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145.忘れていた罰

いつものように歓迎会は盛り上がってる。

子供達にジュースが大人気だった。


俺も飯を食べていると、ルークがやってきた。

「師匠。このご飯とジュース持って帰っていい?」

「どうして?ここで食べていきなよ」

「ライドンにあげたくて」

ライドンはうちの厩舎にいる。おいしいものを共有したくなるのはいいことだ。

「じゃあ、俺も行こうかな?ちょっと待ってて」

俺はキッチンのジュースサーバーにニンジンとリンゴを入れて、キャロットジュースを作った。

ワーが気を遣ってボトルを持ってきてくれた。

ボトルにキャロットジュースを入れて、ルークの元へ向かった。

「じゃあ行こうか」

「私も行く!」

ニーナも話を聞いていたようで、厩舎についてくることになった。

ラーちゃんもしっかりニーナの頭の上に乗っている。



▽ ▽ ▽



厩舎の遊具でフリードとグーちゃんとライドンが遊んでいた。

傍から見たらモンスターの戦争だ。

「フリード、キャロットジュース持ってきたぞ」

ヒヒーン!

フリードは俺の顔を舐めまくる。

ライドンとグーちゃんもルークとニーナに寄っていく。

フリードにキャロットジュースを飲ませてあげると、すごい喜んだ。


数分の間だが、厩舎にいるみんなと食事やコミニケーションを楽しみ、俺たちはレストランへ戻った。



▽ ▽ ▽



レストランに戻るとヒューズさんに捕まった。

「聞いたぞライル。結構派手にやったみたいだな」

「まあそうですね。負けちゃいましたけど」

「未確認のモンスターなんだからしょうがない、生きてるんだから再挑戦できるさ」

「そうですね。そういえば従業員のみんなはどんな感じですか?」

「みんなそれなりには動けるようになった。もう少ししたらお前の鬼トレーニングもありだと思うぞ」

「わかりました、希望者だけにします」

「明日から授業開始でいいよな?」

「そのつもりです。あ、数日後でいいんですけど座学のテストをしてもらえませんか?」

「なんでだ?」

「あっ!そうか。伝えるの忘れてた。ちょっとついてきてもらえます?リリアンさんとクララさんも」

俺は疾風の斧をつれて、家に向かった。


俺は歩きながらしゃべった。

「俺がカラッカの街で土地を買ったの聞きました?」

「言ったよー!」

「聞いたぞ、それがなんだ?」

「実はクララさんにも言ってないんですけど」

「ん?」


家に着いた。

俺の部屋に案内し、中に入る。

「この扉なんですけど」

「変なところにあるな」

「中入ってもらえます?」

疾風の斧がドアの中に入っていく。


「え!」

クララさんだけが驚いた。

クララさんだけが見覚えがあるところに来たからだ。

「ここはどこなの?」

「ここはカラッカの街の僕の家です」

「「えーーー!」」

「やっぱり!ここで暮らしてたからすぐわかったよー」


「カラッカの街に家を建てたら、秘密の通路作成っていうのを取得したんです。試しに作ってみたらこんな感じになりました」

「「「はぁー」」」

「お前はまた異常なことを」

ヒューズさんは呆れていた。

「ニーナ達にこのことを伝えて、座学のテストで合格したら午前に実技の授業をして、午後はカラッカの街で冒険者活動をしていいって言っちゃったんです」

「なるほどわかった。リリアン!テストは頼んだ」

「まあ私よね」

「厳しめに作ってください」


俺はライトと魔力線を作成して、電気をつけた。

俺たちはリビングで座りながら話した。


「今後ですが、日中は子供達の授業をして、夜は従業員の希望者の稽古にしたいです。疾風の斧がハードすぎるので、授業も稽古も週4回にしようと思ってます」

「その意図は?」

「疾風の斧に休んでいただきたいのと、ニーナ達に冒険者としての実践を踏んで欲しいからです」

「わかった」

「じゃあこれで。更に延長で」

俺は大金貨を10枚渡した。

「いらん、もう俺達は従業員扱いにしろ。専属の護衛とでも思え!」

「え?」

「ご飯も家も用意してもらってんだから!何か欲しくなったらライルくんにおねだりするから、もうお金は払わなくていいわ」

「わかりました。ありがとうございます」

本当に疾風の斧には、お世話になりっぱなしだ。


「この扉の件、マリーナに伝えるのはダメか?」

「なんでですか?」

「この前の大量発生が起きた時、カラッカにすぐ来ることができるのと俺たちもあいつらと一緒に依頼を受けようと思ってな。門を通ってないのに街にいるってバレたら問題になりかねない。だから俺たちとあいつらはここに住んでることにするのがいいかなと」

「なるほど、なんかあったらマリーナさんにこの扉を使って、村に呼びにきて貰えばいいってことですね」

「そうだ」

「わかりました」

「そしたら一度みんなで街の門を通りに行かないとですね。数日以内には出発しましょう」



▽ ▽ ▽



俺たちは村に戻り、レストランに戻った。

歓迎会は少し落ち着いてきた。


俺の元に、ルーシーがやってきた。

「ライル様」

「どうしたのルーシー?」

「私は元々食堂の配膳などしていたので、レストランが稼働し始めたらここで働かせてもらえないでしょうか?」

「あー大丈夫?」

男性恐怖症気味のルーシーだから少し心配だった。


「ライル様が気にかけてくれている件ですが、ヒューズさん達と特訓をすることで少しですが良くなりました。

まだ完治とはいえないですが、私もやれることをやりたいんです。お願いします!」

「わかった、まだレストランが動き出すのは先だけど、今日みたいなことがあったら手伝ってもらおうかな」

「はい!!」

ルーシーはそういうと戻っていった。


次はアメリアがやってきた。

「ライル、ちょっと話いい?」

「いいよ」

「私も、鬼将軍の剱に入りたい」

アメリアにそれを言われて思い出した。

ヒューズさんとクララさんビール禁止するの忘れてた。あいつらになんか罰与えんとな。


「ライル!聞いてる?」

「あっ、ごめん。なんで入りたいの?」

「私も冒険者の経験をしたい」

「うーん。ダメかな」

「え!だめ…」

「鬼将軍の剱には回復と指示を出せるニーナがいる。アメリアが入ってしまうと層は厚くなるけど、アメリアの経験にならない」

「わ、わかった」

アメリアは泣きそうになってる。


「アメリアには、オリバーとチェスターとパーティを組んで、そのパーティのリーダーをしてもらいたい」

「え!」

「元々そのつもりだったんだけど、嫌だった?」

「ううん、嬉しい!」

「オリバーとチェスターとは一緒に訓練してるんだろ?」

「してる」

「2人がどんなことができるか、ちゃんと把握しといてよ」

「わかったわ」

アメリアは自分の席に戻っていった。

なんかトゲトゲした雰囲気がなくなってよかったな。

もうちょっと早めに声かけてあげればよかったな。



やらなくてはならないことを思い出した俺はヒューズさんとクララさんの元へ行った。

「そういえば鬼将軍の剱って名前はヒューズさんの入れ知恵みたいですね。今飲んでるビール、しっかり味わってくださいね。もう飲めなくなるので」

俺はそういうとレストランを出て、家へ向かった。

ヒューズさんの謝罪が聞こえてきたが、無視した。




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