112.コボルト報告と新弟子
パーティも盛り上がってきた。ビールの力はすごい。
ほろ酔い気味のヒューズさんが俺のところに来た。
「ライル!今日はどうだったんだ?」
「コボルトの大量発生でした」
「それは昨日弟子達から聞いたよ。弟子達の戦闘はどうだったんだ?」
「うーん。よく戦った!って感じですかね?
コボルト423匹・コボルトメイジ4匹・エリートコボルト2匹・コボルトナイト1匹を自分達だけで討伐しましたからね」
「は?頼むライル、酔いが覚めることを言わないでくれ」
「何がですか?」
「コボルトの数もそうだが、上位種もあいつらだけで倒したのか?」
「そうですね。指示は少しだけ出しましたけど」
「いや、俺らの弟子はすごく強くなるぞ。パーティとしての実力はDランクかEランクくらいの強さはあるな」
「あ!そういえば魔力適性検査のために、また街に行きたいんですが」
「おう、護衛か?いつでもいいぞ」
「できればクララさんだけにきて欲しいと思うんですけど、どうですか?」
「意図を聞きたい」
「街に行っている間に、ウチの従業員全員の戦闘訓練をしてほしいんです」
「ほぉー」
「オリバーとチェスターはしっかり戦えるように、ジョシュとベラとララはいつものように、その他は護身ができるレベルにはして欲しいです」
「なるほど、それでなんでクララなんだ?」
「授業内容が近接と魔法って考えたら、村に残すのはヒューズさんとリリアンさんになるかなーと」
「わかった。その計画でいこう!」
「宿とかはアイザック様が取ってくれるみたいなんで」
「アイザック様?やっと知ったのか?」
「知ってたんですか?教えてくださいよ」
「いや自分で伝えるから言わないでくれって言われてて」
「とりあえず今日だけは罰としてアイザック様と呼ぶことにしてます」
「なるほどな。性格が悪いな鬼将軍!」
「やめてください!その呼び方!」
ヒューズさんはにやにやしながら俺をいじってくる。
「そういや、お前らちゃんとパーティ登録しとけよ」
「なんですそれ?」
「冒険者登録をして、ソロで少しやったら大体みんなパーティを組むんだ。パーティで依頼を受けるためにな。
チャールズとルークとシャルも冒険者登録するなら、パーティ登録もしといた方が色々楽だぞ」
「わかりました。俺含めて6人か」
「お前はパーティに入るのやめておけ。あいつらが経験を積むためには、お前はソロであいつらはパーティにするのが1番いい」
「わかりました。忘れちゃいそうなんでクララさんにも言っておいてください」
「わかった」
「今日は雷虎の拳と飲みたいでしょ?ビールのボトルを家に持っていっていいですよ」
「本当か?」
「雷虎の拳は昼には出発するらしいから、飲み過ぎないでくださいよ。学び舎も午後からでいいんで」
「ありがとう!ライルー!」
「学び舎のマジックボックスにフライドポテト入れといたんで、つまみ食べてください」
「おーお前はほんとに」
「弟子達には午後からって自分で伝えておいてくださいね」
「おう!任せろ!」
ヒューズさんはすぐさま弟子達のところへ行った。
次は誰が来るかと思ったら、アメリアがやってきた。
「ラ、ライル!」
「どうしたのアメリア?」
「あの、この前言ってたことなんだけど」
「言ってたこと?」
「この前ライルが言ってくれたじゃない。学び舎に参加する?って!」
「あー言ったね。アメリアも一緒に勉強する?」
「え、えーと。い、いままであんな態度を取ってごめんね。色々自分なりに頑張ったけどうまくいかなくて、でも学び舎に通ってる子がどんどんエクストラスキルを取得してるから変に焦っちゃって。できればでいいんだけど、私もライルの弟子にして欲しいんだけど」
前世の俺と違って、素直に謝ることも教えを乞うこともできる。
多分頑張って言ってるんだろうな。
前世の俺にはできなかったことだ。
こんなアメリアの頑張りを無下にはできない。
「全然いいよ。明日から学び舎に来なよ!時間はルークから聞いて。アメリアが頑張れる子っていうのは聞いてるから、これからは一緒に頑張ろ」
「うん!ありがと!」
アメリアはすごくうれしそうに自分のテーブルに戻っていった。
俺は盛り上がる広場を見ながら、頑張ったアメリアのために明日からの計画を立てた。




