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原初の星  作者: 煌煌
第十一話 風
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 日頃の感謝も込めてフレアさんへとあるプレゼントを渡し、訓練場から出るとアグルさんたちを送り届けた僕たち。今日はキハが疲れ切っているので、彼の家まで送ることに。

 先週にも来たハズの家。なのに随分と長い間訪れていないような気がする。僕が鳴らした呼び鈴に、キハのお母さんが応えた。鉄製のドーム型の家の扉が開く。


「全くもう。未来のお嫁さんと唯一無二の親友に心配掛けて、このバカ息子がぁ。って、レンちゃんの隣の子はどこのお姫様だい?」


 キハの頬を引っ張りながら話す彼のお母さん。髪色も顔もそっくりだが、お母さんの髪は肩まで伸ばされていて毛先を丸めている。僕の母さんとは違った雰囲気の肝っ玉母さんといった人。

 だけど初めて見たパールは、キハのお母さんの度肝を抜いたらしい。パールを見つめたまま固まっている。


「いやぁ。はぁ。え、生きてるんだよね?」


 最早作り物かと疑い出した彼女。パールが喋ると今よりも驚くのだろうか。


「初めまして。パールです。レンの彼女をしています」


 満を持して口を開いた女神。するとキハのお母さんの目から、涙が。


「声まで綺麗だねぇ。レンちゃん。良かったねぇ。こんなに美しい彼女ができてぇ」


 いやいや。パールの美しさに感動しているのではなくて、僕に綺麗な彼女ができたから泣いていたのか。

 確かに、キハのお母さんは僕のもう一人のお母さんみたいなもの。キハとイタズラした時も本気で怒られたし、良いことをした時には本気で褒めてくれた。なんて昔のことを思い出すと、僕まで泣けてくる。


「おばさんありがとう。でも僕まで泣いちゃうから泣くの止めてよぉ」


 感動に浸っている僕の視界の端で、セイラちゃんがドン引いていた。




 ご飯を食べていきなさいと言うおばさんの誘いを断り、僕たちはセイラちゃんの家へと向かう。キハの家からなら歩いて数分。少しだけ歩いて行こうか。なんて考えていると、頭の上で鳴り響く警告音。

 またしても奴か。イメージソードを取り出して迎撃の態勢を取る。




 しかし。今回の相手はいつもの奴とは違うらしい。以前は威嚇だったのだと改めて思い知らされる。鎧の展開寸前に嵐を纏って現れた敵。公園の風使い。


「また来ると言ったろう。そして、我等が副隊長をズタボロにしたお前たちを許しはしないぞ」


 敵の前口上が終わると同時に、パールの鎧が僕を包む。別に叫んでいる訳でもないのに届いた敵の声。奴が放っている風の影響だろうか。

 セイラちゃんとパールはバリアの中で身動きができない様子。今回は僕一人で何とかするしかない。

 だけど僕には新しい剣がある。敵に当たりさえすれば、捕らえることもできるハズ。今回の戦いから、僕たちの反撃の狼煙が上がるんだ。


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