121.街での拠点
アイザックさんが部屋に戻ってきて、持ってきた書類にサインをした。
ライルとして購入するよりライル商会として購入した方がいいと言われたので言う通りにした。
「これで土地はライル商会のものになりました。では行きましょうか」
「え?どこに?」
「購入した土地ですよ」
アイザックさんがゴーレと御者台に乗り、購入した土地に向かった。
着いたところは、周りにあまり建物がなかった。
「アイザックさん、なんでここら辺はスカスカなんですか?」
「カラッカの街は数年前から城壁を広げて街を広げる計画が進んでいて、ここは広げたことによってできた土地です。新しく広げた土地は買う人がまだ決まっていない状況なんです。
商人ギルドは数カ所既に購入していて、その1つをライルさんに売らせていただきました」
「いいんですか?商人ギルドがお店とか作ったら儲かったりしたんじゃないですか?」
「まあ儲かったのかもしれませんが、僕が担当している土地なんでライルさんに売るのが一番儲かると思ったので。先行投資だと思ってください」
「そうなんですね。じゃあ色々頑張らないとな」
「せっかくなんでスキルを使うところ見せてください」
「わかりました」
土地のサイズは2マス分。城壁に面している場所で、目の前の道は馬車がすれ違うことができる広さ。
「秘密基地!」
秘密基地に登録する範囲を選んでください。
範囲を選択し、「小屋作成!」
1階には広いキッチンとダイニングとリビングを作り。風呂とトイレをを2つずつ作った。
リビングにはソファーとローテーブル、
ダイニングにはハイテーブルと椅子を10脚、
キッチンにはマジックボックスを設置。
2階には5つ部屋を作り、3階にも同じように5部屋作った。部屋にはベッドを置いた。
家の隣に厩舎(4頭用)と馬車置き場を作り、秘密基地の範囲を柵作成で囲った。
柵で囲い終わると、柵作成がレベルアップしていた。
○柵作成LV4
任意の場所に頑丈な柵・門扉・門扉(大)を作成する(木の柵・石塀)
作った柵を削除して、石塀にして門扉(大)を設置。
空いてるスペースに芝生を作成して完成。
「わー、すごい!」
アイザックさんは驚いていた。
「こんかんじですかね。カラッカの街での拠点の出来上がり。みんな!2階と3階はみんなの部屋になってるから、荷物とか置いてきな」
「「「「はーい!」」」」
「クララさんの部屋もあるんで、荷物置いてきちゃってください」
「ほんと?ありがとーー!」
子供達とクララさんは家へ入っていった。
「フリード達は厩舎で寝てね。この塀の中なら好きなところで遊んで良いから」
ヒヒーーン!
ジジジジジジ!
チチチチ!
シャシャシャシャ!
キュー!
ポニョポニョ!
「アイザックさんも休まれます?」
「僕はまだ仕事が残っているので、商人ギルドに戻ります」
「そうですか。大変ですね」
「大変なのはライル商会のおかげですよ。ライル商会の商品が人気すぎて、他領からも問い合わせが来てるんですよ」
「それはよかったです」
「そういえば、何日くらい滞在予定ですか?」
「うーん。5泊はしたいと思ってるんですけどね」
「それなら、その間に何回か遊びに来ますね」
「是非是非!」
アイザックさんはそう言うと、商人ギルドに帰っていた。
俺は家に入り、リビングでクララさんと喋っていると、子供達が完全装備でリビングに降りてきた。
「みんなやる気なのはわかるけど、今日は出かけないからね。明日冒険者ギルドに行くから今日は休む」
「「「「「えー」」」」」
「ご飯がいらないならその装備のまま居なさい。ごはんが食べたい人は部屋に戻って着替えてきなさい」
子供達はダッシュで部屋に戻っていった。
「じゃあ、夕飯を作りますか」
俺はキッチンへ向かった。




