136.ガルスタンとマデリン
ガルスタンとマデリンを連れて家に向かった。
「ライル様、その歳で本当に商会をやられているんですか?」
「やってるよ。野菜とか布とか服を作って売ったりしてるよ」
「そうなんですね、、、オラ達頑張ります」
多分想像してる規模が小さいんだろうな。
「2人のエクストラスキルとかって聞いていい?」
「オラは『鍛治神の右腕』と言うスキルです。鍛冶の能力がものすごくあがって、扱える素材がものすごく多いです」
「扱える素材が多いとどうなるの?」
「鉱物や魔物の素材や魔石を混ぜて、武器や防具を作ることができます」
「すごいね。もうすでにできてる武器を強化とかもできたりするの?」
「それは嫁の方が得意です」
「そうなの?」
「私は『付与巧者』というエクストラスキルを持っています。それを使って魔具職人をしていました」
「付与巧者?」
「武器や防具をアップグレードすることができます。モンスターの素材や魔石の特性を武器や防具に付与することができます」
「それはすごいね。村に行ったら、いろいろやってもらうね」
「わかりました、頑張ります!」
家に着くと2人の口が開いていた。
「ライル様、この家は?」
「あー土地を買って、スキルで建てたんだ。街を出るまではここで一緒に生活してもらうから。1人1部屋はあるから安心して」
「え!部屋をいただけるんですか?大部屋とかでなく個人に?」
「そうだよ。それに村に帰ったら2人の家を建てるつもりだよ」
「え!」
2人は言葉を失った。
「まあ楽しみにしてて。ゴーレ、みんなを集めてくれる?2人を紹介したいから」
「承知致しました」
ゴーレは先に家に入った。
「先ほどから気になってたんですが、ゴーレさんはゴーレムですよね?」
「そうだよ」
「あんな精巧なゴーレム見たことがありません」
「そうなんだ、2人ならゴーレの腕治せる?」
「いえ、オラ達には流石に難しいです」
「わかった、それは俺の方で頑張ってみるわ」
俺は2人を連れて家に入った。
▽ ▽ ▽
みんなに2人を紹介し、俺らの武器と防具をマデリンに見せていた。
「失礼ですが、この歳の冒険者が持っているようなものじゃないですよ」
「まあこれも俺のスキル。今後もいっぱいあるから慣れてね」
「は、はい」
「この武器と防具って、強化とかできそう?」
「モンスターの素材とか魔石があればどうにかなりますが、珍しい素材や魔石じゃないとちょっとしか強化できないと思います」
「じゃあみんな、使えそうなモンスターの素材は今後マデリンに預けるように」
「「「「「はい!」」」」」
「武器の手入れとかは、ガルスタンにお願いした方がいいのかな?」
「オラがやります!武器を軽く見ましたが、なかなか使い込んでいるのに手入れがなっていないです。今後は頻繁に見せにきてください」
「「「「「はい」」」」」
その様子を見ていたクララさん。
「疾風の斧もいいかなー?」
「いいですよ。ガルスタンとマデリン、村にはクララさんが所属するA級冒険者パーティの疾風の斧がいるんだけど、疾風の斧の武器と防具も頼むよ」
「A級!すごいですね。是非手入れさせていただきたいです」
「ありがとーー!」
武器について話をしていると、
アイザックさんとセフィーナさんとマリーナさんがゴーレに案内されてリビングにきた。
「皆さん、お暇なんですか?」
「いや、なんかすみません」
「私は明日ライル様にメイドを紹介するので、お時間の確認を」
「私も報酬を取りに来る時間の確認をしにきました」
「じゃあセフィーナさんとマリーナさんは、夕飯は食べないってことでいいですかね?」
「「ごめんなさい、寂しくてきました」」
「最初からそう言ってくださいよ」
「すみません」
俺はセフィーナさんとマリーナさんをいじめるのをやめ、3人にガルスタンとマデリンを紹介した。
「簡単に紹介しますね。今日奴隷商で購入して奴隷解放をして従業員になってもらった、ドワーフのガルスタンとマデリンです。2人が村に来てくれるのでライル商会では武器や防具の販売も始めようと思います」
「え?ガルスタンとマデリンってあの?」
マリーナさんが驚いて聞いてきた。
「ん?」
「ドワーフの若手No.1と言われていた鍛治師と魔具職人のコンビよ。数年前から新作が出なくて引退したと言われていたのに。中堅や若手冒険者に買いやすい値段で良質な武器や防具を売っていたから、ファンは多いのよ」
「えー2人ともそんなすごいの?」
「まあそんなことを言われてはいましたが、オラはライル商会の鍛治師なんで関係ないです」
「私も夫と同意見です」
「すごいわライル君、その武器を冒険者ギルドに売ることはできない?」
「そこはアイザックさんに相談してください」
めんどくさいことはアイザックさんに丸投げ。
「ライル様、このお方達は?」
「簡単な紹介でいい?」
「はい」
「商人ギルドのライル商会担当者とその妹。2人とも領主の子供。あと冒険者ギルドの副ギルドマスター」
「「え?」」
「まあびっくりするよね、慣れて」
「は、はい」
「ごはんできたよー!みんな食べるでしょ?」
チャールズ兄がみんなに声をかける。
「「「食べる!」」」
チャールズ兄の号令で夕飯がスタートした。




