戦いに終止符を打つような発見
僕自身は無傷。寸止めの攻撃で僕の背後、遥か後方の壁をズタボロにしていたのだ。
鉄剣でもアダマント製の防具を破壊できるというのは嬉しい発見。けれど、父さんを超える日が本当にいつか来るのだろうか。
シャワーを浴びて頭の中を整理する。衝撃波も風の一種。そして敵の生み出す風で僕の鎧も壊された。なら僕の風刃剣でも同じような芸当ができるハズ。いや想像力さえ上手に制御すれば、二人の攻撃よりも強力な武器が作れるかもしれない。
風呂場から出た僕は、軽い足取りで自室のドアを開く。今日もカーペットの上でパールが待っていた。地下室のときと同じように、彼女は僕の顔を見付けて微笑む。
「なんだか嬉しそうだな。レンがそんな顔をしてくれていると、私まで嬉しくなるよ」
僕がパールが笑っていると嬉しいように、パールも僕が笑っていると嬉しいのか。前々から分かっていたけれど、今日一番の発見。
「風圧でアダマントを壊せるんなら、昼間に出してた風刃剣も敵に効くかなと思ってね」
僕の返事にパールは複雑な表情。何か気に掛かるのだろうか。もっと喜んでもらえると思っていたのだけれど。
「どうだろう。レンの剣だけは特別製だから本来なら鉄の剣でも何でも良いんだけども」
確かにパールは最初からずっと僕の想像通りの威力を発揮する剣だと言っている。
なら鉄やダイヤの剣が効かないのは何故?
「考えても仕方ないことかな。必要なら警察が捕らえている奴に聞けばいいし」
パールの言葉で射す一筋の光。父さんたちに相談すれば敵との面会も叶うだろう。全ての謎が解ける時が来たのだ。
翌朝。午前六時。父さんと母さんが起きる時間。僕とパールは揚々と一階へ下りる。
「あら、おはよう。なんだか嬉しそうね?」
まさか全ての謎を解き明かす策を僕が持つとは思いもしない母。訝しげな表情。
父さんはリビングの椅子に座ってテレビを観賞中。ニュースを見ていたらしい。
「何だい二人して得意気な顔をして」
テレビを消した父さんが僕たちに視線を移す。僕とパールの会心の一手を披露しよう。
「敵の装備とか特殊能力について捕まってる敵に聞けば謎が解決すると思うんだ」
目を丸くする両親。きっとよくぞ思い付いたと褒められることだろう。そしてパールを巡る争いにも終止符が打たれる。後はみんなで幸せに暮らして行くだけ。
僕とパールは学校を卒業して、僕は警察に入り父さんの補佐。パールは母さんの助手をしながら神様としての使命をこなす。夜には二人で手を繋いで家へと帰る平和な日々。
「フレアくんの主導で尋問をしているけど、自分の名前と出身地、侵略目標しか覚えてはいないみたいなんだ」
打ち砕かれた希望。考えてみれば、父さんたちが思い付かないハズもない。答えがないから、体を鍛えて生き残る術を教えてくれているんだ。
「でも、二人の目の付け所は良いのよ」
肩を落とした僕たちを母さんがフォロー。すると父さんも元気付けようと励ましの言葉を掛けてくれた。頼もしい父と母の慌てる姿に、僕もパールも笑うしかない。




