101.視察①
朝起きて家を出ると、アイザックさんとセフィーナさんがいた。
後ろにはゴーレとルーシーもいた。
「ライルさん。昨日は申し訳ありませんでした!!」
「お兄様が申し訳ありません」
アイザックさんとセフィーナさんが深く頭を下げている。
「気にしないでください。視察という名の休暇でお呼びしてるんですから」
「そう言ってもらえると助かります。ほんとすみません」
「今日はライル商会の視察しますか?」
「はい!よろしくお願いします」
「じゃあ色々見せますので、移動しましょう」
▽ ▽ ▽
学び舎についた。
中では疾風の斧がしっかり授業をしていた。
雷虎の拳も何故か授業を見学している。
「ここでは、午前中に算術と冒険者の知識の勉強をして、午後には戦闘や魔法やスキルのトレーニングをしています。
アイザックさんもご存知の通り、疾風の斧のみなさんが講師として授業をしてます。授業の内容や割り振りは僕が考えてます」
「ほぉーすごいですね!カラッカにも私塾のようなものがありますが、通っている子供は少ないです。貴族は王都の学校に行くことはありますが、子供全員となるとすごいですね」
「ここでの勉強で紙を使いたくて、アイザックさんにお願いしたんです」
「そうなんですね。あとでゴーレさんにお預けしますね」
「ありがとうございます。ぐるっと回って、あとで午後の授業も見に戻りましょう」
「午後の授業も気になりますね」
「次は畑について話しながら、鶏舎と牛舎に向かいましょう!」
「はい」
畑を見ながら歩いていると父さんがいたので捕まえた。
「農業部門の責任者で、僕の父のカインです。商業ギルドでお会いしたと思いますが」
「改めてアイザックです。よろしくお願いします」
アイザックさんがお辞儀をした。
「妹のセフィーナです」
セフィーナさんもお辞儀をした。
「ライルの父のカインです。商会のことは息子に任せっきりなのですが、畑に関しては全力でやっていますので、なんでも聞いてください」
さすが長年畑をやっている父さんは頼りになった。
「父さん、今育ててる野菜ってなんだっけ?」
「いま野菜はジャガイモ・ニンジン・トウモロコシ・レタス・ナス・大豆・小麦・キャベツ・ネギ・ニンニク・トマト・タマネギ・カボチャ・ピーマン・大根・アボカド。果物がリンゴ・白ブドウ・赤ブドウ・レモン・ミカンを作っています。その他にはヒール草と芝生を作っています」
アイザックさんは驚いていた。
「ヒール草ですか?それに芝生も?」
「父さん、ヒール草はどれくらい売ることできる?」
「うーん。木箱2つ分はいけると思うぞ」
「ライルさん、是非そちらを購入させてください」
「今から紹介するものは全部お売りできるので、あとでまとめて話し合いましょう」
「わかりました」
「そうだ、父さん野菜はいまどれくらい在庫あるの?」
「野菜は1番多いやつで木箱3~4個分で少ないやつで木箱1個分だな」
「そんなにあるんですか!」
またアイザックさんは驚いていた。
「野菜と果物も納品できますので、考えておいてください」
「はい。ありがとうございます」
「ありがとう父さん、僕らは牛舎と鶏舎行ってくるね」
「カインさん、ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます。では失礼します」
父さんは畑に戻っていった。
俺らは再び歩き始めた。
「畑は父と母とゴーレムが4体とミニゴーレムが10体、それと時々従業員で手が空いてるものが手伝ってくれています」
俺は歩きながら畑の説明をした。
「ゴーレさんもすごいですけど、畑を手伝っているゴーレムさん達もすごいですねお兄様!」
「そうだな。でもほんとにすごいよライルさんは。担当になれてよかったよ」
セフィーナはウキウキしている。
アイザックさんにそんなことを言われてしまうと、頑張ってしまうな。
芝生の畑についた。
「これが先ほど父が言っていた芝生です」
「ライルさん、これはどうするつもりですか?」
「これはだいたい25cm×25cmサイズに土ごと根っこを切り取って、タイルのようにして販売しようと思います。使い道は、貴族やお金持ちの家とかで芝生が枯れてしまったりした時に、種を蒔いてもすぐに芝生が生え揃わないので、この芝生を使うとそのまま土に乗せるだけで綺麗な芝生になるのです」
「これはすごいですよ!絶対売れますし、これを設置する商売もできますよ」
アイザックさんは感動したように褒めてくれる。
「流石に僕の方ではそこまで手が回らないので、商人ギルドのほうでやっていただけるとありがたいです」
「わかりました。ライルさんにお金が入るようなシステムを考えます」
「ありがとうございます。あそこが目的地の牛舎と鶏舎です」
俺は奥に見える牛舎と鶏舎を指差した。




