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「誰だっ!あの場所にネスを発生させたのはっ!!答えろ!」
帝国メリアンダの地下にある、誰も知らなそうな薄暗い部屋。実際、メリアンダの地上に居る人間はこの部屋の存在を知らないだろう。そこで、怒りに燃える男がテーブルを囲んでいる数人に向かって叫んでいた。幼い女が叫びに応じる。
「はぐれちゃんじゃないの〜?最近増えてきてるしさ〜」
「はぐれで済まされる問題では無いッ!!あそこには我が麗しき、愛するイヴァちゃまが!居るのだぞッ!?顔に傷、いぃや!無垢で可愛い心に傷がついたらどうしてくれるっ!」
「ていうかそのイヴァちゃま?あんたと何の接点も無いし、あんたが一方的に好いてるだけジャン?変態リーティアさん」
青年が幼女の代わりにリーティア・アィテーリに言う。だがその中年の姿をしたリーティアは反論する。
「我輩は変態では無いっ!!あぁ麗しきイヴァ、必ずや我輩の手におさめ、我輩のものに…」
「つーかあたしらに心なんてあるのかなぁ。ねえティファニ」
幼女は叫ぶ変態を無視し、そして青年、ティファニ・ニァフィテに問うた。ティファニはため息をつきながら答える。
「考えることが出来るから、あるんじゃねーの?リーティアみたいな感情。そもそも俺ら…」
ティファニは続ける。
「ただの高位ネスジャン。な、ミルフィル・ルィフルミ」
「うるっさいな〜あたし下の名前嫌いなのーキモいからー」
「静粛に」
このメンバーの中の、リーダー的な奴がつぶやいた。その重苦しい声に、ぴたっと全員黙る。
「ティファニ、例の紛い者、送りつけたか?」
「あぁ、あの力を使う奴が近くに居れば、目覚めも早くなると思うぜ」
「ついでに、目覚めてるっぽいキーマスターも呼び寄せられるよね〜楽チン♪」
「あぁぁイヴァちゃん〜麗しきイヴァちゃぁん〜」
「イヴァを崇めるのは良いが、変な意識を持つでない、リーティア・アィテーリ」
「そんなぁ、意地悪ですよ、ヴェリエルさん〜」
リーダーであろう、ヴェリエル・ルエリェヴは鼻で笑った。
「計画は、順調だ。我等の真の仕えるべき存在はあとわずかで…」
全員、不気味な笑みを浮かべる。渦巻く黒い陰謀。
「御還りになるであろう」