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原初の星  作者: 煌煌
第十九話 見えた背中と霞む背中
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燃え上がる想い

 修行後の楽しみであるシャワー。父さんの背中は遠退いたが、自分でも感じられる進歩に今日の贅沢はまたヒトシオ。

 汗を流して入る自室。今日もパールはカーペットの上。入り口に立つ僕を見つめて体育座り。


「今日も一日お疲れ様。本当に毎日信じられないほどのスピードで成長しているな。男子三日会わざればと言うが、レンの場合半日で別人のような強さだ」


 父さんや母さんの前で見せていた自慢気な表情。今回は僕だけのもの。

 パールの横に座る。恋人だからこそ許される距離感。思えば僕も図太くなったような。


「だけど父さんにはまだまだ。いや、そんな言葉では足りないほどの差がある。昼の訓練でフレアさんに言ったように、パールが守りに専念できるくらいには強くならなきゃね」


 改めて強くなることを彼女に誓う。すると僕の肩にパールの頭が乗る。

 見上げる瞳。図太くなったと思った精神が警報を鳴らす。やはりパールの美しさはいつまで経っても慣れないし飽きない。


「ありがとう」


 アグルさんではないけれど、パールの騎士の一員であることを誇りに思う。




 翌朝。四人で登校した僕たち。トリーさんも傷一つなく、前の席のセイラちゃんと挨拶を交わす。するとチャイムが鳴り先生が来て午前の授業が始まる。

 昼休みの屋上。トリーさんも当然のように一緒。昨日の敵襲を思い出すのか、時折入り口の扉を見つめる彼女。今もサンドイッチを手に持ち固まったまま。


「みんないるから大丈夫だ」


 パールの優しい声。トリーさんは我に返り僕たちの方へ振り向き、微笑む。

 今日は何事もなく。穏やかなままに昼休みは終わりを告げる。




 午後の授業も滞りなく進み、放課後。七人は今日もテレフープの中。道中は相変わらず暗いままだが、昨日よりも明るい僕たちは遠足のような雰囲気で進む。けれど出口の光に包まれると、修行モードに切り替わる。

 訓練場の様子が昨日と少し違う。師匠二人が待っているのは同じだが、奥の壁には射撃の的のような物が並ぶ。


「これがキハくん用のスペシャルメニュー。君に必要なのは慣れよりも技術だ」


 キハが命中の精度を上げれば、間違いなく僕たちの戦力は跳ね上がる。もしも百発百中ともなれば、近接部隊の出番さえないハズ。

 とはいえ基礎の体力は必要。今日も腕立てからマラソンまでのメニューをこなす。僕が全て終えフレアさんの前に戻り、時計を見ると四十分弱。昨日より十分も早い。




「レンさん。今日は一度本気で手合わせしましょう。他の方は副署長がお相手されるそうですので」


 僕を見て微笑むフレアさん。しかし、彼が纏う気はまるで燃え盛る炎。


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