148.ケチャップ試行錯誤
俺はパスタを食べ終わり、ブライズさんとキッチンにいた。
「ケチャップって調味料があるんですけど、作り方がわからないんですよ。一緒に作ってみません?」
「おー作ろう。てかライルくんはパスタもそうだけど、なんでそんなに詳しいんだ?」
「あーエクストラスキルのおかげですよ」
エクストラスキルを言い訳に使うの万能すぎる。
「さっきのミートソースのような調味料なんで、またトマトをお湯に入れて、皮と種と芯を取って、今度はジューサーに入れましょう」
「わかったよ」
ブライズさんがトマトの準備を始めた。
その間に俺はタマネギとニンニクをものすごく細かく刻んだ。
「ジューサーから出てきたものを鍋に入れてください」
鍋にタマネギとニンニクを入れ、煮込む。
「多分なんですけど、水分をだいぶ飛ぶまで煮込むんですよ」
「なるほど。調味料は?」
「塩と砂糖と胡椒かな?」
調味料を入れて、味見をする。
「うーん。近い!もっと水分飛ばしていいかもです」
あくをとりつつ、煮込んでいく。
だいぶ水分が取れ、ドロドロしてきた。
「あ、ぽくなってる!酸味が足りないかな?」
「お酢入れてみる?」
「入れましょう」
お酢を少し入れた。
「うん。こんな感じだと思う。まだ頑張れそうだから、一旦これをベースに今後改良しましょう」
「そうだね。僕からしたらこれもとてもおいしいよ」
「ハンバーグにかけたり、オムレツにかけたりするといいですよ。前にチャールズ兄とブライズさんが作ったトマトソースみたいなものですね」
「あれは皮とかの処理をしてなかったからね。もっと僕もがんばんないと」
「さっきのパスタを茹でて、パスタとピーマンやタマネギをケチャップと炒めるとナポリタンって料理になりますよ。試してみてください」
「やってみるよ!」
俺はレストランを出て、食品工場に行った。
マジック乾燥機を見ると、乾麺のパスタができてた。
「これで販売はできそうだな」
食品工場を見るとイーがパスタを作っててくれた。
チューがこっちをみていたので、
「果物を切って乾燥機に入れてみて。もしかしたらうまくいくかも」
チューは頷いて、マジックボックスに向かった。
「よし、料理チートはこんなもんかな」
俺は学び舎に向かった。
途中でキーがいたので、オリーブと枝豆を渡した。
「このオリーブは採種して育ててほしい。この枝豆は大豆を早めに収穫すると出来るはずだから、これも一杯作ってほしいな」
キーは頷いた。
「ごめんね。いつもありがと」
俺はキーと別れた。
▽ ▽ ▽
学び舎に着くと、庭で実技の授業をしていた。
鬼将軍の剱と授業を希望してる従業員とセフィーナさん達がいるので、だいぶ大所帯だった。
休憩しているチャールズ兄が近くにいたので話しかけた。
「チャールズ兄、授業終わったらレストラン行ってみな。この前の硬い小麦を使って料理作ったからブライズさんにレシピ聞いておきな」
「ほんと?わかった、行ってみるね」
俺はセフィーナさんの様子を見てみた。
手には細剣を持っていた。
「思ったよりも動けるんだな」
セフィーナさんの動きに感心をしていると、
ニーナが近づいてきた。
「セフィーナさん、元々王都の学校で剣術も習ってたみたいだよ」
「そーなのか、ニーナはよく知ってるな」
「セフィーナさんとパーティを組んだ時のために色々お話ししたの。わからないと指示出せないし」
「ニーナはパーティリーダーとして優秀だな。そういえばアメリアをリーダーにして、うちの従業員の希望者とパーティを組ませようと思うんだけど、アメリアにリーダーとしてどんなことを気をつけてるとか教えてあげてくれない?」
「うーん。難しいけど私が分かることを伝えてあげてみるね」
「ありがとう」
俺はニーナと別れて、ハーマンの元へ行った。
「ハーマンお疲れ」
「ライル様、お疲れ様です」
「ハーマンが授業を希望してるのはびっくりしたよ」
「トサカとルビーがモンスターと戦いたいって言い出してるので、時々午後の実技だけですが参加することにしました」
「なるほどね、今度冒険者登録もする?」
「流石にそこまでは。近くの森にトサカとルビーを連れてモンスターを討伐するくらいにしようかと思ってるので」
「わかった。なんかあったら言ってね」
「はい!ありがとうございます」
「従業員で冒険者登録をしたがってる人いる?」
「ゾーイとルーシーとオリバー、それにチェスターが希望者と聞いてます」
「ゾーイとルーシーもなんだ!」
「戦う力を身につけたいみたいです。モンスターを倒したことがないのでレベルは低いみたいですが、やる気はあるそうです」
「なるほど、従業員の冒険者希望者とアメリアを呼んできてもらえる?」
「はい!」
ハーマンは返事をすると走ってみんなを呼びに行った。
従業員の冒険者希望者とアメリアが来た。
「ここにいるみんなは冒険者に登録するってことでいいのかな?」
「「「「「はい!」」」」」
「このメンバーでパーティを組んで、今度森に行こう。少し厳しくなるけど大丈夫?」
「「「「「はい!」」」」」
俺はオリバーを見た、
「俺の特訓を経験したことのあるオリバー、俺の訓練はどうだった?本音で言ってみろ」
「え、ライル様が鬼に見えました」
「ありがとう、オリバーの言うように俺は厳しくやる。ついて来られるか?」
「「「「はい!」」」」
「では明後日、森に行くのでそのつもりで」
「「「「「はい!」」」」」




