154.オークトレーニング
俺はアメリア達を連れて、オークの集落付近に来ている。
「みんな、今からオークと戦ってもらう。鬼将軍の剱は今日テストをしている。そのテストが合格の場合、あいつらは本格的に冒険者として活動をする。このまま距離を離されていいのか?」
「「「ダメです!」」」
「争えとは言わない。だがお前達には鬼将軍の剱と同じくらいの強さになってほしい」
「「「はい!」」」
みんなに気合を入れ、注意点を伝える。
「ちなみにオーク肉は美味しいらしいから、あんまり傷つけないで倒してね」
「「「「はい!」」」」
「ゴーレ、まずは50体!じゃあ、オーク討伐開始!」
アメリア達はオークに向かって行った。
▽ ▽ ▽
アメリア達はオークを次々倒していった。
チェスターが大声で吠える。
ワォーーーン!
獣人は獣のような声も出せるようだ。
その声にオーク達が集まってくる。
チェスターはオークの攻撃を手甲で防ぎつつ、鉤爪で首を掻っ斬っていく。
「チェスター!1人で戦ってるんじゃないぞ!周りとしっかり合わせろ!」
「はい!」
オリバーは両手に持ってる剣に帯電させている。
だいぶ切れ味が上がっているし、刀身が触れただけでオーク達が感電して動けなくなっている。
「オリバー!戦い方は上手くなったが、そんなペースで体力が持つのか?自分のことはしっかり把握しろ!」
「はい!」
ルーシーが剣を振るうが何かぎこちない。
別に戦えていないわけでは無いがぎこちない。
「おい、ルーシー!ちょっとこい!」
「はい!」
「なんかぎこちない気がするんだけど心当たりは?」
「緊張してるのかもしれません」
「なるほど。俺が知ってる戦い方で踊るように剣を振るう戦い方がある。好きなテンポで動いてみたら?」
「はい!やってみます」
ルーシーはオークの群れに戻っていった。
「ゾーイ!オリバーのスキルに合わせてみろ!」
「はい!補助スキル!避雷球!」
ゾーイの手から鉄球のようなもの数個出てきた。
その球はオークの群れの中に入ってぷかぷか浮いてる。
「オリバー、その球に剣で触れて!」
「わかった!」
オリバーの刀が鉄球に触れる。すると鉄球が雷を帯び、他の鉄球に向かって雷が飛んでいった。
「わーお!すごいじゃん」
ゾーイを見てみるとオリバーと同じくらいの速度でオークを斬っている。
「身体能力も上がってるの?」
「はい!多分そうです。あとオリバーが考えてることがわかるようになってるので合わせやすいです」
「このスキルは化けるぞ」
チェスターを見ると、少しダメージを負っていた。
「アメリア!チェスターの回復が遅い!周りを見ろ!」
「はい!ヒール!」
アメリアも細剣でどんどん倒していく。
「ゴーレ!もう100追加!」
「承知しました」
「ゾーイはチェスターにスキルを使え!」
「はい!補助スキル!戦獣の鼓舞!」
ワォーーーン!
「チェスターどんな感じだ?」
「筋力と俊敏力が上がったと思います!」
チェスターはそう言うとオークの首を噛み切っていく。
ゾーイもチェスターと同じ速さになっていた。
ゾーイは剣でオークを吹き飛ばす。チェスターの方にオークは飛んで行き、飛んできたオークを鉤爪で刺した。
「ゾーイを絡めたコンビ技がなかなかすごいぞ」
アメリアパーティの今後が楽しみになってきた。
▽ ▽ ▽
追加100体を倒し切った。
「アメリア、もう俺は口を出さない。だから頑張って指示を出してみろ」
「はい!頑張ります!」
「チェスターはさっきみたいにオーク達のヘイトを買って」
「わかった」
「ゾーイはオリバーにスキルを使って、2人でどんどんオークを倒して」
「「任せて」」
「ルーシーは私の近くで私とオークを倒していくわよ」
「はい!」
アメリアはみんなに指示を出した。
「じゃあ、いくよ?ゴーレ、残りお願い!残りが半分切ったら上位種よろしく」
「承知しました」
122体のオークが解放された。
ワォーーーン!
チェスターが叫ぶと、オークがチェスターに向かってくる。
ゾーイとオリバーがチェスターの横を通り過ぎ、オークの群れのに突っ込んで行く。
「補助スキル!避雷球!」
雷に痺れて動けなくなったオークをどんどん斬っていく。
アメリアとルーシーも背中を合わせでオークを斬っていく。
ルーシーはさっきのアドバイスのおかげか、綺麗に舞いながらオークの首を刎ねていた。
「やっぱり舞いながら戦ったほうがイキイキしてるな。ルーシーには前にガチャで出た、シャムシールとか渡すと良さそうだな」
アメリア達はどんどんオークを倒していく。
ブォォォーー!
オークナイトとオークエリートがでてきた。
「みんな上位種!チェスターヘイトを買って!」
「任せろ!」
ワォーーーン!
オークエリートがチェスターに突っ込んでいく。
チェスターは攻撃を防ぐが吹き飛んでしまう。
「オリバーとゾーイはオークエリートをお願い!」
「「わかった!」」
2人はオークエリートに斬りかかる。
「ヒール!チェスター大丈夫?」
「大丈夫、すぐ戻れる」
チェスターは起き上がり、オークエリートに向かって行った。
「みんな気をつけて。強固な群衆!」
アメリアはみんなの防御力上げた。
ブォォォ!!
オークナイトがアメリア目掛けて突っ込んできた。
「危ない!」
ルーシーがいち早く気づき、オークナイトに攻撃するが攻撃は弾かれてしまう。
「ルーシー!!くそー!」
アメリアは突っ込んでくるオークナイトに剣を向けるがオークナイトに弾かれて吹っ飛んでしまう。
「くっ!」
吹き飛んだアメリアにオークナイトが再度突っ込んでこようとしている。
「アメリア!補助スキル!ミラージュ!」
ゾーイのスキルでアメリアは透明になり、アメリアの幻影が現れた。
ブォォォ!
オークナイトがアメリアに突っ込むが、アメリアを通り抜けて木にぶつかる。
「ルーシー、攻撃して!ゾーイもスキルを!」
「うん」
「わかった!補助スキル!剣舞!」
ルーシーとゾーイは踊ってるかのようにオークナイトを斬りつけていく。
オークナイトも反撃をするが、ゾーイがそれを防ぐ。ルーシーが首を斬るが刃が途中で止まってしまった。
ブォォォ!
その瞬間、アメリアは走って細剣をオークナイトの眉間に突き刺した。
オークナイトは倒れた。
「「「やったー!」」」
「はっ!だめ!オークエリートが!」
「残って無いですよ」
チェスターとオリバーが3人に寄ってくる。
「全員倒しておいたよ」
「「「よかったーー!」」」
俺は安堵しているみんなに声かけた。
「お疲れ様。良く頑張ったね。討伐は終わったけど討伐証明部位の剥ぎ取りがあるからね」
「「「「「はい!」」」」」
みんなは討伐部位の剥ぎ取りを始めた。
「鬼将軍の剱とは戦闘スタイルが違くて面白いな。もっと鍛えてあげないとな」




