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102.視察②

牛舎と鶏舎に到着した。

中に入るとハーマンとアリソンが作業していた。


「「ライル様、お疲れ様です!」」

「おつかれ。2人に紹介するね、商人ギルドのライル商会を担当してくれてるアイザックさんと妹のセフィーナさん」

「アイザックと申します。よろしくお願いします」

「妹のセフィーナです」

アイザックさんとセフィーナさんはお辞儀をした。


「そしてこちらが、ライル商会の酪農部門の責任者のハーマンとその奥さんのアリソンです」

「ハーマンと申します。よろしくお願いします」

「アリソンです。よろしくお願い致します」

2人は緊張しながらもしっかりお辞儀をした。


「2人は今何してたの?」

「今は牛乳を販売用のタンクに入れておりました」

「ごめんね、作業止めちゃって」

「問題ありません。みなさんせっかくなので牛乳飲まれますか?」

「是非。お二人に渡してあげて」

ハーマンはマジックボックスから、牛乳瓶を取り出してアイザックさんとセフィーナさんに渡す。


アイザックさんは容器をよく見て、コルクを外し牛乳を飲んだ。

「え!甘くて美味しい。お兄様、こんな牛乳飲んだことありませんよ」

「本当に美味しい。ライルさん、何という種類の牛ですか?」

「えーっと、クリーミーカウとボスクリーミーカウ とキングクリーミーカウですね」

「「え?」」

信じられないというようなリアクションをした2人を実際にルビーに会わせた。

「ルビー、どう?元気にしてた?」

ブモォーーー!!!


重低音の鳴き声に2人はびっくりしている。

「ほ、ほんとにいるんですね。初めて見ました」

「私もです」

「ハーマンがテイムできてラッキーでしたよ」

「いえいえ、ライル様のアドバイスとお力添えがなかったらできませんでした」


アイザックさんとセフィーナさんは俺の事をじーっと見ていた。

「ライルさん、あなたは一体何者なんですか?」

「ただの5歳の商会長ですよ」

「どこがただの5歳ですか!」

「ははは!牛乳は先ほど飲んでいただいた瓶タイプと10Lのタンクを販売用に作っています。今どれくらい在庫ある?」

「瓶は200でタンクは100はあります」

「全部購入します」

「ありがとうございます」

アイザックさんは即決した。



「あとは卵ですね」

「予想はついてしまうのですが、卵は何の卵ですか?」

「ウォーターコッコとボスウォーターコッコとウォーターコッコキングです」

「もう驚きませんよ!」

「私もです!」

2人とも驚かないと言っているが、どう見ても驚いていた。

「一応8個入りのパックで販売したいと思ってます」

8個入りパックをみせる。

「この容器もそうですが、先ほどの牛乳の容器もすごいですね」

パックを手に取りマジマジと見るアイザックさん。


「魔力で作っているので、使い終わると消えてなくなりますのでゴミになりません」

タイミングよく先ほど飲んでた牛乳の瓶が消えた。

「えー!ほんとだ。すごい」

「こんな技術があるなんて」

セフィーナさんは楽しんでいたが、アイザックさんは心底驚いていた。


「ハーマン、卵はどれくらいあるの?」

「売れるのは40パックくらいしかないですね」

「全部買います」

食い気味でアイザックさんが言った。

「ありがとうございます」

アイザックさんはまたも即決してくれた。


「今後の展開としては、牛乳の加工品や卵の加工品を考えています」

「素晴らしいです。出来上がったらまた見せてください」

「これからウォーターコッコキングと会いますけど、一緒に行きます?」

「ぜひお願いします」


トサカのもとへやってきた。

「トサカ、卵どんな感じ?」

コォーコォーコォー

「まだかー引き続き頼むよ」

コォーーーーケ


「アイザックさん、セフィーナさん。どうです?」

2人はクラクラしていた。

「絶対居るとわかってたんですが、流石にキャパオーバーになってしまいました」

「わたしもです」

「外に出て、休みましょう」

「「はい」」


2人が元に戻るまで休むことになった。



▽ ▽ ▽



「お兄様、見てください。すごい肌触りがいいんですよ」

「知ってるよ。ライルさんがこの前売りに来てくれた」

「私なんか昨日オーダーメイドで服を作ってもらいましたわ」

「え?ずるいぞ!」


俺達は家の3階にいる。

シモンとキリーが服を作っている部屋だ。

アイザックさんとセフィーナさんが落ち着いたので移動してきた。


チチチチチチ!

「どうしたシモン?え?これは何?」


シモンが持っているのは赤と青とピンクの布だった。

「え?色がついてる。これどういうこと?」

「マスター、先日シモンとシモン隊が花畑の花を摘んで染色をしていました」

チチ!

「シモンすげぇな。えらいぞー」

そう言いながら頭を撫でてあげた。


「アイザックさん、そういうことなので少しですが色のバリエーションが作れます」

「本当ですか。ぜひ購入させてください」

「ありがとうございます」

またもや即決してくれた。


「あと服についてですが、アリソンがデザインを考えられるスキルを持っているのでバリエーションは増えると思います。サイズは前回と同じでいいですか?」

「問題ありません。オーダーメイドの発注とか可能ですか?」

「うーん。この村に来てくれる方ならいいですが、値段の交渉とかされたくないので商人ギルドの方でお金とかもまとめてもらいたいです」

「了解しました」

「あと貴族は嫌です。僕の仲間を欲しいとか言われると困るので」

前世の知識では大体の貴族は無理矢理従わせるタイプ。

これは異世界あるあるだ。


「ライル様は貴族がお嫌いですか?」

すごく悲しそうな顔で言うアイザックさん。

「嫌いではないです、関わったことがないので。ですがあんまりいいイメージはないですね。特に誰がとかはないですが、権力を振り回す人種が嫌いですね」


アイザックさんの顔は少し明るくなり、

「なるほど、わかりました。そういう方が関わらないようにするのも私達の仕事ですので、任せてください」

「ありがとうございます。とりあえずお二人の今着てる服のシモン布バージョン作りますか。シモン、キリー。お願い」

チチチチ!

シャシャシャシャ!

「え、いいんですか?」

「やったー!」


シモンとキリーはものの数分で服を作り上げた。

それを受け取り、アイザックさんとセフィーナさんに渡す。

「是非使ってください」

「こんな上質なものを。ありがとうございます」

「ライル様、ありがとうございます!」


「じゃあ、学び舎に戻りましょう」

「「はい」」



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