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~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
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《中学1年生編》

毎月の事だが、いつも思う…

この会食に、俺が同席する意味は何だ?

お祖父様の思惑が、未だに分からない…

「朔也、そこにおるのか?こちらへ、来なさい」

「……はい」

部屋の中からお祖父様に呼ばれて、その部屋の障子を開けようとしたらクリアに止められた。

クリアは障子に向かって正座し、ゆっくりした動作で障子を開けていく。

「お待たせ致しました。今回は僕がお迎えに上がったので、朔也様も少々戸惑われてしまったようで…」


それは、事実だ…

いつもと勝手が違うから、正直どうしたらいいのか…

「なぜ、お前が《教育係》の真似事を?高木家の者は、どこへ行った?」

クリアの父親であり、俺の主治医が問い詰める。

「あ…はは…道場で稽古してたら、思わず力入っちゃって…つい、本気で……」

「本当に…痣になったら、あなたのせいですからね?クリア様」

声がした方を見ると、俺達とは逆方向から高木がこちらに歩いて来た。


その左腕には、包帯が巻かれている。

クリアの隣に正座した高木が、お祖父様と主治医に頭を下げる。

高木の言葉を聞いた主治医は、クリアの腕を掴んで立たせた。

「お前…高木に、怪我を負わせたのか?本気の稽古は慎めと、あれ程言っておいただろう!?」

「問題ないって!素人相手に、本気出した訳じゃないんだからさ。大和も、誤解生む言い方すんなよ…その腕は、軽い打ち身なの!今日は、念の為に包帯巻いただけ!」


軽い打ち身でも、怪我をさせた事には変わりないのでは…?

正座をしたままの高木の隣に座り込んで、包帯の上から左腕に触れた。

「……触ると、痛いか…?」

「今はもう、痛みはほとんどありません。ご心配をおかけして、申し訳ございません」

よかった…

本当に、大した怪我ではないみたいだ。

「あの~…朔也様?何か、僕って…完全に悪者になってません?」

「……悪者だと思われている自覚が、お前にあったとはな…」


クリアの体から力が抜け、その場にへたり込んだ。

「これぞ正に、自業自得というヤツだな」

「何でさ!?『本気で稽古』って言葉に、乗ってきたのは大和だよ!?朔也様!どうして、僕の評価がそんなに低いんです!?」

……どうしてって…

そんな事、決まっている。

「……それは、日頃の行いじゃないのか?普段の評価が低いから、たまにいい事しても±0に近付くだけ………言い過ぎたか?」

「さすがは、朔也様。正当な評価です」

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