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~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
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《中学1年生編》

【クリアside】


ご隠居様からの言伝てを預かって、朔也様へ報告する為に離れの廊下を足早に歩いていた。

…………ん?どうして、楓ちゃんは障子の影にいるんだろ…?

大和は…話を、してるのか。

ちょっとした悪戯心で……いや、話の邪魔をしないように気配を消して近付いた。

何、これ…え?僕の話!?

なんか、恥ずかしいな…

昔の自分の事が、大和の口から語られていく。

ただ…何でそんな、難しく言うのさ…


そして、無駄に長いよ…

はぁ…いつまでも、隠れていても仕方ない。

そろそろ、いいかな?

タイミングよく、大和の説明が途切れた。

「その後は、どうなったんですか?」

う~ん…道場に行かなくなって、それから…

「ぶちギレて、不良になったんだよ」

あ、驚いてる。

ちょっと、気分いいな。

「あなたは…どこから、聞いていたのですか?」

聞いてた事は、バレてる訳ね…

睨んでくる大和に苦笑を返して、頭をかいた。


「どこから、ねぇ…僕が才能を開花させて、頭角を現したって辺りかな…?」

拗ねてる大和の頭を軽く撫でると、また睨まれちゃった。

「……話の腰を折ってすまないが、お祖父様と話は出来るのか?」

あ、そうだった…ちゃんと、報告しなきゃ…

大和より少し前の位置に、正座して一礼をする。

「本日は、お時間が取れないそうで…ご隠居様からの言伝てを、お預かりして参りました」

朔也様の眉間のシワが、深くなったような…


「……聞かせてくれ」

心なしか、声も若干…低く聞こえる。

「かしこまりました。ご隠居様の言伝ては…『明日の朝食時に、話をしよう』との事です」

言伝てを言い終えると、後ろにいる大和からの視線が背中に突き刺さるのを感じた。

今回のいざこざで、腕に擦過傷までこさえたんだから…お前が、言いたい事は分かる。

分かるけど…その怒りは、持ち前の理性でなんとか抑えてよ…

「……分かった。桐生、話を中断させてすまなかった」


「あ、ううん!俺に、謝らなくていいよ」

そういえば、僕が壊れていったのって…今のこの2人と、同じくらいの時だったなぁ…

期待される事が苦痛になって、誰にも相談なんか出来なくて…

何もかもが信じられなくなった時、僕は今までの自分を捨てた。

大人達に言わせれば、単なる《反抗期》で片付けられそうだけどさ…

あの頃の僕にとっては、人生最大の試練だったんだよ…

下手な、意思表示だったな…

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