146.ライル商会縫製部
ヒューズさんの謝罪を無視して、家に戻ってきた。
「ヒューズさんとクララさんには反省してもらおう」
部屋のライトを見つめる。
「夜に蝋燭使わないで明るいのはいいね」
まだみんなは食事をしてる中、部屋に戻ってきた理由は1つだった。
食べ物チートをもっとしたくなってしまった。
所持ポイント3,366
「よし。飲食店ガチャを回すぞ」
ディスプレイをタップした。
ディスプレイが光り、10枚のカードが映し出された。
またディスプレイに触れるとカードが捲れた。
N 枝豆10kg
SR マジック搾油機×3(高級)
R マジック漬物樽(中級)
N 鍋×5(低級)
N オリーブ10kg
N ざるとボウル×5(低級)
R マジック容器製造機(中級)
SSR 粉末調味料製造タンク×6(超高級)
R マジック食器洗浄乾燥機
N 調理用油 10L
「ガチャ業者様ありがとう。なんか凄そうなものをいっぱい」
○粉末調味料製造タンク
魔力を変換して、粉末調味料を作成する蛇口付きタンク。
※粉末調味料以外のものを作ることはできません。一度設定すると変更できません。
○マジック搾油機
材料を入れると材料に適した処理をして、油を出す。
※一度入れた材料以外では使えなくなる。
○マジック漬物樽
材料を入れると適した漬物が短時間でできる。
○マジック食器洗浄乾燥機
入れた食器にクリーンがかかる。
「いいものばっかり。中級のマジック容器製造機は3つしか登録できないのか。まだこいつの使い道はないな」
満足した俺は布団に入った。
▽ ▽ ▽
朝早く起きて、セフィーナさんのとこに向かった。
セフィーナさん達の朝食を用意するためだ。
「ポーラさん、サラダとスープと卵焼きとパンをここのマジックボックスに入れときますんで。熱いので気をつけてくださいね」
「ありがとうございます、ライル様」
ポーラさんは朝食を盛り始めた。
「セフィーナさん、昨日はどうでした?」
「最高でした。いろんな人とお話し出来ましたし」
「それはよかったです」
「ライル様、今日から学び舎ですよね?」
「そうですね、僕は今日は多分行けないと思いますが、ヒューズさん達がしっかり教えてくれると思います」
「わかりました」
俺は領主代理館を出て、ガルスタンのところへ向かった。
▽ ▽ ▽
「ガルスタン、設備の方はどう?」
「最高です。何本か剣を打ちましたが問題ありません」
「よかった。昨日もなんか村の人から頼まれてたみたいだけど大丈夫そう?」
「問題ありません。お金も半額以下にしてますし、物々交換でも受けてます」
「ありがとう。あと俺から作って欲しいものがあるんだけど、鉄製のジョッキをいっぱい作ってもらえる?レストランで使いたくてさ」
俺は持っているジョッキをガルスタンに渡した。
「問題無いです」
「出来上がったら、レストランの誰かに渡しておいて」
「了解です」
俺は鍛冶屋を出て、レストランに行った。
▽ ▽ ▽
ワー・ヨー・チュー・イーとトラス・ターが掃除していた。
「おつかれみんな」
ゴーレム達が頭を下げた。
俺はキッチンにマジック食器洗浄乾燥機を設置した。
俺はレストランの裏口を出て、食品工場に行く。
マジック搾油機を3台とマジック漬物樽と粉末調味料製造タンクを6つ設置した。
粉末調味料は塩・砂糖・胡椒にした。
搾油機の1つにオリーブを5キロ入れた。
搾油機から稼働音が聞こえてきた。
オリーブオイルが少しずつ出てくる。
いきなり出てきて焦ってた俺に、チューがボトルを渡してくれた。
その中にオリーブオイルを入れていく。
結構油を作るのに時間がかかるみたいだ。
「よし、これであれが作れる筈だ」
ついでにマジック乾燥機で唐辛子を乾燥させた。
▽ ▽ ▽
食品工場を出て、
『秘密基地』のMAPを開き、食品工場の裏の2•3Cを更地にして、3Cに2階建ての建物を建てた。
1階には机とテーブルを配置し、2階にはマジックマネキンを移動してきた。
屋根裏にも入れるようにして完成。
ライル商会縫製部の作業場が完成した。
ゴーレに頼み、母さん・マリーさん・アリソン・シモン・キリー・シモン隊・キリー隊を呼んできてもらった。
みんなが集まった。
「皆さんが作業する、縫製工場が出来ました。中を案内しますのでついてきてください」
俺はみんなを連れて中に入った。
「1階は2部屋あります。
まずは母さん・マリーさん・アリソンが作業する場所。母さんとマリーさんは小物の作成。アリソンは服や小物のデザインをお願いします」
「「わかったわ!」」
「わかりました」
「もう1つの部屋はマジックマネキンを置いてます。この部屋は服を作るためにシモンとキリー達がメインで作業する部屋です」
チチチ!
シャシャシャ!
「続いて2階ですが、2階も2部屋あります。1つは糸と布を作る部屋です。もう1つは染色する部屋です。シモンとキリー達はここを好きに使っていいからね」
チチチ!
シャシャシャシャ!
「アリソンはデザインについて何かあったら、母さんやマリーさんに相談して」
「わかりました」
「母さんは縫製部門の責任者だから、マリーさんやアリソンはもちろん、シモンやキリーたちの体調管理をお願いします」
「まかせて!」
「あと、布と糸の在庫の管理とかもお願いね」
「わかったわ」
「針とか必要な道具はガルスタンにお願いして」
「りょうかーい!」
母さんとマリーさんはちょっとはしゃいでいるようだ。
こういう仕事をしたかったのだろう。
「アリソン。大丈夫そう?」
「はい。やりたかった仕事ができて嬉しいです」
「それはよかった、俺用に何個か服を作って欲しいんだよね。俺が落書きみたいな絵を描くから、それ参考に描き直したりできる?」
「やってみます」
俺は紙にざっくり着たい服を書いた。
Yシャツ
ジャケット
ポロシャツ
プルオーバーパーカー
女性用にワンピースとロングスカートとかも書いてみた。
「え!すごい。こんなの良く思いつきましたね」
「たまたまね、なんか服のどこかに共通した刺繍とかマークがあったらいいね。シモンキリーブランドってわかるように」
「わかりました。考えてみます」
アリソンと話終わると、マリーさんが話しかけてきた。
「ライルくん。小物なんだけど、なんか案ない?」
「うーん。布で花とか作って紐をつけたら、髪を結んだり腕に巻いたりしたら可愛いんじゃない?」
「「「それいい!!」」」
「あとは、こういうような…」
俺は紙にピンとカチューシャを書いた。
「ガルスタンにこういう金属を作って貰えば、髪を止めるものとか出来るよね。これに布で作った飾りが付いてたら女の子に流行りそうじゃない?」
「「「絶対流行る!」」」
「あとは服じゃないんだけど、端材とかを細かくしたものが中に入ってるクッションとか作れば、無駄なくできそう」
「それもいい!」
女性陣は色々話し合い始めた。
「じゃあ俺はこの辺で、あとはよろしく」
俺は居にくくなって、縫製工場を後にした。




