどうです?」
「そうだね、このままライルさんの非常識さをダイレクトに喰らうよりかはいいかもしれない」
アイザックさんはフラフラしながら家へ戻った。




