137.メイドと魔石
昨晩の食事はすごかった。
ガルスタンとマデリンにビールを飲ませてあげたら、びっくりするぐらい飲んでいた。
村に行ったらビール禁止予定のクララさんと一緒に飲みまくっていた。
「今日はセフィーナさんがメイドを紹介しに来るって言ってたから、とりあえず家でダラダラするか」
俺はフリードとノコ虫軍とライムと日向ぼっこを楽しんでいた。
その様子を見て、ラーちゃんとライドンも混ざってきた。
「こんなにみんな可愛いのにえげつない強さなんだよなー」
みんなを撫でながらつぶやいた。
「マスター、セフィーナさんがいらっしゃいました」
「わかったー。リビングに行くから、案内してもらえる?」
「承知致しました」
少し待つとセフィーナさんとメイド2人がゴーレに連れられてやってきた。
メイドの1人はベテラン感があり、もう1人はセフィーナさんと年齢が変わらない見た目だった。
「ライル様、おはようございます。今日は村について来るメイドのご紹介をしに参りました」
「うん。この2人が村に来る2人かな?はじめまして、ライルと言います。よろしくお願いします」
ベテランメイドが一歩前に出た。
「ライル様、いつも夫がお世話になっております。メイド長をしていました、ポーラと申します」
「夫?」
「夫から聞いておられないのですか?あのバカは本当に。申し訳ありません。ガッツの妻のポーラと申します」
「えーガッツさんの奥さん?」
「はい、今回は夫共々よろしくお願い致します」
「この前言ってたのはこれかー。ポーラさんよろしくお願い致します」
「よろしくお願いします」
ポーラさんの挨拶が終わると、もう1人のメイドが一歩前に出た。
「え、ライル様。メイドのカレンと申します。10歳です。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。カレンさんは1人で村に来るの?」
「私はセフィーナちゃ、セフィーナ様に孤児の時に拾われました。なので家族と呼べる人がいません」
「ごめんね、辛いことを聞いて。でも村に来たら僕たちが家族のようなものになるから、何かあったら頼ってね」
「はい!ありがとうございます」
メイドとの顔合わせを終えるとセフィーナさんが話し始めた。
「ライル様、村についたらお願いしたいことをまとめておきました。こちらご確認ください」
セフィーナさんは紙を俺に渡した。
・貴族の客が来ても問題ない領主代行用の家を1つ。
・ポーラさんとガッツさんの家を1つ
・アイザックさんの家を1つ
・セフィーナさんとカレンさんを学び舎に通わせる。
俺は内容を確認した。
「問題ないよ。ちょっと配置は大変そうだけど。土地も安く売ってくれるんだよね?」
「はい、準備はできております」
「ならいろいろ頑張ってみます」
「ありがとうございます」
「俺らは明日出発するけど、セフィーナさん達はどうする?」
「私たちも一緒に出発しようと思います」
「それじゃあ、午前中に門の前で待ち合わせましょう」
「わかりました。よろしくお願いします」
セフィーナさんは2人と一緒に帰っていった。
▽ ▽ ▽
セフィーナさんが帰宅後、俺は冒険者ギルドに来ていた。
冒険者ギルド内では、いつものように噂話をされていた。
「おい!あれが大量発生を4つ防いだ鬼将軍だ」
「鬼将軍?」
「お前知らないのか!鬼将軍は見た目は子供だが、鬼のような極悪な作戦で相手を倒すって有名だぞ」
「あ!それ聞いたことある。あれが鬼将軍か」
噂話を無視して、俺はマリーナさんを探した。
マリーナさんはいつも通り、受付嬢のふりをしてカウンターにいた。
「マリーナさん、来ましたよ」
「待ってたわ、ライル君。鬼将軍の剱は午前中に来て、報酬を受け取ったらすぐ依頼に行ったわ」
「みんな頑張ってますね」
「渡す魔石だけど量が量だから、奥の部屋まで取りに来てもらえる?」
「わかりました」
俺はマリーナさんと奥の部屋に行った。
部屋の中のテーブルの上には大量の魔石があった。
「これがライル君の報酬、魔石400個よ」
「こんなにもらっていいんですか?」
「いいわよ、ライル君のおかげで大量発生を止められたんだから」
「じゃあ、ありがたくいただきます」
「そういえば明日帰るの?」
「その予定です」
「私も今度、村に行ってもいいかしら?」
「歓迎しますよ」
「絶対行くね。でも明日からの夕飯が寂しいわ」
「ほとんどうちに来てましたもんね。アイザックさんと食べればいいじゃないですか」
「もう、ライルくんまでそういうこと言うの?クララみたいよ」
「ははは!すみません」
「まあ、明日は見送りに行くからね!」
「ありがとうございます」
俺は冒険者ギルドを後にしようとしたら、
「おーい!鬼将軍」
振り返るとガッツさんだった。
「5歳をそんなふうに呼ぶなら、奥さんに言いつけるしかないですね」
「お!ポーラに会ったか。どうだ綺麗だろ?自慢の奥さんだ」
「良い人でしたよ。ガッツさんとの家を作る約束しましたよ。雷虎の拳の家はどうします?」
「あの2人は付き合ってるから、1つでいいぞ」
「え?そうなんですか?まあそんな雰囲気はあったか」
「てかお前暇してんだろ?」
「まあ暇ですけど、なんですか?」
「この前の素手模擬戦やろうぜ!」
「いいですね。参加します」
俺達は訓練場に移動し、数人の冒険者と合流し、
素手模擬戦を始めた。
素手模擬戦は夕方までやり続けた。
▽ ▽ ▽
翌日、俺たちはカラッカの街の門の前に集まっていた。
「みんな準備はできてる?」
「「「「「はい!」」」」」
「セフィーナさん達も大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。カレンが気絶してしまってますが、気にしないでください」
カレンはライドンにびっくりして気絶してしまったようだ。
「そちらの御者はポーラさん?」
「ポーラはなんでもできるんですよ」
「お任せください」
ポーラさんはやる気満々だった。
「じゃあみんな村に帰るよ!」
「「「「「はーい!」」」」」




