日常2
「やっと終わった・・・」
六時間のテスト返しが終わってHR前。
これが明日も続くとは・・・
「諒人~テストどうだった?」
前の席の成哉が聞いてくる。
「まぁ、現代文はそれなりに・・・ただ英語が・・・」
「俺は英語は良かったけど現代文がな~・・・勇輝はどうだった?」
「オール90」
「「怪物め」」
「お前らは偏り過ぎだな。諒人は国語は得意だが他は普通、でも英語は壊滅的。成哉は英語はずば抜けてるけど〝それ以外〟は壊滅的」
「主要教科全部英語にして欲しいわ~」
「えー、嫌だよ僕は。英語嫌いだし」
「明日はテスト全部返ってくるし数日後は順位も貼り出されるらしいぞ。しかも名前も」
「え、それって学年全員の前で!?マジかよ~、俺の馬鹿がバレちゃうじゃん」
「安心しろ、既にクラスの皆は認知してる」
「辛辣すぎ~」
「はいはい、HR始めるよー。はいそこ喋らない!」
担任の先生に注意され成哉と勇輝も前を向く。
担任から色々連絡が伝えられ、HRが終わる。
「あーこれから部活か~・・・」
「卓球は雨でも部活あるからね。体育館競技の辛いところだね」
室内だから雨が降ってもバスケや卓球部は基本部活がある。
「諒人。お前は明日からサッカー部とバスケ部に行かなきゃいけないだろ。大会1ヶ月前だし。それに7月は成哉と一緒に卓球部にも顔を出さなきゃいけないぞ」
「あ、そうだった」
僕は帰宅部だが運動神経の良さ(自分で言うのもあれだけど)を学校に買われ大会の1ヶ月前から部活に参加することで大会に参加することを許されている。でも部活の人に助っ人を頼まれなければ帰宅部でしかないが、サッカー部とバスケ部に助っ人に来て欲しいと頼まれていた。
「明日はサッカー部で明後日はバスケ部でいいのか?」
「うん、それでいいよ」
「分かった。それぞれの部活に伝えとくよ」
「なんか勇輝って諒人の秘書みたいだな」
「まぁ、マネージャーみたいな感じかな?」
「そう言われても反論はないな」
事実僕の部活のスケジュールとかは勇輝が管理したり伝えてくれたりしている。勇輝も帰宅部だし、持つべきものは親友だね。
「成哉、部活遅れるぞ?」
「あ!やっべ!もう行くわ!」
鞄を持って駆け足で教室から出ていく。
「じゃあ俺はサッカー部とバスケ部に行ってくるよ。しばらくはサッカー、バスケと交互に部活に来る感じでいいんだな?」
「うん、それでいいよ」
「分かった。じゃあもう行く」
「僕も行くよ」
「いや、先に帰っててくれ。俺は他に用があるし」
「あ、そうなんだ、分かったよ」
勇輝は頷いて教室を立ち去る。
「さて、帰るか」
僕は鞄を持って玄関に向かった。
「ただいま~」
家に帰ってきたが返事はない。
僕は従姉の奈緒と二人暮しをしている。
2年前に僕と奈緒の両親が事故死してしまい引き取ってくれる親戚もいなかったからだ。
その奈緒は空手部の部活で家にはいない。
ちょっと濡れた制服を脱いで洗濯機に入れる。
時計を見ると4時過ぎだった。
奈緒が帰ってくるのは大体6時くらいだから少しくらいは外出してもいいだろう。
こんな雨の日だがまたあの人狼ゲームをしたいと思ってしまう。どうやら僕もハマってしまったようだ。私服に着替えて僕は家を出た。