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~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
61/143

《中学1年生編》

ーーーーーーー………


ーー5月5日・16時00分…


美空君の家に着いて、正直驚いた。

まず最初に感じたのは、『何時代の建物!?』って事で…

呆けていた俺を見かねて、高木先輩が…

『古そうに見えても、7年半前に大規模な改修をしています』と言った。

そして今…俺は茶室と呼ばれる部屋で、なぜか高木先輩からのおもてなしを受けている。

何が、どうしてこうなった!?

「あ、あの…美空君は、どこに?」


迎えに来てもらってから、さっきまでいたのに…

家に着くなり美空君はどこかへ行って、俺はこの部屋に通された。

その後すぐに来たのが、高木先輩で…

「朔也様は、お着替えをなさっております。今しばらく、お待ち下さい」

き、着替え…?

迎えに来てくれた時の格好だって、別に着替えなきゃいけないようなものじゃなかったのに?

「はい…」

丁寧な動作で、高木先輩が茶を点てる。

本当、何でも出来るんだな…この人…


茶碗にお湯を入れて、何かの道具でかき混ぜてる。

小さな、(ほうき)みたい…

「この道具が、気になりますか?」

「……ッ…!?な、何で?」

この人、本当怖い…

「何でって…ずっと、視線が手元に集中してましたから」

見過ぎてて、バレたのか…

気にはなるけど、聞きづらいな…

でも…そんな事ばかり言ってても、何も始まらない!

「あ、あの!その、(ほうき)みたいなの何ですか?」

箒じゃないだろうけど…


他の表現が思い付かなかったから、最初に感じたままを言葉にした。

怒られるかな…

「これは、茶筅(ちゃせん)と呼ばれる道具です。茶碗に入れた茶葉と湯を、よく混ざり合うようにかき混ぜる為の物ですよ」

怒られなかった…?

そればかりか、今分かりやすいように解説された?

「あ、ありがとうございます」

人間とは、不思議な生き物だ。

苦手な人が少しでもイメージと違う事をしただけで、印象が180度変わってしまう。


高木先輩が点てたお茶を飲み終わった頃、足音が近付いてきた。

音もなく障子が開いて、着物姿の美空君が茶室に入って来る。

「朔也様、こちらへ」

高木先輩が差し出した座布団にゆっくり座った美空君の後ろで、1人の男性が障子を閉めた。

大人の人…?

外国人?

あ、まさか!?

「あの…あなたが、クリア…さん…?」

格好いい…

全然、変態や変人には見えないけど…

「初めまして。神野 クリアと申します」

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