114.暴飲暴食と修行
授業に口を出しながら見学していると、
「マスター。鶏舎に急いでください。卵が孵化するとケーから連絡が来ました」
「お!まじ?確かスライムの卵だったよな。急ごう」
俺とゴーレはフリードに乗り鶏舎へ向かった。
鶏舎に入ると、トサカが羽で手招きをしてきた。
「トサカ、卵は?」
ピキピキピキ
卵はヒビが入っていた。
「ヒビが入ってる!そろそろか」
グチュグチュグチュ
ヒビの隙間から水が出てきた。
「うわ、なんか溢れてるぞ」
ヒビから流れ出る水は止まらない。
「あれ?これ本体じゃね?」
ヒビから流れ出てる水はスライムのようだった。
「鑑定!」
○エンペラースライム
スライム型の最上位種のひとつ。
見た目は普通のスライムより小さいが、サイズを変えることができ、
大昔に国を一つ飲み込んだと言われている。
「やばい!ラーちゃんよりやばいって。ちょっとゴーレ、モンスタースナック持ってきて。ラス1あったはず」
「承知しました」
ゴーレは外で待っているフリードの元へ走った。
「やばいって。俺の家が飲み込まれちゃうよ」
ヒビから流れ出てるものは地面でスライムの形状になっているが、流れてる量とスライムのサイズがあっていなかった。
「マスターお待ちしました」
「ありがとう。これで、テイムできたらいいが」
ヒビから流れ出ていたのが止まった。
地面にはスライムより二回りほど小さいスライムがいた。
ポニョポニョポニョ!
エンペラースライムは飛び跳ねている。
「これ、食べるか?」
エンペラースライムにモンスタースナックを差し出すと、手ごと飲み込まれた。
「うわ!って、冷たくて気持ちいい」
飲み込まれた手は溶けず、モンスタースナックだけ溶けていく。
「これすごいな。なんで手は溶けないんだろ。エンペラースライム、よかったら仲間になって欲しいんだけどどうかな?名前もライムとかどうかな?」
ポニョポニョポニョ!
エンペラースライムは飛び跳ねていた。
「これどっちだ?ステータスに載ってたら成功か。ステータス!」
【名前】 ライル
【年齢】 5
【職業】 農家・冒険者・ライル商会商会長
【レベル】 30
【生命力】 555
【魔力】907
【筋力】 91
【防御力】 67
【俊敏力】 25
【魔法】
無魔法
【スキル】
○エクストラスキル
ガチャ
○パッシブスキル
スロット1:スキルホルダー
スロット2:隠蔽
スロット3:騎乗
スロット4:料理
○通常スキル
スロット1:風魔法LV5
→エアショットLV4
→ウィンドアローLV3
→エアアームLV3
→癒しの風LV3
→ウィンドカッターLV3
スロット2:秘密基地 LV6
→畑作成LV2
→柵作成LV3
→小屋作成LV7
→厩舎作成LV2
→道作成LV1
→芝生作成
→建築物移動
→設置アイテム移動
→植物成長促進
→地面硬化
スロット3:鑑定
スロット4:掃除
○スキルホルダー
クリーン
暗視
【テイムモンスター】
フリード LV33 (ブラックスターホース)
ノコ LV30 (アイアンスタッグビートル)
ライム LV40 (エンペラースライム)
【所持ゴーレム】
ゴーレ LV21 (ファーマーゴーレムエリート)
アカ LV5 (ファーマーゴーレム)
アオ LV5 (ファーマーゴーレム)
キー LV5 (ファーマーゴーレム)
ドリー LV5 (ファーマーゴーレム)
ギュー LV1 (デアリーゴーレム)
ケー LV1 (デアリーゴーレム)
「よし、テイムできてる。よろしくライム!」
ポニョポニョ!
「ちょっとステータス見るからね」
【名前】 ライム
【種族】 エンペラースライム
【レベル】 40
【生命力】 5280
【魔力】2020
【筋力】 1850
【防御力】 100
【俊敏力】 358
【スキル】
○通常スキル
物理攻撃無効
暴飲暴食
硬度変化
サイズ変化
形状変化
水魔法LV4
→アクアボム LV4
→アシッドショット LV4
→ウォータートルネードLV3
→アシッドボディLV3
○物理攻撃無効
全ての物理攻撃が効かない。
○暴飲暴食
どんなものでも体に入れて消化できる。
○硬度変化
体の硬度を変化できる。
○サイズ変化
体のサイズを小さくも大きくもできる。
○形状変更
形を変化して、維持が可能。
○水魔法LV4
→アクアボム LV4
水の球を飛ばし、ぶつかると爆発する。
→アシッドショット LV4
高濃度の酸を飛ばす。
→ウォータートルネードLV3
高水圧のトルネードを起こす。
→アシッドボディLV3
体の一部を高濃度の酸にする。
「化け物だぞこれ。強すぎる!てか魔力を注がれた卵って当たりはずれあるってこと?ここまで強いやつ生まれてたらこの国やばいぞ?」
「マスター予想ですが、この『秘密基地』の影響もあるかと思います。この『秘密基地』には成長促進の魔力が漂っている可能性があり、学び舎での稽古や卵の孵化などに影響している可能性もあります」
「うわ!ちょっと納得いった。でもゴーレが言っている通りなら、1番強い魔物でもトサカとかルビーレベルってことか。それでも討伐は大変だな」
最悪の事態が起きる可能性が少しでも減ったので、ちょっと安心した。
ライムを肩に乗せ、フリードに乗って家に向かった。
厩舎にフリードを入れようとしたら、
なかなかフリードが入らない。
「どうしたのフリード」
ヒヒーン!
「マスター、多分ですがフリードは私と同じ気持ちのようです」
「同じ気持ち?」
「もっと強くならなければということです」
ヒヒーン!
「私とフリードに少しお暇をいただけないでしょうか?」
「いいけど、どうするの?」
「森に入りたいと思っております」
「なるほど。わかった。でも、無理しないで。あと5~7日で街に行こうと思うからそれまでには必ず帰ってきて」
「ありがとうございます。承知いたしました」
ヒヒーーーン!!!
「馬車は大倉庫の前に置いて行って欲しい」
「承知致しました」
フリードとゴーレは大倉庫にマジック馬車を置き、
ゴーレはフリードに乗り、森に向かって走って行った。




