2話
「撒いたか?」
俺は元いた場所から少し離れたところまで走ってきた。
3匹の狼は途中で疲れたか別の獲物を見つけたんだろう。
やってて良かった・・・
俺は中学時代は陸上部に所属していて走ることには慣れていた。
ふとスマホをみ見るとこう書かれていた。
【この世界は君の言葉は通じる。周りを見ろ。】
周りを見ると小さな村がいくつか見えた。
【そこで情報を集めるのもよし。住むもよし。この世界を生きろ。】
この世界を生きろ・・か・・・
やるしかないのか?まあ情報を得たかったからいいんだけどさ。
少し歩いたところに村があったのでとりあえず話しかけてみた。
「えっと・・こんにちは」
恐る恐る声をかけた。
「いらっしゃい!兄ちゃん見ない顔だねぇ・・旅人さんかい?」
「そんなとこです」
よかった。話は通じた。
あとやる事と言えば・・・・
「この村に宿はありませんか? 寝床がないもので」
商人は丁寧に教えてくれた。
「そこの赤い看板を右に曲がったところに、宿屋って書いてるとこがあるからそこに行ってみな」
俺は礼儀正しくお辞儀をし、歩き始めた。
「えっと、赤い看板を右にっと」
この村はそこまで大きくはないが、中規模の村だと思う。
さっきから村人と何人かすれ違っている。
見た目も俺のような日本人と変わらないようで安心した。
少し行くと《宿屋》と書かれた看板を見つけた。
入ってみるか。
ガラッ・・・
「いらっしゃいませ。どういったご用件ですか?」
ここは宿屋と店を兼業しているようだった。
「寝床がないもので、宿を探していたんです。1部屋借りてもいいですか?」
「宿ですね〜少々お待ちくださいませ〜」
随分と元気な店番だなぁと感心しつつ、待った。
「はいっ。1部屋確保しました。何泊されますか?」
この言葉で思い出した。お金って持ってたかな・・・
あった。日本にいた時の財布がポケットに入っていた。
中のお金が見たことがない硬貨に変わっていたが。
おそらく100円だった硬貨を出し、
「これでどれくらい泊まれますか?」と聞いてみた。
すると驚くべき答えが返ってきた。
「そうですね100yenなので・・1週間ですね。」
ん?yen?円じゃなくてか?
そもそも100円で1週間って安いにもほどがあるよな。
あれか、1銭とかの単位もあるのか。
1銭で1円、1円で100円で、100円で1万円か。
「じゃ、じゃあそれでお願いします。」
受付で鍵を受け取り、部屋に向かった。
「えっと201はっ・・・ここか」
ガチャリ。開いた。当たり前か。
「おぉ。」
部屋は壁に向かった机と椅子。そしてベットとクローゼットでできた部屋だった。
異世界といえど現実世界とそこまで変わらない造りのようだ。
風呂とトイレもついているとか、いいのかな100円だけど。
俺の財布にはあと数十枚100円が入っていて、札もいくらかある。
「生活には困らなそうだな。」
ふと気になった。スマホを見てみた。
【宿屋をとる。クリア】
どういうことだ?
ポイントが手に入った。
よくよくスマホを見てみると下の方に人型のマークがあった。
「status?」
ステータスのことか。
押してみると、ゲットしたポイントを振り分けられる画面が出た。
「えっと、筋力、知力、俊敏力、運力とかがあるのか。」
本当に別世界に来てしまったんだ。改めて感じた。
得たポイントを知力と俊敏力に振り分けた。
クエストみたいなのをクリアしてポイントを貯め自分を強化していけばいいんだな。
もう今日は歩いて走ってで疲れた。
「寝よう」
俺は疲れのせいかすぐに眠った。
まったりマイペース投稿です。すいません。
みてくれる人が増えたら投稿頻度も上がるかも・・・