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原初の星  作者: 煌煌
第三十六話 始まりの終わり
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エピローグ

 原初の星の大爆発によって、何もない空間にパールと二人。生命の息吹も母の意思も、僕たち以外には存在しない世界。

 無駄なことだと分かっていても、監視の目から逃れようと遠くへ向かった。無限に続く漆黒を嫌い、数多の星を生み出す。少しでも母を撹乱できればと思い、人間の住める環境もランダムに配置。様々な景色を作り上げたけれど、一番美しい存在は変わらないまま。




 移動を始めて百億年ほど経った。宇宙には天体が溢れ、もう誰も暗闇だけが広がるとは言えないだろう。


「レンが溜め続けた力で、四十億年以上は姿を隠せるだろう。その間に環境を調えて人間の住める状態にする。今度こそ、エラーだと呼ばれない人が溢れた世界にするんだ」


 城を核として、故郷に似た球体を作った。パールに頼らず生きられるように、他の生物も創造。僕たちの星は無数の生命に溢れる。

 そして四十五億年後。ヒトの種を蒔いた。ゆっくりと成長する子供達。ヒトとして最初の二人には僕らから名前を贈った。男の子は学園の名前を少し変えて、女の子にはパールの別名を。何度か城から出て干渉したけど、殆ど彼らが自力で解決していたように思う。




 世代を重ね、ヒトは数を増す。些細な争いが生まれ、僕とパールは心配する。直ぐにも手を差し伸べたくなるけれど、互いに励まし心を鬼にして我慢。

 僕らに頼らず生きる方法の一つとして、お金の概念も生み出した。努力した者は栄え、周りは真似をする。最初は良かったハズ。




 何度も子供達は争い、競い、様々なモノを自らの手で作り出した。発展と滅びを無数に繰り返し、人は己が主役の物語を生きる。

 時代は移り、原初の星と変わらないほどにヒトは増えた。けれども最近は僕とパールの関知できない出来事が多々あり、不安は募るばかり。今の人類はエラーを抱えていない。なんて僕にはまだ言えないから。




 原初の星。僕とパールと仲間たちの物語はまだ終わってはいない。新しい星の住人の、君たち自身が結末を見出だすんだ。


 今回のお話はここまでです。

 読んでくださる方々の記憶の片隅に残り、ふとしたときに彼らの言葉や行動が励みになれたなら、登場人物たちにとっても幸いです。

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