118.サンドバッグ
学び舎に到着し、みんなを集めた。
「2日後にルークとシャルの魔力適性検査のために街へ行きます。
メンバーは
俺・ニーナ・カシム・チャールズ兄・ルーク・シャル。引率はクララさんだ。
みんな街に行く準備をして、親御さんにちゃんと連絡を入れるように」
「「「「「はい!」」」」」
「クララさんもよろしくお願いします!」
「まかせてーー!」
俺が話し終わると、みんなは算術の授業を受けに教室に入っていった。
「あとヒューズさん、相談というかご報告が」
「またか、どうした?」
「もう数日前の話なんですけど」
「はぁ?なんで今更」
「言っとかないとなーって、謎の卵が孵化したんですけど」
「気づいてたよ。スライムだろ?時々見かけたぞ」
「スライムはスライムなんですけど、エンペラースライムなんですよね」
「え、え、え、エンペラースライム?」
「はい」
「お伽話で国を丸呑みにしたって子供の時に聞かされたぞ」
「鑑定の結果を考えると本当の話っぽいです。ちなみにうちの子の中でも一番強いです」
「はぁーまたかよ!それでそのエンペラースライムがなんなんだ?」
「いや、これはただの報告です。ライムって名前なんで覚えておいてくださいね」
「わかったよ」
「あとゴーレとフリードとノコ達が帰ってきたんですけど、倒してきたモンスターの量がものすごいです。討伐証明の部位らしきものも大量に持って帰ってきたんです」
「おーそれはいいじゃないか。お前とアイツらのランクが上がりやすくなるぞ」
「よかったー。もう大量すぎてビビってたんですよ。ゴブリンの耳361個・コボルトの犬歯423セット・オーガの角572本・オークの耳488個と上位種の部位が数個だとどれくらいランク上がります?」
「はぁー?多すぎる!!!」
「え、さっきはいいって言ってくれたのに!」
「ゴブリンとコボルトは知っていたが、オーガにオーク?こんなにあったらアイツらはEランクに上がり、お前はDランクに上がるぞ」
「いいことじゃないんですか?」
「いいことだが、クララを通じてマリーナに話を通しておかないと面倒なことになるところだ」
「やっぱり相談しといて良かったです」
「本当お前ってやつは。クララには俺から伝えておく」
「よろしくお願いします」
「てか、その量はやっぱり大量発生か?」
「たぶんそうですね。ちゃんと上位種の素材もありましたから」
「はぁー。まじか」
ヒューズさんは頭を抱えながら、クララさんのところに行った。
▽ ▽ ▽
俺は庭に行き、
マジックサンドバッグのカードをバッグから取り出して、カードに魔力を注ぐ。
ポンッ
マジックマネキンのようなものが出てきた。
背中には数字を入力するキーボードのようなものと、武器の絵が描かれてるボタンがあった。
「これでレベルと武器を選択できるのか」
俺はレベル1の拳のボタンを押した。
ピューーーンピー
マジックサンドバッグが動き出した。
「エアショット!」
エアショットがマジックサンドバッグ当たると、
サンドバッグは吹き飛び、動かなくなった。
「レベル1じゃダメだったか。ちょっと上げよう」
俺はレベル30の拳にした。
ピューーーンピー
サンドバッグが動き出した。
「うわ!さっきより早いぞ。エアショット!」
エアショットがサンドバッグにあたり動かなくなった。
「エアショットは禁止だな。レベル30でこのくらいなら、レベル50の拳となら棒術と魔装の良い特訓になりそうだぞ」
俺はレベル50を使って訓練を始めた。
魔装が常に出来るように意識しながら何戦も繰り返した。
▽ ▽ ▽
50戦ほどやって休憩してるとゴーレが来た。
「マスター、お疲れ様です」
「お疲れ、ちょっと疲れちゃったよ」
「私にもやらせてもらってもよろしいでしょうか?」
「いいよ。後ろのボタンでレベルと武器を選べるから」
「ありがとうございます」
ゴーレはサンドバッグの背中をいじった。
ピューーーンピー
大剣を持ったサンドバッグが動き始めた。
ゴーレは土帝の大剣をバッグから出して戦い始めた。
「ちょっと見ない間にすごく強くなってるな」
サンドバッグとゴーレはなかなか良い戦いをしていた。
ゴーレが蹴りでサンドバッグの大剣を弾き、身体に大剣を突き刺した。
「おつかれ。どうだった?」
「なかなか強かったです」
「レベルは何にしたの?」
「45でやりました」
「武器持つとだいぶ強さ変わるなー」
俺とゴーレは交互にサンドバッグを使って訓練を夜になるまで続けた。




