128.大量発生
「難しいと思うよ。俺もまだできないし」
翌日、俺はみんなに魔装を教えていた。
ニーナとシャルは魔力操作がまあまあ出来るみたいでなかなか筋がいい。
ルークとカシムは全然だった。
「魔装に関しては俺も感覚でやってるから、村に帰ったらヒューズさんに教わろう」
「早く出来るようになりたい」
「僕も!」
「私も槍を魔装したい」
「私は接近戦弱いから、少しだけでもできたらいいな」
「それなら、ガッツさんに教わりに行く?」
「「「「「いく!!」」」」」
「昼ごはん食べてからね」
「「「「「はーい!」」」」」
みんなでクリーミーカウのカツを作り、パンに野菜と挟んで食べた。
▽ ▽ ▽
冒険者ギルドに到着した。
ガッツさんを探していると、ギルド内が慌ただしい。
「どうしたんだろ?」
バタバタしてる職員の中にマリーナさんを見つけた。
「マリーナさん、どうしたんですか?」
「あ、ライルくん。ごめんね。ちょっと忙しいの」
「どうしたんですか?」
「さっきFランク冒険者パーティが、大量のゴブリンが街に向かってるのを見たって報告が来て。そのあと大量のコボルトも別の場所から街に向かってるって報告が来たの」
「それは大変じゃないですか」
「そうなのよ!ガッツさんを含めた高ランク冒険者パーティは午前中に依頼を受けてて今街にいないのよ」
「どこらへんで目撃されたんですか?」
マリーナは地図を取り出し、場所を教えてくれた。
「こことここよ」
「あれ?これって」
俺はバッグから盗賊のアジトにあった地図を取り出した。
「このチェックマークがあるところと同じじゃないですか?」
「これは?」
「盗賊のアジトで見つけたやつです。この地図にはチェックマークが4つありますよ。もしかして魔力を注がれた卵の置き場所?」
「ということは、魔力を注がれたモンスターの卵がここに置かれた可能性があるってこと?」
「可能性はあります。アジトには卵はなかったので、すでに置き終わった可能性が高いです」
「まずいわね」
マリーナさんは考え始めた。
「ゴブリンとコボルトは、今いる冒険者達でギリギリどうにかなる。もし残りの2つも本当に大量発生が起きていたら。カラッカの街では対応できない」
マリーナさんは頭を抱えた。
「マリーナさん、コボルトと不明の2箇所を俺と鬼将軍の剱で対応しましょうか?」
「え?」
「俺達のレベル上げって大量発生したモンスターを倒してやってるので、慣れている分それなりに対応できると思いますよ」
「ほんとに?」
「コボルトに関してはライムに頼むつもりなんで、全部溶かしちゃうと思いますけどいいですか?」
「構わないわ!」
「そしたら、ゴブリンだけ対応お願いします」
俺はみんなの元に戻った。
「カラッカの街の近くの4箇所で大量発生が起きてる可能性があって、そのうち3箇所を俺らで対応することになった。すでに大量発生が確認されてるところは、ゴブリンとコボルト、後の2箇所は何がいるかわからない。
カラッカの冒険者がゴブリンの対応をするから、
俺とゴーレとフリードで不明の1箇所、鬼将軍の剱とシモンとキリーで不明の1箇所、
ノコとライムがコボルトの大量発生を対応していく」
「「「「はい!」」」」
「クララさんはカラッカの冒険者達のフォローに行ってください」
「わかったよー!」
「みんな、大量発生したモンスターは街に向かってるらしい。絶対街に来させるな。そして絶対に無理するなよ!」
「「「「「はい!」」」」」
「各自準備して、10分後に街の門の前に集合!」
「「「「「はい!」」」」」
みんなは装備を整えに家に戻っていった。




