152.オークの集落
昨日のゲーム大会は盛り上がった。
大人組にババ抜きを教えたら、俺が帰ってからもやっていたそうだ。
「よし。明日の特訓用にモンスター探しに行くか」
「お供致します」
「じゃあ全員で行くか」
「承知致しました。準備をしてきます」
ゴーレは部屋から出た。
マリーナさんの話ではモンスターの大量発生はカラッカ領の各地で起きいて、ほとんど未然に防げているが、すでに100件近い報告があるらしい。
「村の周りに卵が多いってことは近くに盗賊がいる可能性があるってことだよな。見たことないけど。どうやって卵を置いてるか分かればレベルアップに使えるんだけど」
ゴーレが呼びにきた。
「今日は西の森に行こうか」
「承知しました」
俺たちはフリードに跨り、西の森へ向かった。
▽ ▽ ▽
森の中を進むと、キノコのようなものが動いた。
「あれモンスターか?3匹くらいいるな。一応鑑定!」
○ベビーマッシュ
キノコ型モンスター
中立モンスター。攻撃すると襲ってくるがとてもよわい。
「モンスターだった。でも異常発生してないし中立だから無視しよ」
みんなにそう伝えるとベビーマッシュの奥の草むらが動いた。
草むらからオークが出てきた。
「オーク?まさか……」
オークはベビーマッシュを見つけると捕まえて食べていた。
俺たちの目の前にいたベビーマッシュは全員オークに食われてしまった。
「もし、オークが大量発生しているのなら、あいつがいる可能性がある。バレないようにつけるぞ」
「承知しました」
俺達はオークを尾行することにした。
▽ ▽ ▽
オークを尾行すると集落があった。
集落の中には小屋のようなものもあった。
「あいついる?」
「いないようですね。上位種はナイトとエリートしか見えないです」
「いないかー。よし、明日はここで特訓にしよ。シモンとゴーレはいつもみたいに糸で縛って捕まえて。ノコとフリードとキリーとライムはフォローして」
「承知しました」
ヒヒーン!
ジジジジジジ
チチチ!
シャシャ!
ポニョポニョ!
みんなは一斉に飛び出した。
みんながオークを捕獲している間、俺は集落の中にある小屋が気になり小屋の扉を開けた。
すると中には大量のモンスターが縛られていた。
「え?どういうこと?オークに捕まってるの?一応鑑定!」
○ドライアド
精霊型モンスター。木の精霊。
中立モンスターで、人間の子供のような見た目をしている。争いを好まない。木の中で生活する。
○アルラウネ
精霊型モンスター。木の精霊の上位種。
中立モンスターで、人間の大人の見た目をしている。
争いを好まないが、戦闘になると花粉を飛ばしたり、木の根を操って戦う。木の中で生活する。
○ベビーマッシュ
キノコ型モンスター
中立モンスター。攻撃すると襲ってくるがとてもよわい。
○カインドマッシュ
キノコ型モンスター。上位種。
中立モンスターで、戦闘を好まない。攻撃されると胞子を振り撒いて逃げる。
○マイコニド
キノコ型モンスター。上位種。
頭に大きなキノコがついた人間のような見た目をしている。
中立モンスターだが、攻撃されると様々な効果がある胞子で攻撃をする。
○スイートビー
蜂型モンスター。
中立モンスターだが、巣に近づくと攻撃してくる。
標的にされると針で刺される。
身体は10cmほどある。とても甘い蜜を集める。
○スイートクイーンビー
蜂型モンスター。上位種。
中立モンスターで基本巣の中にいる。
身体は30cmほどある。とても甘い蜜を集める。
戦闘になったら、巨大な針で攻撃する。
「みんな中立モンスターだ。オークの食料になっていたのか?」
俺は中立モンスター達を縛っているものを外してあげた。
モンスター達はポカーンとしている。
ジジジジジジ!
ノコがやってきた。
「ノコ、オークは俺たちに任せて逃げてってこの子達に伝えて」
ジジジジジジ!
ノコが中立モンスターに話してくれているようだ。
中立モンスターは小屋から出ていき、森の中へ消えていった。
小屋には俺とノコとスイートクイーンビーとスイートビーだけになった。
「あれ?もしかして花畑の仲間?」
ジジジジジジ!
スイートクイーンビーが俺の周りをクルクル飛ぶ。
ブンブンブンブンブンブン
「名前をつけるのか、もうこれはミッツ以外無いよね。どう?ミッツって名前は」
ブンブン!!
ミッツは名前を気に入ってくれたようだ。
ゴーレがやってきた。
「上位種含めて、全員確保しました」
「おつかれ。何匹いた?」
「オーク322体・オークエリート10体・オークナイト1体です。集落内には食べたであろうモンスターの死骸がたくさんありました」
「了解。ノコ、死骸だけ処理をお願い」
ジジジジジジ!
ノコは飛んでいった。
「これで明日の特訓はうまくいきそうだね」
「そうですね。うまく行くかと思います」
「新しくミッツも仲間になったし、ノコが戻ってきたら帰りますか」
「承知しました」
俺たちはミッツとその部下達を連れて、村に帰った。




