陽炎燃えた夏の日の夜に・第-㊈ 2.法螺をうっかり嵌めちゃってる男
……とはいいながら。しかしながら。でもねい……
【『ん何か変な』俺である、狐疑なき余地!! 無し!】
《只……それにしても、なあ。さっきも、そのさっきもいってたけど、要は話してる内容も分かりにくい自分の『なり』を、結構危なっかしくヒヤヒヤしながらの「自分無理じい」で喋って、てか、結局の所聞く耳もってないコイツらに無意味にくっちゃべってただけの話じゃん!! でもあったし。んもう、んなんか、最強のバカだよ。俺……》
まあ、ともあれ!
【闇】が滲む謎の敵。敵手の体躯は頭部以外全身黒一色のタイツで覆われ
まぁ、どんな形相なのかは、この章の最後の、お・た・の・し・み、で~〜♡☠♡。……
〔また作者すらも変に思われたか、泣かないもん‼〕
彼の右手は『爪』以外に関していえば、至って普通の右腕だ。しかし左手はなぜか腕の下側、手首の上まで垢焦げた法螺貝(以下法螺)で埋まってしまっている。その重い法螺をうっかり嵌めてしまい、馴染んでいる様子で。
大切な人から譲り受け日頃から大事に扱っていた綻びのある銅の剣。それを塞がった左手の法螺の先っちょの穴にガッチリとはめ込んでいる。
正夢のなか、そして実際も。喋りながら相手をしていた敵が放つ波動音。
動き回る童の真下、直径10cmほどの間に敵手の『口』だけが! それが開いたかと思うと。虚波が!! 今まで受けたなかでも質量も速度も格段上の獲物。気色悪い形成をした口から、吐き飛ばして来た。
だが童もそれを処理。左手は動かせないから右手を樹木に添えてそこを頼りとし、左腕の剣だけで「音圧」に堪える。右手を幹から離す反動で左下に体勢を持っていきながら、飛び降りる形をとった後、やや孤円を描いて軌道を外された「圧」を、銅の剣でいなして弾き返す。
頭頂部の輝きはもう自分へ「キラーん!!」「ん⁉」「シュッ……」とか思っちゃう「発光力」は与えていないのか。今となっては正直分からない、どっちなのかな。ドッチボール。返してくるのかな。いやレーザーポインターの光は当てちゃ駄目よ‼ お口に閉っちゃいましょう。童と「あの謎敵」の間で共有してる〔⁉〕頭頂部のトリセツ〔!!?〕に書いてあります故に、
【あれから】未知なる力は感じなくなってしまっていた。それより以前は扱うことの出来ていた『業主の法螺の力』。
彼は、唯一の誇りであった『強さ』すらもなくなった自分自身への虚しさも「徹頭徹尾」。ある奴らへの憎悪の怒りへ変換させていた。
読者の方はあんまり知らない人もいるのかな!! かの世界中でも大人気の!! 漫画・アニメのカルチャーのなかでも天の頂に君臨するであろう、伝説・殿堂のグレートジャーニーのストーリー『|DORAGONBALL!!!!!!!』
その主人公「孫悟空」のモデルといわれている「ゴールデン・タマリン」のように……。
童は敵への対応と身体のバランスを保つのと併せ、なおかつ樹林内の領域を力強く駆け抜けてゆく。
しかしながら「目的の人物」の所までは、少しも辿り着けないままだ。
「真っ暗闇のなかだ。既にあいつの心のなかも今やそうなのか……」