144.領主代行歓迎会
「よし、作るぞ!」
「「おー!」」
俺はみんなに指示を出し始めた。
「ワーはサラダを作って、ヨーはマヨネーズを作ってポテトサラダ。
チャールズ兄はフライドポテトと唐揚げ。唐揚げは下味に醤油使うと美味いよ」
「はい、やってみます」
「ブライズさんは、」
だれかが袖を引っ張っている。
「ん?」
ギューだった。
「ギューどうしたの?牛舎以外で会うのは珍しいね」
ギューは牛乳瓶を渡してきた。
中には固形物が入っていた。
「まさかバター?」
ギューは頷いた。
「作ってくれたの?ありがとー!
ブライズさんはトウモロコシを茹でて粒を取って、このバターと醤油で炒めて。あと大豆とコッコ肉と野菜でミルクスープ作って。味付けは醤油と塩胡椒でいけるはず!」
「はい!」
2人とゴーレム達は調理を始めた。
2人とも料理スキルがあるから、指示すればそれなりにやれる。
「セフィーナさん達の朝食もまとめて作りたいからスープは多めに作っておいて」
「はい!」
「ワーとヨーもサラダを多めに作って」
2人は頷く。
どんどん調理が進んでいく。
「ゴーレ、キリー呼んできてくれない?」
「承知しました」
ゴーレがキリーを呼んできた。
「キリーこの大根をものすごくものすーごく細かくしてくれない?」
シャシャ!
大根は一瞬のうちにものすごく細かくなった。
「ありがとうキリー。おろし器がないからこれで代用」
キリーのおかげで大根おろしてないができた。
▽ ▽ ▽
続々と村の人がレストランにやってくる。
トレスとターがドリンク名が書いてあるマジック黒板を持って、来た人にドリンクを聞いている。優秀だ。
「2人ともあとはどんな感じ?」
「もうできたよ」
「こっちも」
「じゃあ最後は卵焼きを作ろう」
「卵焼き?」
「まあ見ててよ」
俺はフライパンに溶き卵を入れた。
ある程度火が通ったら、巻いていく。
もう1回溶き卵をいれ、火が通ったら巻く。
これを数回繰り返し、まな板に移して切っていく。
「こういう風に作るの。大根と醤油で食うと美味いから、2人も作ろう」
「「はい!」」
俺たちは卵焼きをどんどん作っていく。
▽ ▽ ▽
料理を作り終わり、トレスとターが配膳してくれた。
いつもの通り大皿をみんなで分けるシステムだ。
村長が立ち上がり、挨拶を始める。
「あー今日は領主代行のセフィーナさんとメイドのポーラさんとカレンさん、そしてライル商会で働くドワーフのガルスタンさんとマデリンさんの歓迎会です。ライルから少し話をしてもらおうかの」
村長の雑なパスが来た。
俺は立ち上がった。
「えーガルスタンとマデリンは優秀な鍛治師です。日用品なんかも作れると思いますので、ご要望があれば聞いてみてください。村の人は割引きしますので。セフィーナさんはアイザックさんの妹として、皆さん会ったことがあると思いますが、実はカラッカ領主の娘さんだったのです。非常に平民にも優しい方なので、この機会にお話をしてみてください。
今回の料理ですが、テーブルに置いてある液状の調味料をかけると美味しいです。
どろっとしてるのが中濃ソースでさらさらしてるのが醤油です。
カツは中濃ソースが合うと思います。
この卵料理は卵焼きといい、細かく刻んだ大根と醤油で食べてみてください。
ドリンクに関しましては、ここにいるトレスとターに言っていただけたらご用意します。
では、セフィーナさんに乾杯の音頭をお願いしたいと思います」
「え?!」
セフィーナさんも予想外だったようだ。
「えー、この村のために頑張ります。よろしくお願いします。乾杯」
「「「「かんぱーい」」」」」
歓迎会が始まった。




