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原初の星  作者: 煌煌
第二十話 進化
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成長の鍵

 父さんと母さんにフレアさんに初勝利したことを報告。さっきも喜んでくれたのに、今も満面の笑みのパール。女心に気付けなかったことは忘れてくれたらしい。


「最近は毎日驚かされてばっかりね。すぐにグレンも超えられちゃうわよ?」


 ハンバーグを切りながら話す母さんは、父さんを横目で見ながら片眉を上げる。母さんは冗談めいた言い方をしているけれど、僕の目標は父さんも超えること。でないとパールを守るという目的を果たすことはできない。


「レンとグレンの前で言うのもどうかと思うけど」


 先ほどまでとは違いパールは複雑な表情。


「レンの成長の要因はグレンとの手合わせの回数を増やしたことだと思う。尋常ではない成長速度だけど、すぐにグレンを超えるのは難しいかもしれない」


 パールの言葉通り。一昨日から手合わせの回数を増やしたことで、昨日今日と信じられないほどに反応速度が上がった。

 パールは申し訳なさそうに話すけれど、強くなるためには彼女の気付いたことは重要。成長の要因が分かれば、続ければ良いだけ。


「パールちゃんの言う通りかもね。まず追い付くこと。僕を超えるためにはその状態から何かを付け足していかないとね」


 母さんも父さんもパールも、僕を応援してくれている。三人の想いに応えるためにも、僕は成長を続けなければならない。




 父さんの言葉は母さんの心にも響いたらしく、食後にデザートが付け足された。甘い物が好きな父さんは大喜び。地下室に来てまで上機嫌が続く。


「毎日五回手合わせをしよう。パールちゃんの推理が正しければ、これでレンは先週の五倍の速度で成長できるハズ」


 永遠に劇的な成長は続かない。今と同じ速度で成長し続けると、次は一昨日からの成長率が基準になるからだ。だとしても手合わせの回数を増やすのは重要なこと。父さんとの修行と夕方の修行。三人の師匠の教えこそ、一歩ずつ着実に成長する鍵なのだから。




 昼間の激戦の影響か。昨日よりも父さんの動きが見える。地面を蹴った衝撃で飛ぶように走るのではなく、僕の反応速度を確かめるために一歩ずつ踏み締めて走っている模様。

 今日しっかり見えたのは四歩。以降は残像を伴い次第に姿を消していく。昨日も今日も防御の姿勢を取っているのは勘頼り。左から右へ水平に斬るという動作でなければ、防御も回避も儘ならない。


「難しい顔をしているけど、今日はこれまでだよ。僕は素振りの時間も大切だと思ってるからね」


 優しく話す父さん。口調とは裏腹に、剣の衝撃波でズタボロのアダマントの壁。二つの温度差こそが父さんの力量を示す。




 一時間の素振りを終えて、汗だくで浴びるシャワー。自室で待つであろうパールとの二人の時間に、今日一日の活躍が脳裏に蘇る。


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