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原初の星  作者: 煌煌
第八話 能力解放
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剣の名は

 フレアさんとの特訓初日をなんとか終えた僕。帰り道で残りの体力まで使い切り、家に着いた時には死人が歩いているかのような顔をしていたのだと思う。玄関を開けた僕を見て、パールが駆け寄って来てくれたほどなのだから。

 いや、僕が大変な目に遭った後に彼女が駆けて来るのはいつものことか。


「大丈夫か? 顔色が悪いぞ。そんなに修行が厳しいのなら今からでも止めてもらおう」


 心配する気持ちは嬉しい。しかしフレアさんとの修行は生きるための戦いだ。僕一人だけではなく、パールと共に生きるための。


「まだ初日だから。こんなことで音を上げてたら、どのみちこの先も生き抜けない。だから、僕はやるよ」


 とは格好付けて言ったが、本音は戦わずに彼女と幸せに暮らせるなら戦いたくない。自分の中の弱い部分に嫌気が差す。色々な人に助けられているというのに。


「感動した。シノが戻ってきたら報告してやろう。あなたの息子は立派に育ってるよと」


 パールが本当に母さんに言ったら、修行を続けるかは考えよう。けど、今日はとにかく横になりたい気分。


「明日からは学校の帰り道に一緒に行こう。フレアさんも他の人を連れて来て良いって」


 僕の言葉にパールの表情は華やぐ。そして抱きついてきた。


「フレアも良い人かもしれないな。うん」


 機嫌の直ったパール。おそらくは母さんに余計なことを言われずに済むだろう。




 晩ごはんもほとんど喉を通らずにベッドに倒れ込む。出してくれたパールには謝ったけれど、彼女は今日だけは仕方ないと許してくれた。明日からは食べる気力も残しておかねば。

 なんて思っているうちに彼女が横に来た。洗い物や洗濯までこなす僕の神様。


「なんだ。まだ起きてたのか。先に寝てても良かったのに」


 言葉とは裏腹に彼女の顔は嬉しそう。けど無理に起きていた訳でもない。彼女の顔が横になければ眠れないのかも。


「パールと一緒の方が落ち着くから」


 僕の言葉に彼女の白い肌が赤く染まる。下手なクサイ台詞も照れるパールの顔を見られるのなら上達していくだろう。


「もう。早く寝よう。明日は学校だろう」


 今日の頑張りに見合う報酬を得られた僕。彼女の言う通りに目を瞑るのだった。




 翌朝。パール二度目の登校。昨日や一昨日の出来事ですっかり忘れていたが、キハは僕と共闘した時のことを嬉しそうに話す。


「それでさ。レンの武器の名前を考えたんだよ。想像を力に変える剣。イメージソードなんてどうだろう?」


 キハのネーミングセンスには少し捻りが欲しいけれど、いつまでも僕の武器って呼ぶのも不便だ。ありがたく彼の付けた名前を頂戴するとしよう。


「じゃあ僕の武器は想像剣。イメージソードで決まり」


 僕の言葉に喜ぶキハ。けれど彼以上に嬉しそうで、なのに何か引っ掛かるような表情を見せていたのは、パールだった。


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