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原初の星  作者: 煌煌
第十五話 ハンデマッチ
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発動の条件

 フレアさんも不完全燃焼だったのか。僕からの二戦目のお願いに快く頷く。




 一戦目の反省を活かして策を練らねばただ二の舞を演じるだけ。作戦なんて言えるモノではないが、パールの作った敵の動きを遅くする装置が使えないだろうか。


「鎧とかに付いた新装備の発動条件みたいなのってあるのかな」


 前回の戦闘時には鎧が傷付いていたせいで作動しなかったのだろう。だとしたら正常に動くときに使って試しておく必要がある。今こそ最大のチャンス。


「敵が二メートル以内に近寄れば一度だけ動きを極端に遅くできる。再使用にしばらく時間が掛かるから引き付ける必要があるんだ」


 フレアさんから離れて作戦会議をする僕たち。パールの説明で条件は分かったけれど、問題は敵意のない相手に鎧やペンダントが反応するのかということ。


「レンの鎧は自分のタイミングで発動できるけど、ペンダントは脱出用だから無理だな」


 敵の攻撃へのカウンター。最後の生命線という訳か。しかしパールの仕掛けたシステムすらも破壊した風には注意しなければ。

 とにかく今回の戦術は決まった。僕は二戦目の前に鎧を装着。なぜか腕のラインが今回は二本になっているのが気に掛かる。


「鎧を着てもルールは変わりません。用意が整ったなら始めますが、良いですか?」


 フレアさんの声に僕は頷く。さっきと同じように一番目に僕を倒そうとしてくるハズ。彼の攻撃のタイミングが勝負。




「では二戦目。行きます!」


 声と共に消えたフレアさん。今回は更に速い気がする。もしかしてまだ本気ではないのだろうか。

 彼の一撃目が標的を捉える。僕から一番離れていたキハの胴体を。一瞬動きを止めたフレアさんにセイラちゃんが一撃を見舞う。


「良い反応です」


 振り下ろされた剣を体を逸らせて避け、去り際にセイラちゃんの左腹部を斬る。想像剣であれば今の動作にも割り込めただろう。しかしスポンジでは何もできはしない。


「残り四人。このままだとさっきと変わりませんよ。次はイオンさんに行きます」


 倒されるだけの教え子への情けか。フレアさんは次の目標を告げた。そして疾駆。

 フレアさんが口に出した以上、嘘を吐くことはないと判断した僕。イオンさんの前に躍り出る。きっとフレアさんは僕が身を挺して庇おうとしていると思うだろう。


「やはり判断が甘い」


 僕を斬り抜けようとするフレアさん。




 注意しようと速度を緩めたのが運の尽き。僕から発せられた振動の波が彼の動きを止めた。そして柔らかいスポンジが無防備な頭を捉える。


「戦場に卑怯も何もありません。実戦と同じようにと言った以上。自分の負けです」


 フレアさんは苦虫を噛み潰したような顔。今回は僕たちも納得した勝ち方ではない。そもそも一戦目で瞬殺されているのだから。

 次はインチキ抜きでも良い勝負ができるように、明日からのゴランさんの教えも必ずやモノにしてみせよう。


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